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LAPRASの研究開発のリーダーの想い

LAPRASのR&Dのマネージャー、プロダクトマネージャー(PdM)をしている鈴木さんのキャリアを紹介します。

<略歴>
東京工業大学で物理学を専攻。電機メーカーで機械学習・信号処理の研究に従事したのち、2018年にMLエンジニアとしてLAPRASにジョイン。テクノロジーをユーザー価値に結びつけるべくプロダクトマネージャーに転向。現在は全社のプロダクト作りを統括。

社内のR&Dのマネージャー、プロダクトマネージャー(PdM)、法務の知財部門、ホラクラシー関連等色々な仕事を担当している鈴木さんですが、その中でも今回は特に「Chief Research and Development Officer」の肩書きに注目し、今挑戦している「ベンチャー企業でのR&D」に繋がるこれまでのキャリアについてインタビューを実施しました。


ゲームで「世界」を再現しようとした中高生時代

小さい頃から、「物事がどういった仕組みでできているか」「世の中がどうできているか」に興味がありました。それで、中高校生の頃からゲームを作っていたんですが、いわゆる「みんなを楽しませよう」といったモチベーションではなく、「人が動く」とか「物が飛ぶ」とか、現実世界で起こっていることを、ゲームの画面上で再現したいというモチベーションで、ゲームを作っていました。

そのため、「噴水のように球が出てくるのをひたすら避けるゲーム」や「3Dで棒人間をひたすら撃つゲーム」とかを作って、特に公開することもなく、友人に見せたりしていました。高校生の頃には3Dゲームを作り始めたのですが、「3次元上のものを2次元上にどう表現するのか」という3Dゲームの基礎的な知識もないので、習いたての3角関数と逆3角関数を使って頑張って表現するみたいな、今考えるとすごい方法で作っていました。普通はスクリーンに投影するような方法で計算するのですが、当時は画面上で縦横それぞれに見込んだ角度を割り当てて作っていたので、難しい計算が裏で走って処理が重くなった分、ゲームの動きも遅くなっていました。

子供の頃は、LAPRASの社名の元にもなっている「ラプラスの悪魔」という概念(現時点の粒子の動きが全て分かっていれば、未来に何が起こるのかも確実に分かるのではないか?と言う因果律を論じるために仮想された超越的存在)のような、決定論的な世界観を持っていたので、「ゲーム上で世の中の動きを再現できれば、世の中を記述できるんではないか?」ということに興味を持っていたんだと思います。とにかく、探究心で動いていました

その流れで、大学では物理を専攻しました。物理には理論か実験かと言う軸と基礎か物性かという軸があるのですが、自分自身は物性の理論に進みました。物性というのは、物の中でたくさんの原子とか電子とかの粒子がある中で、それがどのような振る舞いをするのかを考えていく分野で、そこを理論で、数式を扱ったり、コンピューターで数値上での実験も行うことで研究していました。

また、在学中はずっとWeb開発のアルバイトをしていました。言語としては、Ruby on RailsやNode.jsを使っていました。飲食店等でレシートの裏にQRコードがあって、そのQRを読み込むとアンケートが出てきて、そのアンケートの回答結果を集計や分析ができる…といった、一連のアンケートシステムの開発をやっていました。大学2年生から大学院生まで、5年程このアルバイトをやっていたことで、Web開発の基礎を学ぶことができました。

大企業の研究所に就職した理由

その後、新卒でNECの研究所に就職しました。大学時代の研究がやはり楽しくて、物事を追求したり仕組みを考えたりすることが好きだと思っていたのですが、アルバイトでのWeb開発で作ったものをユーザーに届けられる環境も好きだったので、それらを両立させられる仕事がしたかったことが理由です。

大学や研究機関ではなく企業の研究所への就職を選択したのは、長く続けるモチベーションとして「ユーザーに何かしらのものを届ける」方が続きそうだなということもあり、学問としての物理を極めるよりもビジネスの世界でやってみたいと思いました。また学生時代、ニコニコ動画が流行したり、TwitterやYouTubeといった現在のWebを形作るWebサービスが次々出てきたりと、ITの世界が広がっていった時期だったので、システムに対する興味も出てきていました。

研究所での仕事は言えないことの方が多いのですが…世の中に公開されているものであれば、交流電力の波を解析することによって、電力量をセンシングするような研究をやっていました。研究自体は非常に面白く、機械学習や信号処理のアルゴリズムを考えたりし、研究したものを「どういうサービスにしていくか」「どういうところに役立てでいくか」みたいなことを考えるのも楽しかったです。

一方で、やはり研究所にいるとユーザーと距離があるため、ユーザーにより近い場所で仕事をしたいという思いがあり、作った仕組みを「事業として」提供できるような環境に移りたいと決意して転職をしました。

