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ビタミンCサプリ製品開発に向けた市場調査2024年【企業、顧客ニーズ、素材、トレンド】
食品メーカーで商品開発をしている方、個人でビタミンCサプリを作ってみたい方などに向けて、ビタミンCサプリ開発がサクッと理解できるガイドラインです。
ビタミンCに関する市場情報
ビタミンCの市場規模
エステプロ・ラボによるとビタミンCサプリの市場は390億円(2021年)と言われています。
ビタミンCサプリ市場はコラーゲンサプリ市場と同じくらい大きい市場であり、美容サプリの中で大きな市場の1つです。
2021年の美容サプリ市場では、前年比4.8%増となる約2,500億円にまで広がりました。
多い順で見ていくと、酵素が480億円、コラーゲンが400億円、ビタミンCが390億円です。
また、美容だけでなく風邪予防など健康のためとしてビタミンCを頼りにする人も多く、美容・健康といったイメージの良いビタミンCは多くの消費者に支持されています。
ビタミンCへの生活者(顧客)の関心・ニーズ
株式会社スピックの調査によると選択肢の中から「知っている成分」の回答をいただいたところ、「ビタミンC(93.8%)」がトップ。
栄養素の中でビタミンCは認知度の高い成分です。
生活者(顧客)がビタミンCサプリに求めているニーズを調査したサプリメントの情報サイト「サプリポート」によると、ビタミンCの摂取により実感している効果のトップ3は、「美容効果、美白効果」「疲労回復」「日々の健康」となっています。
中でも75.8%が「美容効果、美白効果」が目的であると回答しており、多くは美容目的でビタミンCを利用しています。
ビタミンCの摂取量としては株式会社スピックの調査によると消費者が想定しているのは1000mg、100mgが多い量となっています。
上記結果からは、ビタミンCを日頃とっている人のあいだでも具体的な「摂取量」についてはあまり関心が高くなく、あくまでビタミンCの「健康的なイメージ」に基づいた摂取行動が多数を占めている、と予測できます。
ビタミンCの主要プレイヤー・競合
ビタミンC市場へ参入している企業は数多くあります。
代表的なプライヤー、製品を見てみましょう。
(DHC、ハウスウェルネス、アサヒグループ食品、SPIC、ロート製薬)
DHC・ビタミンCサプリ
DHCは30日分・300〜400円程度の低価格帯でビタミンCサプリを販売しています。
DHC・ビタミンC(ハードカプセル)
30日分・270円で販売されており、ビタミンC1日1000mg補えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1708249210265-9azyQyBhx1.png)
DHC・ビタミンCパウダー
30日・345円で販売されており、1本に1,500mgものビタミンCとビタミンB2が配合されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1708253379112-bKd7WcmqQF.png)
DHC・持続型ビタミンC
30日分・388円で販売されており、タイムリリース処方でゆっくりビタミンCを放出しています。こちらもビタミンC1日1000mg補えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1708249029693-qLHIlIOVEM.png)
こちらで採用されているタイムリリース技術はこちらの記事で深堀しています。
ハウスウェルネスフーズ・C1000シリーズ
![](https://assets.st-note.com/img/1708253615475-fKAuNGgqfY.jpg)
ハウスウェルネスフーズC1000ビタミンレモンは、1本で1000mgのビタミンCを摂取できる炭酸飲料。6本・842円程度で販売されています。
C1000シリーズはビタミンCと相性の良い美容成分を配合しらラインナップを展開しており、コラーゲン&ヒアルロン酸、クエン酸入りなどのシリーズ品が販売されています。
アサヒグループ食品・ディアナチュラビタミンC
ディアナチュラシリーズのビタミンCサプリは、ビタミンC以外に健康成分を配合したシリーズを多数販売されています。
ビタミンC
60日分・637円で販売されており、2粒にビタミンCを1000mg配合。
他にもビタミンB2、ビタミンB6が配合されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1708254392701-TMSIg4o3QY.png)
ビタミンC・亜鉛・乳酸菌・ビタミンB2・ビタミンB6
60日分・777円で販売されており、2粒にビタミンC 1000mgと乳酸菌、1/3日分の亜鉛を配合。
![](https://assets.st-note.com/img/1708254574438-4dwW8FivA4.png)
上記製品を中心に、ビタミンCを配合したサプリを20種類以上販売しています。
定番のビタミンCサプリは、日常的に摂取に重きが置かれており、価格もリーズナブルですが、2023年以降は吸収率と体内利用量にこだわったリポソームビタミンCサプリが増えてきました。
SPIC・Lypo-Cシリーズ
スピックが発売しているリポソームビタミンCを配合したサプリがLypo-Cシリーズです。2024年現在、2種類販売されています。
Lypo-C Vitamin C
30日分・7,776円で販売されており、吸収率にこだわった国内製造のリポソーム化された 液状のビタミンCサプリメント。
リポソームビタミンCを使ったサプリで人気No.1ブランドです。
![](https://assets.st-note.com/img/1708256130037-ITf662CbVK.png?width=1200)
Lypo-C Vitamin C+D
30日分・8,964円で販売されており、吸収率にこだわった国内製造のリポソーム化された 液状のビタミンC・Dサプリメント。
