『ゴジラ -1.0』レビュー 吉岡秀隆の名台詞「ひとりの犠牲者も出さないことを誇りとしたい!」を噛みしめる
『ゴジラ -1.0』のテーマのひとつ——「命を粗末にしない」ということ。
もしかしたら観客にとって、あまりに当たり前なことかもしれない。しかし、山崎貴監督はこれをド直球で投げかけてきた。
『ゴジラ -1.0』の主人公は、生き残ることに罪悪感を抱く男・敷島浩一(神木隆之介)。作中世界の1945 年当時、彼は零戦に乗る特攻隊員だった。しかし敵兵との戦いからも、離島で出くわした怪獣・ゴジラとの戦いからも、ただ「逃げる」ことで生き残ってきた。何も根っからの卑怯者だったわけではない。