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金浦空港での奇跡 おばちゃん達、ありがとう…
友人と2人で韓国旅行をしていた。
途中ソウルから早朝6:20の便でチェジュ島へ行く、という計画。
ソウル出発の日。
朝3時半に起きて、前日買っておいた朝ごはん流して予定時刻通りにホテルを出発した。
出発時間も到着も、全部想定内。計画通り。
日本では1時間前に着いてれば余裕だし、1時間半前に着けば余裕っしょ!
…甘かった。
私は今まで1人でヨーロッパ横断旅行もしたし、海外留学もしていたから
今までなんとかなってきたから大丈夫だろう、とタカを括っていた。
金浦空港は恐ろしい。何度思い出してもぞっとする。
保安検査ゲートが一つしかなくて
そのゲートにとんでもなく人が押し寄せて並んでいた。
あ、終わった。と思った。
うちら、もうチェジュ行けないかも。
友人には列に並んでいてもらって、私は空港のスタッフに片端から聞いて回った。
「私たち、あと30分後の飛行機に乗らなきゃ行けないの。日本だとそういう時は優先して先に通してくれるんだけど、そういうのできませんか?」
自国のサービスを当たり前とは思ってはいけませんでしたね。
ただNOと首を横に振る人もいれば、「周りの人に交渉して先行かしてもらうしかないわね…」とアドバイスをくださる方もいた。
交渉か…。したいけど、でも恐らくここにいる人みんな同じ状況だろうな。
友人のところへ戻って、もう交渉するしか手段がないことを伝えた。
でも、私は英語しか話せないし交渉できる自信がない。
交渉してる人なんて誰もいなくて、日本人として私たちだけでも通して!とお願いするのは、果たして正しいのか?
刻々と過ぎる時間に焦り、出発時間まであと十数分だった。
「ちょーっとすみませんねー」
後方から3人の韓国人のおばさんがやってきた。
人をかき分けて進んでいく。
もうこれしかない!
友人に「行ける?」と聞くと、察してくれたのか私に着いてきてくれて、
3人のおばさんに便乗した…ww
あたかも「私たちは家族ですよ〜」w
あっという間にゲートの1番前に来た。
おばさんたちは、検査官に事情を説明する。
何言ってるかわからないけど、苦戦しているようだった。
あー…と諦めムードのおばさんたち。おばさんのチケット盗み見したら、
もう1時間以上前に出発している便だった。
いや、なぜ行けると思ったw
おばさん、ごめん、ありがとう!と心の中で感謝し、
諦めて帰っていくおばさんたちの横からゲートを通っていく。。
あと5分もなかった。
ひたすらに走って、走って、
LCCだから搭乗口まで遠くて、でもここまで来たら
あのおばさんたちの分まで間に合わせなきゃいけなくて、
汗だくになって走って、やっと搭乗できた。
ほんとに死ぬかと思った。
席着いて安堵したら、もうなんか色々ありすぎて
呆然とした。
なんだか笑いと涙が出てきて、
疲れた。
チェジュ島は本当に素敵なところで、
夏前だから気温も高すぎず、心地良かった。
世界遺産の城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)は、
海中火山の噴火の影響で自然が作り出した岩のゴツゴツさと
海のキラキラが非日常を味合わせてくれて、気分が高揚した。
港にあるお粥のお店の、生鮑と鮑粥は最高だったな。
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あのおばちゃん達がいなかったら、私たちのすぐ近くに来なかったら、
ほんの少しのずれで、私たちの旅行は絶望になるところだった。
結果的に、自分たちは乗れなかったのに、
おばちゃん達は私たちをゲートの最前に連れて行ってくれた。
おばちゃん、道を切り開いてくれてありがとう。
「交渉」ってそう言うことだったんだね。
私たちは本当に救われました。
そのおばちゃん達には会うことはないと思うけど、
何かしらの形で、韓国に恩返しを出来るようになれたらなと思う。