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お遍路ウォーキング日記(266:八十八番大窪寺へ ③)

【2024年9月27日(金曜日) Day 266】

 朝から雨降りでウォーキングには出られず夕方も雨でわんこの散歩もできず歩数は伸びなかった。

 今日は自分自身の前山の思い出を書く。

 前山ダムの手前、まだ低地のあたりにかつてはキャンプ場として使われていた広場があってそこで野宿をした。翌朝起きてまっすぐ大窪寺に向かうつもりでいた。この日はひとつ前の長尾寺を時間ギリギリでなんとか打ち、その後少し離れた温泉施設まで行って入浴をした。

 湯上がりに保養室で今日の野宿場所を探すと前山にキャンプ場があるのを発見して早速移動。

 ところがキャンプ場など全くなく、だだっ広い場所があったのでそこにテントを設営。あとはラジオを聴きながら夕飯の支度もする。飲み物はダムの上にある道の駅で調達しただけでなく、トイレも利用した。

 夕食後ラジオを聴いていたが眠たくなり早々に寝てしまう。

 その後未明に目が覚めると近くにもうひと張りのテントがあるのを見つけた。

 翌朝明るくなってからよく見ると自分と同じライダーがテントを張っていた。バイクは大きなBMWだったのを覚えている。しかし見たことのないモデルが気になったがあまりジロジロ見るわけにもいかず朝食の支度を始める。

 しばらくすると隣のテントからライダーが出てきた。どうやらお遍路ではない。見た感じは少し若い人だった。おはようございますと声をかけるとしばらく黙ったまま返事がなく、

 Good morning.

 と返ってきた。バイクのナンバーは見たこともないナンバーだったがハングルの一文字があったのでそこでこのライダーは韓国人だと悟る。

 ひとまず外国人だとわかれば英語で話しかけるが、ジェスチャーも加えて英語が話せないと言ってきた。

 お互いの言葉もわからず、相手は英語も話せないでは正直言ってお手上げだが本当に片言の韓国語と英語を混ぜてなんとか簡単な会話はできた。

 それによるとバイクごと日本にやって来て日本ツーリングをしているとの事。四国に数日前から来ていてそろそろもっと東に行くような事を言っていた。

 相手は僕の格好を見て最初は格闘家か何かなのかと興味津々だったが巡礼だと言ってとりあえず宗教的なものだということは伝えられた。

 こちらはこの後最後の札所に行かねばならなかったので荷物をパックして先に出てしまった。その後のことはわからないが、バイクで巡礼をしていると時々とても変わったライダーと出会うし、同じようにバイクで巡礼をしているライダーとも出会った。

 また自転車遍路の人たちともよく話をしたし、情報交換などもした。二巡目の時は経験もあるので専ら情報を与える立場にいた。遍路にはいろんな手段があったが、基本的にはしんどい順に、

①歩き遍路
②自転車遍路
③バイク遍路
④車遍路
⑤団体バス遍路

 の五つに分けられると思う。その他にも歩きは歩きだがリヤカーを引っ張る人、タクシーを借り切ってしまう遍路(タクシー会社でプランが用意されている)、キックボード遍路、着ぐるみ歩き遍路など色々と見かけた。

 自転車の場合もモトクロスからロードバイク、ママチャリ、三輪車(荷物が積める)と実に多様。バイクも原チャリ、カブなども見かけた。数は上の五つの中では一番数は少ない。

 今考えると二輪は二輪同士で情報交換することが多かったかも。他の種の人たちとはあまり話はしなかった。歩きの人は以前もどこかで書いたと思うが自分が一番偉いと思い込んでいる人が多く、声をかけても無視される事が多かった。

 車の人たちはバイクや自転車を邪険にしているように感じられたし、逆に団体バス遍路はこちらから避けていた。

 先ほどの韓国人ライダーは遍路ではなかったが日本をツーリングして回っている、そんな人がいることさえ初めて知ったし、もしかしたら韓国にバイクを持ち込んでツーリングしている日本人もいるのかも知れない。

 その後結婚をして妻と一緒に巡礼をするようになり、頃同じくして眼を患いバイクには乗れなくなってしまい、その代わりに車で巡礼を始め、その後もわんこも連れてくるようになった。車での巡礼はバイクに比べたら本当に楽だ。しかしバイクの大変さも知っているので巡礼の有り難みは忘れないようにしようといつも心がけている■


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