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お遍路ウォーキング日記(245:八十三番一宮寺へ)

【2024年9月6日(金曜日) Day 245】

 札所八十二番根来ねごろ寺を打った。五色台の鬱蒼とした山の中にある山道が美しい寺だ。大きな山門をくぐると緑に囲まれた異世界が広がり、石段を下ってからまた上がる山道はとにかく美しいのひと言に尽きる。

 今日はこの根来寺について簡単に書いてみたいと思う。

 この寺の創建は弘法で、五色台の五つの峰に五智如来を感得しここぞ密教の修行に相応しいと感じその一つである青峰に五大明王を祀り「花蔵院」と云う名の堂宇を建立した。

 その後、円珍(智証大師)がこの地を訪れた際に蓮華谷の霊木で観音像を造り観音霊場の道場をつくるようお告げを受けて千手観音像を彫り「千手院」を建てて安置した。この霊木は香木で切り株から芳香を放ち続けたことから、この二つの院を総称して根香寺と呼ぶようになる。

 後白河天皇から勅願所として帰依も厚く繁栄したが、この地に海賊が大蜂起して寺は焼かれてしまい、後にに高松城主の生駒一正が復興、さらに高松藩初代藩主松平頼重が再興した。なお、この際に真言宗から天台宗に改宗された。

 このお寺は牛鬼という日本古来の妖怪との縁が強く、この地にはかつて牛鬼がいて土地の人々を苦しめていたがある時弓の名手の山田蔵人高が三本の矢を射て牛鬼を仕留め、その角をこの根来寺に奉納したという言い伝えがあり、この寺には今でも牛鬼の角と牛鬼の姿が描かれた掛け軸がある。

 そしてお寺の納経所では牛鬼のグッズが売られていてお守りや手ぬぐいなどが手に入る。勿論牛鬼グッズはこの根来寺だけでしか手に入らない。

 そして山門横の駐車場の脇に大きな牛鬼の像が立っていて山門から中に入ろうとする遍路や参拝客に睨みを利かせている。

 根来寺に来たら山門をくぐる瞬間から時間をかけてゆっくり丁寧にお詣りをすることをおすすめする。それだけ目の保養になる美しい寺だと思う。そして牛鬼グッズは是非にもお買い上げ頂きたい。

 次の札所の八十三番一宮寺はかなり高松の中心にも近いところにあり、まずは五色台を転がり落ちるように町へと一気に下っていく。今日の写真は正にそんな道を下る途中だ。

 道を下りきると鬼無きなしという集落に出る。昔から高松市の北西部は鬼無町だったがこの鬼無には日本でも珍しい地名としての「佐藤」という場所のある町だ■

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