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【ES編】人事に最も刺さる能力とは?【就活体験記】

こんにちは、ゆづきです。
僕はこれまで、「履修登録ガイド」だとか「神大の制度まとめ」だとか、大学生活を送るにあたって当時の自分が“欲しかった”と感じた記事を作ってきました。

そんな自分が、学生生活終盤にして最も“欲しかった”と感じた記事があります。
それは、「就活」についての記事です。

前提として、就活は人によって正解が異なるのに加え、多くの人に当てはまる情報は拡散され常識となるため、答えのあるこれまでの記事と違い誰にでも当てはまる有益な情報を指し示すのは非常に困難です。

しかし、自身が就活を通して培った情報たちは、あまり学生に知られていないのか非常にアドバンテージとなりました。

正直、自身が就活中に見いだした自論が多いので、主観的な一個人の意見であることが前提の“体験記”としますが、その分忌憚なく、本質だと思う内容を書いていければとおもいます。

さて、前置きが長くなりましたが、初回となる今回のテーマは“ES”です。
ESは、通過しないと選考に乗れない重要な入り口ではありますが、その後の面接まで見越した内容を書かなければ、面接で落ちてより労力と時間を奪われることになりかねません。
よって、ESは“面接までの橋渡し”であることを念頭に、就活中の自分に教えたかった情報をテーマに執筆しました。

1.「新卒採用」は何のために存在するのか?中途採用との根本的な違い

「新卒採用」は何のために存在するのか。
一見常識的な問いですが、この重要な問いの答えを知らない・勘違いしている学生は、就活中とても多く感じました。
結論から言うと、新卒採用はポテンシャルを見ている訳ですが、これが何を表しているのか、「中途採用」との違いを確認しながら詳しく解説します。
まず、中途採用は新卒採用と比較して、ポテンシャルではなくスキルを見ています。
中途採用は求人がなければ応募できませんが、これはプロジェクトなどで穴の空いた場所などに必要な人材を募集しているからで、スキルを持ち「即戦力」となる人材が求められています。
対して、新卒採用は基本的に社会人未経験=“何もできない”ことが前提で採用されるので、その人が企業文化の中でどのくらい成長し、仕事ができるようになるかという、いわば教育を前提とした”伸びしろ=ポテンシャル”を見ていることになります。
この違いを理解していないと、たとえばESで「他人との差別化」をスキルで図ろうとしてしまい、採用担当者から「別にそのスキルはあんまり使わないのに…それよりはどういうところに“やりがい”を感じて、どんな風に自分をモチベートしているのかを知りたい…。」と思われてしまうことになります。
就活では、よく「資格はあまり関係ない」だとか、「結果の大きさよりそこに至るまでの背景が知りたい」という文言を聞くことになると思いますが、その根本的な理由は、企業は自社に特化した社員の育成を前提として「ポテンシャルを見て採用しているから」です。

1.まとめ

新卒採用は、スキルより入社後の「伸びしろ」を見ている。


2.“自己PR”において最強の能力

自己PRは、「私の強みは〇〇です。」と強み(結論)から書くことが定石となっていますが、ここではそんなときにアピールする強みのテーマにおいて、文理・業種業界関係なく最強だと思うものについて紹介します。
結論から言うと、それは「主体性」です。ただし、これは「私の強みは主体性です。」と書けばいいと言うことではなく、それをアピールできるエピソード、またはそれに類する強みに変換してアピールすることが最強だと考えています。
その根拠となる資料として、経団連が2022.01.18に公開した「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」(閲覧日:2022.08.24)の第I部、「企業の求める人材像と採用動向」(p.4)を引用します。

上図の上部に、国営の経団連様が直々に見解をまとめてくださってはおりますが、追記事項も含めて詳しく説明していきます。
まず、一番左の〈特に期待する資質〉の項目をご覧ください(下図)。

前章で解説したとおり、新卒は「ポテンシャル」が求められるため、成長に最も必要な能力である「主体性」が「チームワーク群」を抑え、最上位となっています。
このように、就活では公理(前提)となる新卒の採用基準ないしは企業の業種・業界、採用方針や特色などから求められる人物像を逆算し、予測する作業が非常に重要になります。
なお、「チームワーク群」も非常に重要な要素となるため、(※評判が良ければ)続編となるGD編にて本質を詳しく解説する予定です。
次に、資料中央の〈特に期待する能力〉にもご注目いただきたい(下図)。

くどいようですが、前提として新卒採用はポテンシャルを見ているため、スキルというよりはある種そのひとしか持たないような「才能」を求めています。
なかでも、「課題設定・解決能力」という変化の激しい現代のビジネスにおいて再現性の高いイノベーティブな才能が求められている傾向にあります。
最後に、資料右の〈特に期待する知識〉をご覧ください(下図)。

ここでは、最上位に「文系・理系の枠を超えた知識・教養」とあるように、ジェネラリストな知識が求められているほか、2番目には相対するスペシャリスト的な知識が求められる傾向があります。
ここからは完全に憶測と主観にはなりますが、文系職では分野横断的な知識=イノベーションに求められる資質が重視されているのに対し、主に理系職を中心に専門的な能力が求められているように感じます。
これらのことをまとめると、最強の書き方は「自分にしかない“才能”を強みとしたエピソード内で、主体性を表現すること」になります。
なお、僕自身は自己PRが数学関連の学業の内容だったので、これに加え「文系・理系の枠を超えた知識・教養」まで示すことができていました。
鼻につくのであまり自身の戦績については書きたくないのですが、そんな普遍的な学業のエピソードでも、これらの要点を意識しただけでES落ちは2社(※体感どちらもWebテ落ち)のみで、28社通過という戦績で就活を終えることができました。
そんな僕のESのテンプレについては、自作のフレームワークと共に次章で公開したいと思います。

