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経営コンサルタント、半人前。

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最近の記事

2023四半期ベスト①Tim Allhoff

早くも2023年も3ヶ月が経過しました。 現時点で私が「これぞ!」と思う音楽をピックアップします。 まずはクラシックから。 「Meditations -Chant & Piano」 西洋古楽、いわゆるグレゴリオ聖歌をポストクラシカルのマナーをもってリアレンジするプロジェクトだそうです。 オリジナルの歌曲にシンプルなタッチのピアノ伴奏を加えているのですが、それだけで厳かな聖歌曲がヒーリングミュージックのようなタッチへと移ろいます。 シンプルなアレンジ且つ原曲を尊重する姿勢

    • 私の音楽ヒーロー③ Pet Shop Boys

      理屈とか抜きで好きなもの、ハマってしまうものがあります。 ジャズやクラシックは理屈込みで深い愛着が湧く音楽ですが、ポップ音楽、取り分けダンス系のシンセポップに理屈は要らないわけです。 私にとってペットショップボーイズはそういった存在であり、ずっと脇にいて時に掘り起こしたくなる作品が多くあります。 ニール・テナントのボーカル、哀感あるメロディー、レトロフューチャーなシンセなど、分解すれば長く解説できてしまうのですが、詰まるところトータルで好きなのです。 聴き手にポップな時間

      • フェイウォンを再発見したという話

        音楽ストリーミングでザッピングしている中で、つい昨日、クランベリーズというバンドに出会いました。 アイリッシュフォークの影響がみられるオルタナバンドですが、「Dreams」という曲に差し掛かった時、強い既視感(既聴感)があったため記憶を探ってみました。 そーだ、確か「恋する惑星」の劇中歌だったと思い起こし、確認するとドンピシャでした。 フェイウォン、或いは90年代のマンドポップ(広東語のポップス、端的には香港音楽)が好きでよく聴いていたのですね。 もちろん、ウォン・カーウァ

        • 私の音楽ヒーロー② David Bowie

          かつてはロック界のカメレオン、現在ではロック界のマイルス・デイヴィスと称されているようです。 彼の音楽的貢献を考えれば後者がより妥当と思います。 未だに日本では大いに誤解されていますが、「Blackstar」リリースによる文字通り最期の功績を通じて世界的な再評価が進みました。 どうしてもシアトリカルなライブパフォーマンスや70年代の中性的な出立ちにフォーカスされますが、天性のメロディーセンス、常に同時代的なアレンジ、力強いボーカルこそが彼の音楽的チャームの源泉です。 彼が

          映画「RRR」が凄いという話

          昨日映画館で見てきました。 何だこれは、何だったんだ一体。という弩級のインパクト、密度の大作でした。 「3時間があっという間」という前評判に違わない、或いはその斜め上に突き抜けてしまった心象です。 いえ、確かにそのように感じた瞬間もありました。 といっても「いやあ、凄い展開だった。あっという間の3時間だったな、、、え?いま幕間?まだ半分あるの?」という、未知の感情でした。 とにかくクライマックス的な展開が幾度も続くのです。 端的に言えば、英国統治下の専制に立ち向かう2人

          映画「RRR」が凄いという話

          追悼:Wayne Shorter

          Wayne Shorterが逝去しました。 2010年代になっても精力的な活動を続けていたことから、何というべきか、心の準備ができておらず、ショックです。 ジャズメッセンジャーズ、マイルスバンド、ウェザーリポート、何よりソロ活動において、音楽史に名を刻んできた偉大なミュージシャンでした。 好きな作品は数あれど、つい手が伸びるのは70年代のブラジル音楽期です。 Native Dancer、Odyssey Of Iska、大好きです。 改めて作曲、編曲の素晴らしさと共に、Sho

          追悼:Wayne Shorter

          私の音楽ヒーロー① Miles Davis

          私にとってジャズは特別な音楽であり、半ば生き甲斐であった時期もあります。 通算で1万枚以上のアルバムを聴いてきたとも思います。 そのような背景を踏まえても、モダンジャズの帝王を問われれば迷いなくマイルスの名を挙げるでしょう。 20世紀音楽においてラヴェルやバルトークに比肩するコンポーザーであり、唯一無二のプレイヤーでもありました。 音楽史の観点からは50年代のモード開拓期の重要性を見過ごせませんが、個人的に60年代後半から最晩年にかけてのアルバムを好んで聴きます。 具体的

          私の音楽ヒーロー① Miles Davis

          2022年よく聴いた曲② SHERBETS

          SHERBETS「UK」 昨年はアルバムもリリースしたSHERBETS。 こちらも聴き込みましたが、どれか1曲と考えたときに思い当たったのは、アルバムと別にシングルリリースされた本作でした。 「MIRACLE」辺りを思い起こす、お洒落なナンバーです。 トゥルトゥル♪といったスキャット、レトロなキーボードから入り、サビになると感傷的なリフがメロディーとかけ離れたところで音楽をやり始める。 終始続くちょっとした歪さ、不器用さが魅力になっていますし、思わず口ずさんでしまうシンプル

