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#37 漁業における強制労働・人身売買(1140字程; 2021/1/22, VOA Editorials)

(header image ↑: "ship" by David Clode at Unsplash.com)

(英文元記事↑ 403words)

1.過去数年の間に、海産物に対する世界の需要は、人口の増加をはるかに上回っています。その結果、特に近づきやすい海域での乱獲が行われています。しかし、結果として魚資源が枯渇するにつれて、漁師たちは漁獲物を得るために遠洋へと行かなければならなくなっています。そのような航行は燃料代や人件費などの経費を増加させるため、あまり良心的ではない漁業者の中には、利益を増やすために違法な手段に手を染める者もいます。

 経費削減の手段の一つとして、強制労働に依拠することがあげられます。「漁業部門は、人身売買の危険が本来的に高い。」と、海産物供給過程における人身売買に関する新しい報告書で述べられています。この報告書は、米国の国務省と海洋大気庁(NOAA)が共同で連邦議会に提出したものです。「遠洋漁業の仕事は危険なものと考えられており、多くの場合、労働力として代替されやすく、人身売買の餌食となりやすい、非熟練の出稼ぎ労働者に大きく依存しています。」とも述べられています。

 このような犯罪的な慣行は、たやすく隠されます。漁業はその性質上隔離されたものだからです。漁船は数か月、時には数年を海で過ごすこともありますそのため、強制労働下にある漁師たちが逃げ出したり、劣悪な取り扱いを通報することはほぼ不可能です。人身売買の被害者たちは頻繁に精神的、肉体的虐待を受け、時には死に至ることもあります。極端に長い労働時間、劣悪な居住環境、不十分な賃金支払い、あるいは明らかの賃金の窃取などがあります。

2.水産業における強勢労働力の使用は、市民の自由や労働者の権利に対する法的な保護が弱く、汚職、犯罪、暴力、貧困のレベルが高い、政治的に不安定な国々でも起こりやすいものです。したがって、上記のの報告書は、米国がこの辛苦を取り除くために4つのステップを踏むことを勧告しています。第一に、米国は、海産物供給過程における人身売買と闘うための政府全体の対応を展開しなければなりません。それは国内外を問いません。

 第二に、米国は、漁業における強制労働の問題を有すると知られている国々における人身売買と闘うための努力を促進し支援するべきです。

 第三に、米国は、世界的な追跡の努力を促進し支援し、水産業界やNGOなどの利害関係者を引き入れるべきです。

 そして最後に、これらのステップは、海産物供給過程における人身売買に対処するための国務省と海洋水産庁(NOAA)の既存の対策努力の上に構築され、強化されるべきです。

3.漁業部門における人身売買との闘いは、重要な人権であり、犯罪問題であると同時に、米国の外交政策の優先課題でもあります。上記の新しい報告書は、漁業部門における人身売買と戦うための米国の取組み努力を高め、まとめ上げる上での重要な一歩なのです。

以上[2021/2/28 3:30 JST 訳出時間:約2時間半]


使用ツール: DeepL無料版, Vocabulary.com, google検索, 英辞郎 on the WEB, Weblio辞書, ジーニアス英和辞典 第5版(2014年), Merriam-Webster.com, Collinsdictionary.com, Dictionary.Cambridge.org。

自分なりの発見など: avenueに「手段」(a method or way of doing something, a way of getting something done, a channel for pursuing a desired object, a line of approach)の意味があることを知りました。

 「(問題などに)対処する、取り組む」の意の addressも、前に学んだことがあるように思いますが、すぐには思い浮びませんでした。

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