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続・お遍路ウォーキング日記(43:二十番鶴林寺へ 其の九)

【2024/11/20(水)Day 43】

 今日は一日中雨が降っていたためウォーキングにも出ていない。両手で杖をついて歩くため雨の日はほとんど外出をしない。

 したがって今日も一歩も進んでいない。いつになったら先に進めるのか、自分でもわからなくなってきた。

 杖の話が出てきたので、今日は金剛杖についてちょっとだけ書こうと思う。

 四国を巡礼するお遍路さんはほとんどの人が金剛杖を持っている。しかし最近では杖を持たずに巡礼をする人も徐々に増えているらしい。あの長い杖は考えようによっては荷物になる。

 そもそも金剛杖は空海のことを指す。同行二人と言う言葉は誰と一緒なのかと言うと弘法大師のことである。お遍路さんはこの杖を携えることによって弘法大師と一緒に巡礼をしていると考えられている。考えによっては心強いことかもしれない。

 そしてやはり杖があることによって歩きやすさも違ってくる。特に上り坂や石段を登る時、杖は想像以上に力になってくれるからだ。

 中には金剛杖を二本持ってノルディックウォーキングのように歩く人もいる。そのくらい金剛杖と言うものは巡礼の中でも重要なものの1つだ。

 荷物になるからといって、杖を持たないのは、考えようによっては、弘法大師の力を借りずに歩いていることでもある。

 歩きの遍路さんならこの杖がどんなに大切なものかわかるだろうが、車やましては観光バスで移動するお遍路さんには、金剛杖はやはり荷物でしかないのかもしれない。

 団体お遍路様ご一行がお詣りをして帰って行った後の札所には必ず杖の忘れ物がある。杖のありがたみが全くわからないのはバスに乗っていることだから仕方がないかもしれないが、その杖が弘法大師だと思ったら簡単には置き去りにはしないと思う。

 悲しいけれども、彼らにとっては混合杖は、ただの荷物でしかない。一方、歩きのお遍路さんにとっては金剛杖は忘れればすぐに気がつくものである。

 それでも今日もどこかの札所で誰かが必ず弘法大師を置き去りにして去っていくのである■


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