マガジンのカバー画像

Books & Films|ลำพู -Lamphu-

8
印象的だった書籍、映画、ドラマなど、タイに関わるものに限らず気まぐれに格納中。
運営しているクリエイター

#読書

石井米雄『タイ仏教入門』。タイにおける仏教を、人々の営みや社会との結びつきの観点から紹介しているマスターピース。

黒田一雄・横関裕見子『国際教育開発論:理論と実践』 国際協力の道に憧れていたときに読んでいた本。教育開発から教育社会学に興味が移った今、読み返してみる。どちらかというと実践に重きを置く分野が、理論化重視の比較教育や教育社会学による裏付けを大切にしていることが伝わってくる。良書。

見たことのない海に思いを馳せて〜【私のタイ文学】ラッタウット・ラープチャルーンサップ『ガイジン(Farangs)』〜

考えてみれば不思議なものだ。海が好きな自分は、タイに留学していたときでさえもほとんど海に足を運ばなかった。チェンマイという北の古都<みやこ>に住んでいたことが大きいけれども、プーケットもクラビも、サムイ島もサメット島も、僕は行ったことがない。 ただ、それでも僕はタイの海をありありとイメージできる。永遠に伸びているかのような白い砂浜を、永遠に繰り返すかのように波打つ水際を、永遠に続いているかのような水平線を、そしてその海を永遠かのように見つめている人々を。 *** タイの