修羅対策会とはなんなのか
明日は解神なので、
今回は、去年定期的にTwitterを賑わせた謎のイベント「修羅対策会」について書きます。
解神と修羅について
解神は競技謎解きの大会で、
その大会の2R目の早押し謎解きコンテンツが「修羅」と呼ばれています。
修羅対策会とは
主宰は今話題のしかく系謎制作者の沙竹唯氏とフライパン職人氏、修羅ラウンドの練習会と称して、みんなで15問を持ち寄って交互に出題し、早押しボタンを押すクローズドなイベントです。
問題持ち寄り式なので、現状、会場費だけで数百問の謎が解けるイベントとして運営されています。
4月、8月、2月と現在3回開催されており、クローズドなイベントにも関わらず、Twitter上の盛り上がりから、解神公式に補足されるまでに至りました。
対策会の流れ
会場では15問を1セットとして、問題作成者がスライドをコントロール、
本番と同じく3問先取で勝ち抜け1誤答で失格、
勝ち抜け2人が記録される形式で、2人勝ち抜けが出ても15問出し切るまで出題は続きます。
同時参加者は解神より少し多く、10人ちょいぐらいがボタンの前に立ちます。
このセットを用意した数ぶん繰り返します。
第二回からは人数が増えたぶん、5問セット*3人で1つのセットを構成したりと調整が入っています。
解神の前哨戦
過去の解神で活躍した、さやちぃさんやクィアウルフさん、高井茅乃さんなども参加し、
解神本番に引けを取らないようなレベルの早押し謎解きが繰り広げられている修羅対策会ですが、
第一回で自作を除く12セット中8セットで勝ち抜けたちゃそさん
(残る4セットのうち2セットは勝ち抜け者なし)
第二回以降に参加し、トップクラスの活躍をしているEMさんなど、
解神ではまだ決勝ラウンドに上がっていない2人の活躍も目覚ましく、
新世代と噂されていました。
そんな彼らが、競技謎解きや解神の予選ラウンドで好成績を取ると、
参加者の間では「やっぱり強かった」と噂される現象が起こっています。
2019年、芸人たちの間で「今年のミルクボーイはかなり仕上がってる」といった前評判のようです。
早押しボタンと15問
「謎解きで競える」
「強い人と同じフィールドで謎を解く体験ができる」
という楽しみもありますが、
参加者が趣向を凝らした謎が解ける
自作の謎を目の前で早押しで解いてもらえる
といった楽しみもあります。
わんど自身は、解かれたときに
「これが30秒で解ける人がいるのか、人類すごいな」ってなる問題を出題することが多いです。
限界だった問題の例
この問題は45秒制限時間でしたが、その間に
回転反転ありのポリオミノを解き、
盤面にA〜Zを当てはめ◯の位置の文字を拾い、
5文字をアナグラムしてボタンを押す
といった操作が求められますが、修羅対策会であれば、これくらいの無茶も許されます。ちなみに、この問題はクィアウルフさんが解答しました。
本家の傾向と対策や、引っ掛け問題など、解神の本番の対策になる問題など、様々な問題が出題されますが、
広く捉えると、15問と早押しボタンを使った遊びであれば何でも良いため、
会場全体を利用する問題
「15問公演」と呼べるようなもの
1問完結型でない(前の問題を参照する)問題
高難易度すぎて全体戦化するもの(謎垢ブロック、一種の余興としての扱い)
など、本家解神の幅を超えたセットがどんどん生まれています。
この傾向は回を重ねるごとにどんどん増し、
すでに修羅対策会の名を冠しながらも、解神から独立した遊びになりつつあります。
「修羅対策会が、早押しフォーマットを利用して謎解きを披露する場」になっている点について、
フライパン職人さんは「細かすぎて伝わらないモノマネ」がモノマネではなくネタを披露する場になっているようなものと言ってました。
ちなみに作問は前日に行う人も多く、前日の作業Discordは文化祭前日のような雰囲気になります。
セット終了後の余興
使われないセットがないよう、時間には余裕があり、
すべてのセットが終わったあとの時間は
その場で作られた即興謎や、持ち込みコンテンツなどの
余興コンテンツで遊ぶ場となります。
第二回では、以前Discordで偶然生まれ盛り上がった古典パズル早わかりクイズを仕上げて修羅対策会に持ち込みました。
【問題例】
「3つのドアがあり…… 」「変えたほうが良い」
「ラクダを17頭…」「1頭借りてくる」
「1 1 5…」「8 / (1-1/5)」
「2人は同じ生年……」「三つ子だった」
「なんでこれだけでわかっちゃうんだろう」というグルーヴ感、
そして、同じようなものを読んで育ったんだなあという感動がありました。
第三回では、この企画に影響を受けた、
「制作途中の謎の答えを当てる謎」が修羅対策会の3回目の余興で
で「制作途中謎」として出題されました。こちらもオススメ。
「競技謎解き特化」の要素を除くと、謎大関西やアナビ忘年会などが
謎制作者中心のコンテンツ持ち寄り型のイベントという点で内容や雰囲気などが近そうな気がします。
(どちらも参加したことはないですが)
去年のベストコンテンツ
料理のプロや得意な人たち同士で美味しい料理を持ち寄る会が開かれて、
そのままでは世に出せない、お金を払っても手に入らないような料理が食材費だけで食べられる感覚の思考エンタメバージョンというのか。
料理界隈にいたらそういった役得があるのかもしれないし、
ここの界隈にいると、適切に機会さえ作れば、遊びに関しては恵まれているのかもと思います。
▲クローズドからオープン寄りにどんどん近づけていくという広め方もありそう。
コンテンツ持ち寄り型イベントのススメ
この記事楽しそうと思った人は是非作ってほしいし、コンテンツ持ち寄り型のイベントを開いて欲しいなと思います。
例えば謎解きの人と遊ぶ場合だと、
「みんなが見たことあるけど、その着眼点はなかった」題材を利用したクイズ企画を考えたり
既存のボードゲームのフォーマットを変えてみたり
謎解きを題材にした大喜利のお題を持ち込んだり
新しい競技のフォーマットを作ってみたり
くじや決め方もなにかのゲームにするなど、工夫してみたり
などなど。
出題ハードルの低い場で、新しいコンテンツの種を探すというのは、
Twitter謎解き文化に通じるところがあるのかもしれません。
これは、わんど100の4番目の記事として書かれたものです。
後記
死角謎の流行りがすごい。そろそろ3桁になりそうだし、こうなってくると探さなくても注意深くいるだけで見つかるんじゃないか、みたいな気もしてきます。楽しい。