2.まとめ

最強の書き方は「自分にしかない“才能”を強みとしたエピソード内で、主体性を表現すること」


3.実際に使用していた“自己PR”テンプレ(400字)

私の強みは、常識に囚われない方法で弱点を覆す発想力である.
私は、高校時代ほとんど勉強をしたことがなく、経済学部に必須の数学は分数の足し算すらできない状態であったため、1年次はGPA2.0と平均を下回っていた。
そこで、危機感を感じた私は2年次から数学の学び直しを決意した。
しかし、数学は基礎から応用を学ぶのが定石であったため、大学数学を目標に始めたもののすぐに挫折してしまった。
そこで、原因は目標までの道のりが遠すぎることだと考えた私は、常識に反し大学数学から取り組んでみたところ、目標までに必要な単元を明確化することができた。
結果、目標までの道のりを計画できるようになったことで長期的なモチベーション維持に成功し、2年間でGPAを2.0から3.9まで上げ学業成績優秀賞まで受賞することができた。
貴社に入社後は、この実行力を活かし
                         … ( 353 字 )

証拠

最後の文章が途切れている部分は、企業によって変えるための部分です。
たとえば、コンサル業界であれば

貴社に入社後は、この実行力を活かし課題の本質を捉えた画期的なソリューションを提供したい。  …(44文字)

といった具合です。
また、このESは、深掘りに対する落とし穴(採用担当者がこのESを読んだときに聞きたくなるような内容)が意識されており、この他のエピソード含めあらゆる深掘りにも一貫性をもって対応できる仕組みになっています。
詳しくは(※評判が良ければ)続編となる面接編にて扱います。

また、ESはとりあえず作ってみることが重要だと考えているので、当てはめるだけで使える自作の「自己PR量産用フレームワーク」も掲載しておきます。
なお、ガクチカ版については需要があれば検討します。
使い方については、下記ファイル内に記載しています。

3.自己PR量産用フレームワーク(Word)


4.「ガクチカ」と「自己PR」の違いにみる、エピソードの選定基準

「ガクチカ」と「自己PR」の違いは言葉の意味するままですが、活用という視点で考えてみるとエピソードの幅に違いが生まれます。
具体的には、ガクチカは大学で「長期的に力を入れたこと」のアピールがしやすいのに対し、自己PRは「短期的(瞬間的)に強みが発揮された経験」がアピールしやすくなります。
また、ガクチカは自己PRに対しより再現性を問われる関係で大学生時代の話で基本固定されるのも相まって、エピソードの自由度(使える幅)は以下の集合関係になります。

さらに、ESは多くの場合ガクチカと自己PRでセットになっているため、エピソードの「相乗効果」も意識することができます。
たとえば、ガクチカで「協調性(長期的強み)」×自己PRで「リーダーシップ(瞬間的強み)」だった場合、採用担当者からすればこの人は付いて行くタイプなのか、みんなを引っ張って行くタイプなのか分からなくなってしまい、一貫性が失われます。
しかし、ここでガクチカを「マネジメント能力(長期的な強み)」×自己PRを「リーダーシップ(瞬間的強み)」とすれば、この人はメンバーと向き合えて、いざという時はリーダーシップも発揮できそうだなと一貫性を示すことができます。

4.まとめ

  1. ガクチカは大学で「長期的に力を入れたこと」

  2. 自己PRは「短期的(瞬間的)に強みが発揮された経験」

  3. ガクチカ×自己PRの相乗効果も意識する

【終わりに】
就活は、「ググる」じゃ分からない。

個人的に、参考書は分厚い方が良いと思っています。
ある分野を学びたいとき、本が薄ければ読み始めやすいのですが、その分抜けている情報が多く、どうせまた別の本を読むはめになってしまうからです。
しかし、本が分厚ければその分知識が漏れなくダブりなくまとまっているため、一冊で最短で学ぶことができます。
こんな具合に、直感的な遠回りが実は一番の近道であることは就活でも珍しくありません。
たとえば、Twitterの就職垢での“情報収集”はいわば超薄い本を何冊も読むようなものであるため、情報が重複しやすくなります。
また、当てはまる母数が多く優位性のない情報は回りやすくなるため、基礎的な内容が多く出回ります。
つまり、就活垢で流れてくる情報だけでの就活は、個人的にあまり効率的では無いと思っています。
就活垢を使うなら、ピンポイントで専門的な情報が欲しくなったり、孤独感と戦ったりする後半に備え、”就活で頼れる人”を今のうちからそばに作っておくことをおすすめします。
また、”就活で頼れる人”とは、何年・何十年も前に就活を終えたおじさん・おばさんたちではありません。
就活に最も詳しい人は、同じ現役の就活生です。
「今は必要ないから」、「今の時代ネットがあるから」と思うかもしれませんが、ネットでは知っている情報しか検索することはできません。
就活に漏れなくダブりなくまとまった分厚い教科書があれば別ですが、そんなものはこの世に存在しないため、抜けていることにさえ気づけないような知らない情報を埋めてくれる優秀な仲間が居ると助かります。
なお、この就活体験記は、未だ存在しない「就活の分厚い教科書」を目指して執筆しています。


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