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別れが教えてくれたのは

春から新しい場所で新しい一歩を踏み出そうとしていた私に、たくさんの人が暖かい言葉をくれました。

まるで、そこで出会ってからの私のしてきた振る舞いや数々の選択の答え合わせをするかのような、そんな3月を過ごしました。

その中のひとつに、
「いつも笑顔でいてくれてありがとう」
という言葉をくれた方がいました。


いつも笑顔だよね、とか、
いつも楽しそうだよね、とか、
そんな風に言ってもらうことはあるのですが、
そんな私を見てありがとうと言ってくれた方は初めてでした。


そしてその言葉に、心が揺さぶられました。

心にぐっとくるって、きっとこんな感じです。



バレていたのだろうか。
最初に頭をよぎったのはそんな感情でした。


元から明るい性格で、前向きに物事を捉えられる人間だと自負していますが、そんな私にだって笑っているのが辛いときもあります。

でも、それを悟られたり、変に気を遣わせてしまったりするのが嫌なので、言ってしまえば少し無理して笑顔を作っているときも、たしかにありました。

それが、バレていたのだろうか。

ただそれも、せっかく誰かと過ごすなら、楽しい時間を過ごしたいと思ってしまうので、全ては自分のためにやっていることなのです。

ですので、もしそれで気を遣わせてしまっていたのだったらどうしようとあせあせとしたのですが、その女性はむしろ心配そうに、頑張りすぎないでねと、また優しい言葉をくれました。

こんなにも私は気にかけてもらっていたのか。
どうしよう、なんて焦っていた気持ちはすっと体の奥に消え、じわじわと溢れてきた優しい感情が涙に形を変えていくのを止めることはできませんでした。


生きていくうえで別れはどうしたって避けられなくて、でも何回経験したって慣れることはなくて、嫌だ嫌だと言い続けてきた別れが、これまでの私への暖かな労いと、これからの私への道しるべをくれました。


別れがくれた道しるべをココロの支えに、また少しずつ、歩き出してみようと思います。

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