水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンD、それぞれ性質を生かし、リン脂質のカプセル内部の親水基にビタミンCを、二重膜内の疎水基にビタミンDを閉じ込めることで、ビタミンを一度に効率良く摂取することが可能となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1708256276638-VeEKSBfZDC.png?width=1200)
ロート製薬・ビタミンCサプリ
ロート製薬はメラノCCブランドなどのビタミンC化粧水・美容液を多く保有しており、シナジーのある美容サプリメントを多く展開しています。
ロート製薬:THE LYPO®(ザリポ)
30日分・3,240円で販売されており、リポソーム技術を採用したビタミンCビーズ、即効性のビタミンCビーズを配合したハードカプセルのビタミンCサプリ。
カプセルなので、リポソームビタミンC成分特有の味を感じにくく飲みやすいのも優れている点です。
![](https://assets.st-note.com/img/1708255382162-qxy14EwoI8.png)
オバジC:インナーリポショット
14日分・3,780円で販売されており、3種類のビタミンCを組み合わせたオリジナルのリポショットCと美容サポート成分を配合し、毎日飲み続けやすい顆粒タイプを採用。
ビタミンC研究20年以上のスキンケアブランドObagi(オバジ)からもビタミンCサプリが発売され、今後化粧品のブランドを冠したビタミンCサプリも増えていきそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1708255615228-Bb8om0j3Ft.png)
メラノCC 持続型ビタミンC粒
20日分・972円(税込)で販売されており、ゆっくり溶ける持続型ビタミンC粒です。
ビタミンC1000mg摂取出来る設計で、ヘスペリジン・ビタミンB2も配合されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1710559613637-4XjYJ9WoJj.jpg)
ビタミンCの製品開発に関わる情報
ビタミンC製品開発に関わる情報として、ビタミンC原料、ビタミンCの栄養素・機能性、ビタミンCの剤型を整理しました。
ビタミンC原料
ビタミンC原料は主に3種類流通しています。
合成ビタミンC
天然ビタミンC
リポソームビタミンC
合成ビタミンC
最もポピュラーなビタミンCです。
天然ビタミンC
アセロラなどの天然物から抽出したのが、天然ビタミンCです。
リポソームビタミンC
リポソームビタミンC(Liposomal Vitamin C)は、ナノ化したVCをリン脂質でリポソーム化したビタミンCです。吸収率が高く、血中に長く留まる、細胞に対する親和性の高い新しい形の素材です。
ビタミンCの栄養素・機能性
ビタミンCは果物と野菜から主に摂取しており、1日に5品の異なる果物や野菜を食べることで、200 mgを超えるビタミンCが摂取できると言われています。
肉類にはほとんどビタミンCは入っていないことから、野菜・果実を食べないと不足しがちな栄養素です。
日本人のビタミンC1日摂取量
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、成人健康において必要な効果を有するビタミンCの摂取量として「100mg/日」を推奨しています。
栄養機能食品としてのビタミンC
栄養機能食品としてビタミンC:30 mg〜1000mg/日を配合することで以下の表示が認められています。
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維 持を助けるとともに、抗酸化作用を持 つ栄養素です。
栄養機能食品について詳細は、消費者庁HPを参照ください。
美容とビタミンCの関係
全身のタンパク質の約30%を占めるコラーゲンの合成に関わるのが、ビタミンC。
ビタミンCは体内で作ることができません。そのため、ビタミンCは食事やサプリメントを使って体外から摂取する必要があります。
美容・ビタミンCの知識については、以下サイトがオススメです。
ビタミンCの剤型
ビタミンCを摂取してる剤型としては「錠剤」が一番人気です。2番目に飲料が人気になっています。
詳細についてはこちらの記事を参照ください。
ビタミンCの摂取回数
ファンケルの研究によると、ビタミンCを1日1000mg摂取する場合、血中ビタミンCの体内保持量は1日3回>1日2回>1日1回摂取の順で大きくなりました。
詳細についてはこちらの記事を参照ください。
ビタミンCに関する今後のトレンド
@cosmeが予測する2024上半期トレンドのキーワードに「ひとくち美容投資」が挙げれており、インナーケアとしてビタミンCの摂取に注目が集まっています。
吸収率と体内利用量にこだわったリポソームビタミンCサプリが各社メーカーから発売されていくでしょう。
そんなトレンドについては、下記記事を参考にどうぞ。
まとめ
ビタミンCサプリ開発に役に立つ情報を整理しました。まとめとしては以下になります。
ビタミンC市場情報
市場規模: 2021年のビタミンCサプリ市場は390億円。美容サプリ市場全体では、酵素が480億円、コラーゲンが400億円と続きます。
消費者関心: ビタミンCは消費者にとって非常に認知度が高い栄養素であり、疲労回復や美容効果、健康維持に関心が高いとされています。
サプリ選びのポイント:消費者はビタミンCサプリを選ぶ際に金額(コスパ)、ビタミンCの配合量、味を重視しています。
ビタミンCプレイヤー
代表的な企業: DHC、ハウスウェルネスフーズ、アサヒグループ食品、SPICなどがビタミンCサプリの代表的なプレイヤーです。
製品: 錠剤、ハードカプセル、パウダー、液体、ドリンクなどの様々な形態で提供されています。
ビタミンC製品開発に関する情報
ビタミンC原料: 合成ビタミンC、天然ビタミンC、リポソームビタミンCの3種類が一般的に流通しています。
剤型: ビタミンCを摂取する剤型として、錠剤が最も人気で、次に飲料が人気です。
今後のトレンド
インナーケアに注目が集まり、吸収率と体内利用量にこだわったリポソームビタミンCサプリが増えていく見込みです。
以上、商品開発の参考になれば幸いです。
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