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その頭痛「脳のむくみ」が原因かも?現役薬剤師に聞いた天気痛と脳浮腫の関係性
みなさんこんにちは。フリーランスライターの羽花です。
タイトルを見て「脳のむくみって何?」と思った人も多いでしょう。
私も初めて知ったときはビックリしました。
今回の記事は、私が日頃からお世話になっている薬剤師さんに教えてもらった情報を基に「脳のむくみ」について書き記していこうと思います。
ぜひ最後までお読みください。
脳のむくみが起こる仕組み
脳のむくみは気圧が急激に下がる際に脳の血管の浸透圧(※1)が変化し、組織液などの水分が血管外へ漏れ出す(※2)ことで起こります。
※1.浸透圧とは
濃度の異なる水を半透膜で隔てると、水は半透膜を自由に移動しますが電解質は通さないため、濃度の低い方から濃度の高い方に水が移動します。この水を引っ張る力を浸透圧といいます。
※2.浸透圧による水の移動
細胞内液と細胞外液の濃度が同じ場合は、細胞内外で水分の移動はありません。ところが、細胞外液の濃度が細胞内液よりも低いと水分が細胞内に入り、細胞が膨張します。逆に、細胞外液の濃度が細胞内液よりも高いと、細胞内の水分が出て行くので、細胞は縮んでしまいます。
少し難しい話になってしまいましたが、脳のむくみが起こる仕組みを簡素化して解説したものが下記の図になります。
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脳がむくむと神経が圧迫され、頭痛が起こります。
脳のむくみと頭痛の関係性を次の章で詳しく見ていきましょう。
脳のむくみと頭痛の関係性
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先ほどもお伝えしたとおり、気圧の変化によって脳がむくむ(脳浮腫)と神経が圧迫されて頭痛が起こります。
この頭痛はいわゆる「天気痛」と呼ばれるもので、雨による湿気や気圧の変動で起こる頭痛のことです。
症状の重さは人それぞれで、鎮痛剤を飲めば痛みが和らぐ人もいれば、鎮痛剤がまったく効かない人もいます。
中には、起き上がることが困難なほどの痛みに悩まされる人も…。
天気痛をどうにか改善したい!
そう思っている人は決して少なくないはずです。
では、脳のむくみや天気痛を改善するにはどうすればよいのか、下記で詳しく見ていきましょう。
脳のむくみや天気痛を改善する方法
脳のむくみは「五苓散」という漢方薬を服用することで改善が期待されます。
五苓散はむくみを取る4つの生薬と、血行促進・鎮痛作用のある1つの生薬が配合された漢方薬。
むくみを取る生薬:タクシャ・ソウジュツ・ブクリョウ・チョレイ
血行促進・鎮痛作用のある生薬:ケイヒ
脳のむくみを取り除き、血行促進・鎮痛作用が働くことで天気痛が和らぐ可能性があるというわけです。
鎮痛剤はあくまで痛みを抑える薬なので、天気痛の根本的な解決にはなりません。
天気痛で悩んでいる人は、ぜひ五苓散を試してみてはいかがでしょうか。
五苓散は漢方を扱う病院で処方してもらう、もしくはドラッグストアやネットショップにて市販薬の購入が可能です。
頭痛以外の天気痛の症状を紹介
天気痛の症状は頭痛だけではありません。
下記のような症状が現われる場合もあります。
神経痛の悪化
首や肩のコリ
腰痛
めまい
耳の痛みや耳鳴り
気分の落ち込み
不安症
うつ
雨の日や台風が発生した際に上記のような症状が現われる場合は、天気痛を疑ってみましょう。
これらの症状も五苓散を服用することにより緩和する可能性があります。
また、天気痛になりやすい人は自律神経を整えることが大切です。
太陽の光を浴びる、朝食をしっかり食べる、軽い運動をするなどして、規則正しい生活を心がけましょう。
最後に
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今年2022年は、日本ならではの美しい四季をゆっくり味わえないような気候が続いていますね。
寒い冬が終わったかと思えば、春を通り越して真夏日に。平年よりも早い梅雨明けに台風の発生など、通常では考えられないほどの異常気象により体調を崩している人も多いのではないでしょうか。
これから秋に向けて本格的な台風シーズンがやってきます。
天気痛で辛い思いをしないためにも、今からしっかり対策していきましょう。