A DAY OF THE SUMMER
1.風に似た名を持つ人とゆく街に夏の気配が濃くなってゆく
2 夏風にのって歩けばきみの住む街にもきっと響く潮騒
3.会うたびに抱きたいひとがいるという日々にソーダの思い出がある
4 真夜中に目指すコンビニひかるからソーダアイスも星の子かもね
5.自分よりお酒が強い恋人のチュールスカートなびく海辺に
6 わたしよりお酒が弱い恋人は海辺にきても少し早口
7.映画館まで十分の道のりに夏のひと日が刻まれてゆく
8 月曜日午後二時過ぎにオムライスセットをえらぶきみがかわいい
9.ダイソーがダイナソーに見えた昼過ぎに恋人が飲むホットコーヒー
10 目の前でショートケーキをほおばって水中で口笛を読み合う
11.恋人の熱を感じてもう少し生きていたいと思う鎌倉
12 再訪の約束をして末永く生きてほしいと願う鎌倉
13.首筋の匂いが胸に満ちてゆく止むことのない昼の蝉声
14 よわいとこぜんぶ知っててオブラートみたいに今日も脱がされている
15.起きぬけにあなたと食べる朝食がこんな優しい味であること
16 朝食はご飯派だけどきみのスクランブルエッグに感動する
17.なら次は和食にするねまだ君がまどろむ間にご飯を炊こう
18 まどろみにやさしいにおい漂って海へとかえるような気になる
19.君という海に抱かれ生きてゆく海図が完成するその日まで
20 太陽の粒が波間でまたたいてわたしのなかのきみのようだね