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肩関節の基礎編〜肩甲上腕リズム〜

こんばんは!かまだです(^o^)丿
最近、肩関節の研究に使用するデータのリストアップや集計を行っているのですが、少しずつ進行しているのを実感しワクワクしています💡
実際に調査研究は初めて行うので、ドキドキしていますが来年の学会に出すつもりです💡
研究で分かったこともいずれ、noteに記述できたらと思いますので、そのときはまたお伝えします!!

今日の内容は肩甲上腕リズムについてです💡
肩関節のバイオメカニクス、フォースカップルと似ている内容ですが、より詳細に肩甲上腕リズムについて触れていきますので是非(^^)

では、行きましょう!!

肩甲上腕リズム(scapulohumeral rhythm)


肩甲上腕リズム
は、肩関節の屈曲や外転などの運動において、肩甲骨と上腕骨の動きが協調して行われるパターンのことを指します💡
肩甲上腕リズムの比率としては、一般的に2:1と言われていますが個人差があり多少ずれる方もいるとも言われています
実際には、上腕骨が120°屈曲する間に、肩甲骨が60°上方回旋するというように、それぞれが異なる角度ですが、連動して動く協調的な動きが起こります

肩甲骨上方回旋・外転・後傾の開始角度


肩関節屈曲・外転では、上腕骨の動きと肩甲骨の回旋が連動して行われます
上腕骨は、肩甲骨に対して前方に挙上(屈曲)、側方に挙上(外転)し、最大屈曲範囲は約 160~180度 です。それに対し肩甲骨の運動は上方回旋、 外転、後傾という3方向の運動を行います

図1 肩甲骨の動き

肩関節挙上時の肩甲骨のと上方回旋(upward rotation)と外転(abduction)、後傾(posterior tilt)は、特定の角度から顕著に現れるとされます。具体的な角度については、以下のとおりです

肩甲骨の上方回旋は、肩関節挙上約30°から開始し、90°以降でより顕著

肩甲骨の外転は、肩関節挙上約30°から開始し、60〜90度を超えると顕著となり、120〜180°で最も顕著

肩甲骨の後傾は、肩関節挙上約90°から開始し、最終域(120~180°)で最も顕著


つまり、上方回旋&外転 → 後傾という順で開始されるという特徴があり、肩関節挙上30°未満では肩甲骨の運動ではなく上腕骨単独の運動となるので、ここの把握は注意が必要ですね!
2:1の比率で動きますが、あくまでも挙上30°から、2:1で動くというところがポイントです💡


肩甲骨上方回旋・外転・後傾の可動域

肩甲骨の動き(上方回旋・外転・後傾)の開始角度は上記のとおりですが、ではどのくらいの角度が必要なのでしょうか💡

ずばり・・・

上方回旋は50〜60°、外転は20〜25mm、後傾は10〜20°です

それぞれ異なる角度の可動範囲を持っている為、詳細に見ていくとどの動きが、どのくらい必要なのかが重要になってきます
肩甲上腕リズムを評価する際は、このバランスが正常に機能しているかを見る必要がありますね!💡

特に、上方回旋は主に前鋸筋と僧帽筋上部・下部の協働によって行われます
いわゆるフォースカップルと言われるものですね💡

フォースカップルについてはこちら⇩

本日の転用💡

今日は、肩甲上腕リズムについてのお話でしたが、2:1というのは有名なものの、具体的な開始のタイミングや可動範囲が記載されている参考書は少ないのではないでしょうか?
でも実施に評価するとなった時に、あれ、2:1は知っているけど・・・どうやって見るんだろう?となる可能性もでてくるのでしっかり押さえたいポイントですよね(^^)
腱板断裂術後の患者様や肩関節周囲炎の患者様は本当に、このリズムが破綻している方が多いです(;_;)
知識として上記を入れておくと役に立つかもしれません!一助になればと思います!

では、また次回(^o^)丿

▶参考文献
McClure, P., et al. (2001). A comparison of scapular kinematics during shoulder elevation in healthy subjects and patients with shoulder impingement. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 31(2), 74–83.

Inman, V. T., Saunders, J. B. d. M., & Abbott, L. C. (1944). Observations on the function of the shoulder joint. The Journal of Bone and Joint Surgery, 26(1), 1–30.



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