粘土の可塑性と心の柔軟性の関係
粘土には、押すと跡が残るような可塑性と呼ばれる性質があります。
言い換えるならば、
形を柔軟に変えられる性質です。
粘土細工で癒されるような感覚が得られるのは、
柔らかい粘土の手応えに、
心が解きほぐされるような感覚が得られることに関係しそうです。
遊びや芸術活動に没頭するとき、身体が無意識に作り出す形態には、
深層心理が表れることがあります。
『心をひらきたいな』
『わかってもらいたいな』
など、こころのもやっとしたことは、
ちょっとしたアートワークの軌跡に表れる、ということです。
ただし、その偶然にもみえる表現も、
丁度良い仲介物があって初めて
無意識の感覚と結びつくきっかけとなります。
それは、芸術におけるファシリテーターや子どもにとっての母親のように仲介する人であったり、
行動であったり、
味覚や触覚、視覚といった五感で得られるものだったり。
あらゆるものは契機となり得ます。
が、心の形に寄り添いやすいものがベターです。
可塑性のある、
柔軟性に富んだ粘土だからこそ
芸術療法的な効果をもたらすアドバンテージが高いと
言えるのかもしれません。
陶芸や紙粘土、土遊び
古来より定評のある箱庭療法
自由度の高い表現活動の芸術療法研究は
今後、引き続き研究を掘り進めたい
最たる分野です。