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肩関節の基礎編〜ローテーターカフ①〜

こんばんは!かまだです(^o^)丿
今日は肩の研究のテーマを病院内の学会で行うためにエントリーしてきました!!
サンプル数が少ないのが引っかかっており、もう少し評価を徹底して集められるように努力したいところです(;_;)笑

では早速、今日の内容は「腱板」です!
肩関節の基礎編でも出てきた腱板ですが、今回はより詳しく生理的、運動学的に記述したので是非参考にしてください!

では、行きまっしょう!

▶回旋筋腱板(rotator cuff)

腱板筋(rotator cuff )は、肩関節の安定性を維持し、上肢の運動を補助する重要な筋群です。この筋群は以下の4つの筋から構成され、それぞれが異なる機能を持ちます💡

1. 棘上筋(supraspinatus)
2. 棘下筋(infraspinatus)
3. 小円筋(teres minor)
4. 肩甲下筋(subscapularis)


腱板


腱板


以下に、腱板筋のバイオメカニクス、生理学的特徴、そして上肢挙上角度におけるそれぞれの特徴を説明します💡

・バイオメカニクス

動的安定性
腱板筋は肩甲上腕リズムを調整し、上腕骨頭を肩甲骨関節窩に密着させ、肩関節の大きな可動域を維持しながら、脱臼を防ぎます。特に棘上筋は、上肢挙上の初期段階で上腕骨頭を引き上げる役割を担います💡

フォースカップル機構
腱板筋(特に棘上筋、棘下筋、小円筋)は、三角筋との協調により、肩関節を円滑に挙上・回旋します。この機構が乱れると、インピンジメント症候群などの障害が生じることがあります。

バイオメカニクスの詳細はこちら⇩


・生理学的特徴

筋線維
腱板筋は主に遅筋(タイプI線維)が多く、長時間の持続的な収縮が可能です。これにより、肩関節の安定性が保たれます。一方で、速筋(タイプII線維)も含まれ、素早い運動も可能にします。

血流供給と治癒特性
腱板筋は血流が比較的少ないため、損傷後の治癒が遅い傾向にあります。特に棘上筋腱は血流が少ない「critical zone」が存在し、損傷のリスクが高い部位とされています。

肩甲上神経支配
棘上筋と棘下筋は肩甲上神経、小円筋は腋窩神経、肩甲下筋は肩甲下神経から支配を受けています。

▶上肢挙上角度における特徴

腱板は肩甲上腕関節の安定性、可動性に寄与するということが分かりましたが、実際にどの角度で、そのように筋発揮しているのかを見ていきましょう!

0~30°
主に棘上筋が活動し、上腕骨を挙上します。棘上筋の損傷があると、この初期段階で肩の挙上が困難になります。
30~90°
棘上筋に加え、棘下筋、小円筋、肩甲下筋が協調して働きます。これにより、肩関節の安定性が保たれ、三角筋が主導する挙上運動が補助されます。
90°以上
肩甲上腕関節だけでなく肩甲胸郭関節の運動が加わる角度で、腱板筋は肩甲骨の回旋や上腕骨頭の安定性を維持しつつ、肩甲骨周囲筋(前鋸筋、僧帽筋など)と連携します

もう少し具体的に見ていくと・・・

棘上筋のモーメントアーム

棘上筋は屈曲、外転共に挙上初期で最大となり、120°位まで徐々に低下していく傾向にあるのが分かります💡
また、どちらかというと外転よりも屈曲の方がモーメトが大きく、後部線維よりも前部線維の方が大きく作用していることが分かります!


棘下筋のモーメントアーム

↑棘下筋は上部、下部が反対の作用をしており屈曲100°位から下部が徐々に屈曲方向のモーメントが増加していますね
逆に上部は角度が増すに連れ、モーメントが低下しています
それに対し、外転では上部、下部共に同じモーメントの推移で20〜30°をピークに徐々に低下しているのが分かります!


肩甲下筋のモーメントアーム

↑肩甲下筋は圧倒的に屈曲の方が大きいモーメントを示しています💡
肩甲下筋も上部線維は挙上初期から棘上筋とほぼ同じくらいのモーメントを発揮しています
そして、上部線維を見ると90°位から伸展方向のモーメントに切り替わり、外転では40°位から内転方向のモーメントに切り替わっています
同じ筋でも線維の方向により作用が変わるということが分かります!

▶本日の転用💡

今回は腱板についてより具体的にみていく内容でした(^o^)
腱板はインナーマッスルだから大事・・・
でもその先の知識が実は大事
なんですよね!
肩が痛いから腱板を鍛えましょう!の先はどの筋をどの角度で使えるといいのか?
そこまで考えられるようになると治療のバリエーションが増えてくるはずです💡
さらに、腱板といっても外内旋の運動を行う際は、1st、2nd、3rdといったポジション別での筋発揮も大切になってくるので、やはり角度依存性の特徴を持つ筋、を扱う場合に押さえておきたいポイントですね💡

今日は思ったより時間がかかってしまったので、すぐ寝ます〜
睡眠は大事ですね(^o^)丿

今回は①ということで、次回②の内容に移ります〜!


▶引用文献
身体運動学 関節の制御機構と筋機能 ; メジカルビュー社 · 市橋則明(編)



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