LAPRASへの転職

そのため、当時20人くらいの規模のLAPRAS(当時の社名は「scouty」)に入りました。LAPRASはその規模の頃からR&Dをやると掲げており、ここであれば研究して作ったものをユーザーに提供するまで、一貫してできそうというところが魅力的でした。

また、LAPRASは自社でサービスを持っていて、ユニークなサービスであることや、エンドユーザーファーストだったり社員同士が明示的な期待をするような社風に惹かれて、LAPRASを選びました。

大企業からスタートアップにくることの抵抗感はありませんでした。元々アルバイトしていた企業で小規模な会社の雰囲気は知っておりイメージがついていたので、ここで学生時代のアルバイトの経験が生きた部分はあります。

実際に今の自分の仕事も、社内のR&Dのマネージャー、プロダクトマネージャー(PdM)、法務の知財部門、ホラクラシー関連等多岐に渡りますが、小規模な会社で働いた経験があったので、仕事の幅が決められていないというか、小さなチームの中でやれることは全部やるといったベンチャーらしい働き方のイメージがついていたので、入社後に大きなギャップになることもなかったと思います。

ベンチャー企業でR&Dを続けるということ

入社した際には「物事を深く考えることが好きだから」という視点で、スタートアップでもR&Dにちゃんと投資しているLAPRASを選んだのですが、実際に今「R&Dチームを率いる」という立場になると、スタートアップの規模感で、成果に直結しないR&Dをどうしていくかは非常に難しいと思っています。

すぐに効果を発揮するような部分を研究しても得られるものが少なく、かといって成果が得られるまでの期間が長すぎると、それまで会社の体力が持つかがわからない。その中で、「積み上げることができること」と「プロダクトに半年〜1年以内に反映できること」という2つの視点を大事にして、今はR&Dを続けています。

積み上げについては、技術やデータが将来にわたって役に立つ、つまりユーザーや社内の開発の役に立つようなことを大事にしており、将来へのインパクトから逆算して資産になるような仕事をしていく必要があると持っています。

プロダクトへの反映については、やはりLAPRASは「プロダクトを持っている会社」なので、プロダクトからあまりに離れた研究をやるのではなく、2年後3年後に積み上がっていく成果を出しつつ、半年後や1年後にプロダクトに実装できるようにしていくことを重要視しています。

積み上げつつも、プロダクトから離れすぎず、かといって目の前の開発に終始しない。そんな、R&Dを目指しています。

仕事において大事にしていること

キャリアについて大事にしていることと言われると難しいですが…普段仕事をしていく中では「ユーザーさんに届くもの」「触って動くもの」を作り切ることは大事にしているし、意識しています。「百聞は一見にしかず」という言葉もあるようにただ机上の理論で終わるだけではなく、ちゃんと「形になって」初めて他のメンバーやユーザーにも届くものなので、そこはかなり意識しています。

あとはシンプルに「必要なことをちゃんとやっていく」ということで、自分の領域じゃないと割り切ることなく、会社で落ちそうなボールを積極的に拾いにいく姿勢を非常に大事にしています。そこで、いろいろな経験をすることで、思いもよらない場面でその経験が役に立ったりしているので、手を伸ばしておくことは重要かと思います。

例えば、昔だとアルバイトでやっていた開発が研究に役に立ったり、小規模な会社で働いていたことが転職の時の役に立ったり、前職でやっていた特許に関することが今のLAPRASでの知財業務に役立ったり、ということがあります。

決断において、大事にしていること

決断する際には、自分の中に閉じずに、外の世界を知ることが一番重要だと思っています。考えることが好きだと、自分の思考の中で閉じこもってしまう傾向がありますが、大きな行動をとる際には、外の世界に目を向けると新しい視点が見つかることもあるので、意識して新しい行動をとる必要があります。

また、自分は「理(ことわり)」があるような業務には興味を持って取り組める傾向にあるので、どんな仕事でも「理があるような業務であれば、未経験でも大丈夫だ」という意識を持って、色々なことにチャレンジしていくようにしています。

チャレンジして、手を伸ばしたからこそ「土地勘がわかる」ようになって、どこかで役に立つことも多いので、選り好みせずに興味の向くままに、色々な仕事を取りに行くことは大事にしています。

2020年オフサイト時に撮った1枚(1番右が鈴木さん)

今回は、物理が好きで探究心旺盛な鈴木さんに、LAPRASでのR&Dのリーダーとしてのお話やこれまでのキャリアについて伺いました。

研究のみにとどまらず世の中により良いものを届けていきたいという気持ちを持ちながらスタートアップで力を発揮していらっしゃる鈴木さん。

今やっていることが将来に繋がっていて役に立つ時がくると経験から知っているからこそ、社内にも社外にもアンテナを張って積極的に動いていらっしゃる姿勢はぜひ見習いたいなと思いました。

LAPRASでは現在、一緒に働くメンバーを募集しています。興味を持っていただいた方はぜひお気軽にお声かけください!

 また次回、別のLAPRASメンバーのキャリアをお届けできればと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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