新規事業の立ち上げで気づいた3つの大事なこと〜転職体験をアップデートする新規事業「LAPRAS SCOUT Pro」立ち上げの裏側〜
LAPRASでは2023年8月にLAPRAS SCOUT PRO(β版)を新たにリリースし、エンジニア採用を熟知する専門チームが候補者ピックアップ・スカウトを代行するという新サービスの提供を始めました。(現在の名称はLAPRAS SCOUT Pro(β版))
そこから半年経った今、新規事業の立ち上げに関わったチームのメンバーで、当時からこれまでを振り返って座談会を実施したので、今回はその様子をお届けします!
登場人物
山本雅俊さん
LAPRAS SCOUT Proの事業責任者 2022年5月LAPRAS入社。カスタマーサクセス経験後、採用代行事業立ち上げへ。60社以上のエンジニア採用を支援。
辰巳夢治さん
LAPRAS SCOUT Pro事業推進担当 2023年1月LAPRAS入社。ITエンジニア専任の転職エージェント経験を活かし、企業の採用支援を行う。
LAPRAS SCOUT PRO立ち上げの背景を教えてください
山本:元々、LAPRAS SCOUTというITエンジニア向けのダイレクトリクルーティング型のサービスを提供していたのですが、ITエンジニアのプロフィールを読んでスカウトを作るという業務には高い専門性が必要なこともあり、採用企業の担当者さんから「とにかく、スカウト送信が大変」「自社で運用するのが大変」というお悩みをいただいていました。
そこで、すでにエンジニア採用の知見のあるLAPRASの社内でスカウト代行のサービスを提供することで、より採用企業さんにメリットがあるサービスが提供できないのか?という視点で始まった新規事業がLAPRAS SCOUT Proです。
辰巳:LAPRAS社はLAPRAS SCOUT等を通じて「エンジニア採用」に向き合ってきている会社なので、自社内に溜まっているノウハウを採用企業により還元することで、より良いマッチングに繋がるのでは?という声は以前からあり、それを事業として形にしたのがProだと思います。
採用担当の方の工数を減らすだけであれば「エージェント」という選択肢もありますが、エージェントは複数社の選択肢からマッチングを目指すことになるので、どこかの企業だけに集中して丁寧にサポートをするケースは限定的だと思います。私も元々エージェント事業にいたので、求職者の方への選択肢という観点では良い点があると分かっている一方で、採用企業目線で見るともう一押し踏み込んだサポートがあっても良いのではないかというのは思っていました。
その点、Proは担当者が「採用企業の代弁者」として動くので、採用企業の方にとってはエージェントより「自社のため」にフォーカスした動きを期待できますし、自社で運用するよりも工数もかからないということで、ダイレクトリクルーティングとエージェントの良い所取りの新規事業を立ち上げるんだなという感覚でした。
どのような思いで、新規事業の立ち上げに参加したのですか?
山本:自分は元々CSMとして採用企業の方やRPO(採用代行会社)の方をサポートしていたため、採用担当の方から「LAPRAS SCOUTは良いサービスだが、使いこなすのが難しい」という声をいただくことが多くありました。
そのような声をいただけることは非常にありがたい反面悔しいというか、LAPRAS SCOUTをより良いツールに改善することはもちろん重要ですが、それだけでなく、「こういう使い方をすればより良い採用ができるよ!」というような"道筋"をもっと自分たちの手で示していきたい、という思いがありました。
実は初期の立ち上げは別のメンバーが担ってくれていたのですが、社内でProが立ち上がると聞いて「これだ!」と思い、自ら手を挙げてアサインを希望しました。その後、立ち上げメンバーが退職するタイミングで、責任者となりました。
そのため、Proで良いマッチングが生まれるだけでなく、Proを通して「LAPRAS SCOUT」というサービス自体の価値をより広く届けられ、良いサービスだと実感してもらえるようにならないと意味がない、という気持ちで臨んでいます。(責任者になってからは)、会社としても大きなチャレンジになるので、正直社内からのプレッシャーもすごく感じていますね笑
辰巳:自分は元々LAPRASのエージェント事業にいた頃から、エージェントの知見を活かして、「より使いやすい採用サービスとはどういうものか」という観点でLAPRAS SCOUT等のサービスに意見を出したり社内の相談に乗ったりしていました。その流れで、やはり満足度の高いマッチングをLAPRASがより多く生んでいけるように、自社の”メインプラットフォーム”と言うべきLAPRAS SCOUTに関わる業務にもチャレンジしたいということで、Proに参画させてもらいました。
少し山本さんとは違う視点ですが、Proは採用企業の方向けに提供していますが、Proが広まることで、スカウトを受け取るエンジニアの方にとっても良いマッチングが生まれる可能性があると思っています。
例えば、専門性が高すぎて、採用担当の方からは「スカウトが書きづらい」「実力があるのは分かるが、どう声をかけて良いのか分からない」という理由でスカウトが届いていない方がいるとしたら、Proが適切にプロフィールを読み解いてマッチするようなスカウトをお送りすることで、今までに届かなかった選択肢が届くようになるかもしれません。
自分は立ち上げフェーズの後半から少しづつ手伝い始めた形だったのですが、「より良いマッチング体験を採用企業にも候補者さんにも届ける」ことを、自分のエージェントのキャリアを活かしながら、Proで推進していきたい思いがあります。はい、会社の期待ももちろんしっかり感じています笑
実際に半年間試行錯誤してみて、どうでしたか?