          2022年よく聴いた曲② SHERBETS

          2022年よく聴いた曲① Luna Li

          Luna Li「What You're Thinking」 1stアルバムからの1曲。 アルバム全体ではドリームポップ寄りのインディーロックの色合いが強いですが、こちらのみダンス寄りのアプローチとなっています。 シンプルなメロディーの繰り返しなのですが、Liのボーカルが控えめなことから口説くなく、寧ろ気持ちよく聞き流せる仕上がりです。 何度も聞いてしまうし、思わず口ずさんでしまう素敵なトラックです。 ちょっと難点を挙げると、MVが少し口説いですね。もっと儚げなムードの曲な

          2022年よく聴いた曲① Luna Li

          2022年よく聴いたアルバム⑨ 柴田聡子

          柴田聡子「雑感」 前々作あたりから関心のあったシンガーソングライターですが、メジャー4作目にして突き抜けた印象です。 楽曲のバラエティ、作り込み、分かるようで分からない作詞を含め、大変素晴らしいクオリティ。 何より柴田さんのボーカルがぐっと魅力的になり、メロディーメイカーの才能が開花したことが大きいです。 「雑感」「ジャケット」「南国調絨毯」「夕日」など、グッドメロディが目白押しです。本当に、素敵な楽曲ばかり。 丁度「南国調絨毯」を聴いていますが、めっちゃ素晴らしい。メロ

          2022年よく聴いたアルバム⑨ 柴田聡子

          2022年よく聴いたアルバム⑧ Yuja Wang他

          Yuja Wang, Andreas Ottensamer, Gautier Capuçonによるラフマニノフ、ブラームス作品集。 3者ともに優れた演奏家であり、いずれの楽曲も申し分ありません。 その中でもGautier Capuçonのチェロ演奏は出色です。 時にロマンティック過ぎるきらいもあるのですが、本盤ではラフマニノフのエキゾチックな色彩と見事にマッチし、冒頭から引き込まれます。 もちろん、Yuja Wangだって素晴らしいのです。 昨年はクラシック作品も多く聴き

          2022年よく聴いたアルバム⑧ Yuja Wang他

          2022年よく聴いたアルバム⑦ Weyes Blood

          Weyes Blood「And In The Darkness, Hearts Aglow」 前作よりニューウェーブ感を増した作品。 時にカーペンターズのように朗らかなメロディも見られますが、どこか仄暗く、寧ろ全編を通して一種の毒々しさが潜みます。 音楽的なルーツ、アーティスト当人が表現したいサウンドが明確であるため、スタイルは変われど音楽的なブレはありません。 冒頭で触れたように80年代ライクなシンセ音を取り入れていますが、存外に馴染んでいるのです。 ポピュラリティもあ

          2022年よく聴いたアルバム⑦ Weyes Blood

          2022年よく聴いたアルバム⑥ Gard Nilssen Acoustic Unity

          Gard Nilssen Acoustic Unity「Elastic Wave」 ECMからリリースされたフリージャズ作品。 いやフリージャズと言っていいのかな?。 コード進行もしっかりしている(ようなしていないような)印象ですし、どこか冷めた(ような熱っぽいような)演奏が続きます。 サックス中心のピアノレストリオは特に好きなフォーマットであり、本来は丁々発止のインタープレイを期待するところです。 対して、このユニットは3人が有機的に絡んでいるに関わらずチグハグな印象

          2022年よく聴いたアルバム⑥ Gard Nilssen Acoustic Unity

          2022年よく聴いたアルバム⑤ Thee Sacred Souls

          Thee Sacred Souls「Thee Sacred Souls」 3人組のソウル音楽ユニットのデビュー作。 完全にオールドフィーリングな音作りで、系統としてはDurand Jonesに近いです。 彼のバンドよりもメローで、いい意味で力んでいないところがチャームポイントかなと。 聴き手も身構えることなく、コンフォタブルなホーンセクションやボーカルに身を委ねることができます。 こちらはアルバム1曲目。

          2022年よく聴いたアルバム⑤ Thee Sacred Souls

          2022年よく聴いたアルバム④ Sharon Van Etten

          Sharon Van Etten「We've Been Going About This All Wrong」。 インディーフォーク畑のミュージシャンですが、徐々にヘヴィな音像へと変化しており、本作ではインダストリアルや面も見せています。 完全に趣味の問題で、SEが少し過剰なモヤっとしたアレンジにアンニュイなボーカルが被さるような音楽が好みなんですね。 という事で、本作の音像は完全にフィット。愛聴盤となっているのでした。 ジャケットもアルバムの世界観をうまく表現しています。

          2022年よく聴いたアルバム④ Sharon Van Etten

          2022年よく聴いたアルバム③ Asian Glow & Weatherday

          連投です。お気に入り3枚目はインディーロックです。 Asian Glow & Weatherdayによる「Weatherglow」。 エモというかシューゲイズというか、ローファイで轟音なギターサウンドを求めている人にピッタリです。 最近、シューゲイズやドリームポップは食傷気味だったんですが、妙に青臭いところが聴きやすかったのかな。 個人的おすすめは「Center」。 マイナームードのヘヴィなリフ、緩急の激しい展開。荒削りで情緒的な世界観にどっぷり浸れます。 2022年のベ

          2022年よく聴いたアルバム③ Asian Glow & Weatherday