社長1年目を振り返ってみての、本音を聞いてみました。
今年弊社に一番インパクトがあったことといえば「代表交代」です。創業社長から染谷さんに代表が変わったこの1年で、LAPRASにどんな変化があったのか。そして「創業社長から会社を継いだ」立場として、代表にチャレンジした染谷さん自身にどういう変化があったのか。
この記事がLAPRAS BACKBONEの2022年の最後の記事となるので、今回は代表取締役社長の染谷さんに「社長になった1年が終わりを迎えて、今どういう気持ちですか?」と取材をしてきました。
-社長として初めて迎える年末ですが、今頭を占めていることありますか?
実はもうすぐ子どもが生まれる予定なので、いつ生まれるのかなっていうのが今は一番頭を占めていますね。あとはリモートワークでずっと家にいるので「年末」という感覚がなくて、家の前のイチョウ並木を見て「あ、もう冬なの?」という感じです。
-今年、社長になって「変わった」と感じることはありました?
そうですね、やはり「当事者感」はかなり上がりました。COOの時も自分の事業だと思って仕事はしていたのですが、社長になってからはより切実というか、身に迫ってくるというか。売上や資金の残高も「生の数字」として迫ってきて、頭では「今の会社状況で必要な成果は出ているし、このペースで伸びていけば問題ない」と分かっていても、心というか本能に近い部分で「自分も社員全員の生活も懸かってるんだぞ」とか「もし急に社員が全員、辞めてしまったらどうしよう」みたいな不安を抱えることは出てきました。良くも悪くも、COOの時は社長になった後に比べて、自分の肉体と事業が切り離されていたと今振り返ると思います。もちろん、それはネガティブな部分だけでなくて、ポジティブな部分でも含めて。
社長になる前に思っていた「何とかなるでしょう」と、やってみた後の「何とかなる」は本当に全然違って、経験してみないとわからない「生生しさ」が圧倒的に違うと思っています。ただ、「事業に対して良い判断ができるかどうか」を考えたときに、(社長という立場でありつつ)客観的である必要もあると思っているので、その自分の心が感じる「生生しさ」をいかに抑えるかを意識するようになりました。
例えば、競馬で3000円くらいの賭け金だと冷静に判断していたものが、30万円とかを賭けだすと一気に判断が鈍る。それと全く同じ…ではないですが、やはり常に冷静にかつ俯瞰的に判断していけるようにしないといけないと思っています。あとは事業だけでなく見る範囲が広がったので、知識が必要な範囲もかなり増えましたね。そこは、知らなかった分野を勉強することで、視野が広がって、自分の成長にも繋がっていると感じています。
-普段の生活でも変わったことってありましたか?
そうですね…人として真っ当な生活をするようになりましたね。笑
別に元々堕落してたとかじゃないですが、お酒を飲みすぎないとか。割とお酒好きなんですが、翌日のパフォーマンスを落とさないように平日は家では金曜日以外はおおむね禁酒するようにしていて。社長が酔ってPC紛失したりしたらすっごく怒られるし(笑)、不祥事で社員に迷惑をかけないようにもしたいし、あとは考えたいことも増えたので、あまりお酒を飲んでボーッとしてる時間もないなと。
あと、頭の使い方が結構変わって、考えるテーマが増えることで「マルチタスク化」が進みました。何か特定のテーマに集中することより、時間ごとに向き合っている課題やテーマが違うことが多くあります。例えば、COOの頃になかった、財務の課題や株主対応やビジネスサイド以外の従業員のコンディション等も考える必要があり…分かりやすく言うと「科目数が増えた」みたいな感覚です。
あ、結局仕事の話に戻ってきてますけど大丈夫ですかね…?笑
-就任してから今まで、どういう気持ちの動きがありましたか?
代表交代が決まってから最初の3ヶ月くらいは「全然変わらないな」と思って、その後の3ヶ月くらいが一番辛くて「大変だなぁ」と思っていて、その後開き直って「やるしかない」という覚悟を決めて今に至る形です。
最初の3ヶ月は景況感も良くて売り上げも上がり、自分の仕事の範囲も広がりもまだ自覚できてなくて、「意外と既存の延長線で行けるかなと?」思っていました。その後、景況感が変わってきた時と当時CSOだった太田さんの退職が重なったことで、「会社として財務をどう見るべきか?」「コーポレートにどういった機能を求めるか?」というCOOの延長線にはない新たな問題への対応が必要になり、マルチタスク化も加速して、急に大変になりました。今振り返ると、わからない領域では「どこを最低ラインとするか」「何をどう変えれば良くなるか」というのが分からないがために不安感ばかりが掻き立てられるので、そこに対してアプローチしたりキャッチアップしたりが必要だったという意味で、この2段階目の3ヶ月のステージはかなり辛かったですね。
今は、その期間に本を読んで情報を収集し、財務やコーポレート周りがある程度はキャッチアップでき、また自分で分からないことも社内外含めて「誰にどういう知見があるのか」を把握することで整理できてきたと思います。今は、自分自身が「どうやってクリティカルな施策をたくさん打つか」に集中しています。「何をどう変えれば良くなるか」も把握できているので、ここまできたら、あとは見えている世界を頑張るだけだと思っています。
-振り返ってみて、「これは失敗だったな」と言えることはありますか?