山本:最初は本当に大変だったけど、今は楽しくなってきたという感想です。最初の立ち上げでビジネスとしては形を作ってもらえていたので、そこは前任のメンバーに本当に感謝しています。おかげさまで、その後は「より良いマッチングを作る」ことに集中することができました。
とはいえ、着任当初は手探りの部分もあったので、まずはとにかく自分でプロフィールを見て、スカウトを書くということをやりました。朝から晩までLAPRAS SCOUTに向き合い、丁寧なスカウトを普通の採用担当の方の5倍くらいの量書いていたこともあり、最初は正直大変でした。新しいサービスを導入してくれたお客さんに対して、早く採用成功という形で報いたいという焦りもあったと思います。
一方で、そのように自分で手を動かしていくことで、「ダイレクトリクルーティング」や「LAPRAS SCOUT」に対する解像度が高くなってきて、どういう運用が採用成功に繋がるのかが見えてきました。また、採用企業の担当の方々にも恵まれ、Proに対してフィードバックをいただけたことで、徐々に採用成功という形で成果が出始めた時からは、楽しさや嬉しさというものが感じられるようになりました。
辰巳:私も大変ながらも楽しんでいるという感じです。やはり「転職」はキャリアにとって大きな出来事ですし、それぞれのタイミング等もあり「何かをやればやるだけ成果が出る」という世界ではありません。一方で、お金をいただいているサービスとしては当然「採用成功」という「成果」を無視することもできないので、そこで『良いマッチングをどうやって生むか』ということに対する試行錯誤は大変ですし、今後もずっと大変だと思います。
一方で楽しいのは、LAPRAS SCOUTが自社のサービスなので、自分たちの声が改善目線でも貴重であり、プロダクトに反映されるチャンスがある点です。複数の採用企業さんの運用に入った結果、我々は間違いなく「世界で一番LAPRAS SCOUTを触っている」チームなので、我々の悩みが世界の最先端です笑
その結果として、LAPRAS SCOUTの開発チームと「こういう機能が欲しい」「ここを改善して欲しい」といった話ができたり、逆に試験的な機能を使わせてもらえるようになったりという形で、自社のメインサービスの改善に当事者として関わることができる楽しさもあります。
また、LLMチームが実験しているツールにProとして意見を出させてもらったことで、面白いツールが開発されるといったこともあり、そのような経験はエージェント事業では体験できかったことなので、面白いと感じています。
新規事業で大事なことは何だと思いますか?
山本:とにかく、泥臭く手を動かすことだと思います。カッコ良いリサーチや企画書があっても事業は前進しないので、まずは自分で動いてみて、結果を見て修正を重ねるという動き方をするのは大事だと思います。
また、改善案や新しい企画については、できるだけ「早く」やることが大事だと思います。スピードを出せれば、短期間で色々な企画が試せることで、より早く成果につながります。LAPRASでは「無限改善」という言葉がありますが、まさにその通りでPDCAを早く回すことは重要だと思います。
辰巳:自分は途中から立ち上げに入った立場なのですが、目の前の運用やルールを疑うことが重要だったと思います。新規事業では、事業の進め方について最適解が分かっているわけではないので、方向性を試行錯誤する必要があり、途中から参加した身としては「まずは決められた運用でやってみよう」「一旦は今までやってきた方法でやってみよう」という気持ちにどうしてもなるのですが、そこから一歩勇気を出して「自分がここで発揮できる価値」や「理想のフロー」から業務を逆算して、見直したり作り直したりする姿勢が、後から入ってきたメンバーは一番重要じゃないかと思います。
今後チャレンジしたいことを教えてください!
山本:やはり今導入いただいているお客様の採用成功にはこだわっていきたいと思います。また、LAPRAS SCOUTを導入してくださっていて、効果が最大化できていないと感じる会社さんには、もっとProをカジュアルに使っていただけるように頑張りたいと思います。
また、実はProで2月から「RPO紹介」という新しいサービスを始めるので、そのサービスも良いものにしていきたいと思っています。
長期的には、採用担当の方が「採用業務の苦手な部分・工数が足りない部分を外部に依頼する」「それによって、自分が集中したい人事業務に集中する」という世界が実現できると良いと思っていて、その一端をProが担えるようになりたいと思っています。
辰巳:採用企業の方により採用成功を届けるということは当然として、その上でProによるスカウトで、より「LAPRAS SCOUTというサービスからスカウトが届く」という体験を広げていきたいと思っています。LAPRASサービス全体を見渡すと、採用企業さんからのスカウトが行き届ききれていない印象はありますし、実際「もっとスカウトが届くことを期待している」という候補者さんの声もお聞きします。自分たちがより良いスカウトやより良いLAPRAS SCOUTの使い方の道を示すことで、今までなかなか届きづらかった方にもしっかりと機会が届き、選択肢を広げられるように変えていきたいと思っています。
また、例えばアウトプットをあまりしていないエンジニアの方やエンジニア以外の方、もしかしたら日本以外の国にも?、LAPRASが目指す世界をより色々な方に届けられるように、今後も頑張っていきたいと思います。
今回はLAPRAS SCOUT Proの新規事業立ち上げメンバーにお話を聞いてきました。新しいことにチャレンジしたメンバーの実体験に基づく話に、勇気をもらいました。
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