先期の方針は、失敗したかもしれないですね。代表交代があって間もない中で、あまり全体感が見えない状態で楽観的な目標を立ててしまったので、今期のようなもう少し地に足がついた目標にすれば、もっと会社も事業も伸ばすことができたと反省しています。
当時は「社長」という役職の使い方が分かってなかったと思っていて、社長とCOOは動員できるリソースが違うので、それをもっと早く、上手く使えていればという反省点はあるし、そこに対しては「交代直後だったから仕方なかった」とは言いたくないです。「もっと上手くやれたはずだ」と反省して、修正して行きたいです。一方で、その失敗を経て設定した今期の方針や、最近手を打っていることは、手応えがあるので、そこに失敗は生かされていると思います。
-振り返ってみて、今年一番「辛かった」ことはなんですか?
うーん…事業のことも色々あるんだけど、正直に言うと日本シリーズですね。2連覇は一番嬉しかった出来事なのですが…まぁもう日本シリーズが辛いんですよ。リーグ優勝したのに日本シリーズで勝たないともう満足できなくなるし、日本シリーズはもう本当にしんどくてめちゃくちゃ悔しかったんですけど、マクガフ選手のエラーとか塩見選手のエラーとかで負けた日には…もう。全然点は入らないし、あんなに連日もつれたし、ずっと接戦だし、本当に辛かったですね。もうね、毎日本当にめちゃくちゃ辛かったから…(この辺りで編集部で止めました)
-社員のメンバーに対して、何か今伝えたいことはありますか?
今やっていることは間違ってないし、成果が出るまでに時間はかかるので苦しい時期もあると思うけど、先を信じて頑張っていこう!ということと、上手く行ったらみんなに還元があるようにしたいと思って動いたりしているので、そこは安心してほしい!ということですね。
特に、会社としての最近の方向性は、しっかりとユーザーの方の声に今までよりさらに耳を傾けようとしているので、その道を信じて一緒にやり抜いてほしいと思っています。
また、色んなライフステージの人がいる中で全員が幸せにパフォーマンスが出せる会社が理想だと思っていて、それが「全ての人の可能性を信じる」という会社の理念を体現したいと思っています。だから、「働き方」という些細なもので人の可能性を奪うことがないような組織にしたいと思っているし、それについてはもう自分がやってることじゃなくて、社内プロフェッショナルのみんなが頑張ってくれているので、会社を信じてもらって大丈夫だと思っています。
-では、今年の自分に点数をつけるとすると?(10点満点)
2点ですね!本当に今振り返ると「下手だったな」「もっと上手くやれた」「未熟だった」と思うことがたくさんあるので、厳しい採点になっています。ただ、今年1年でかなり経験値も貯まり、来年は全然今年よりも上手くできると思うし、そこは上手くやらないといけないとも思っています。
2点つけても良いと思ったのは、頭と心の線引きをして、頭で考えたことで振る舞うことを頑張り続けた部分ですね。社長に心だけをぶつけられても、社員の人は困るじゃないですか。人間だから当然感情はあり完全にコントロールはできないんですが、それを自覚した上で、特にまだ社長になりたてで知らないことが多くて「心」が未熟なことがあるので、そんな時でも「心に引っ張られず」に頭で判断したりコミュニケーションを取ることはすごく気をつけていました。
来年はせめて6点をつけれるようにしたいですが、6が目標だというと何かしょぼいけど。全体として「何をすべきか」と各個人が「何をすべきか」がはっきりしてて、各個人がその目標に対してやりがいを持って進めていける状況が作れるといいと思っています。そうすることで、お客さんに届けるサービスにも魂がこもって、より良いサービスが作れると思うので、そういうことが自然にできるかつ持続可能な組織を作っていたらと思います。
そんな組織ができた結果自分ももう少し楽になっている…といいんですが、多分そうなったらまた自分の「満足」のラインが上がるので、きっと楽にもならないし満足もしてないんだと思います。ただ、振り返った時に「去年よりも確実に前進している」と言えるように、また来年も頑張るし、みんなで頑張りたいです。
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