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怪我したので急遽右手だけのピアニストさんになった小さな生徒さんの動画
小学校3年生の生徒さん。
学校の調理の時間にフライパンで火傷してしまった。
ピアノが大好きなお嬢さんで、病院ではまっさきに
「ピアノ、弾けますか?」と聞いたそうで。
「しばらくは安静に」と言われ、しょんぼりレッスンにやってきた。
あまりしょんぼりしてるから、私は語る。
片方の手が使えなくなって
左手だけ、右手だけの素晴らしいピアニストさんっているのよ。
左手のためだけの曲集も出版されている。
それに、
目が見えないピアニストさんもいるんだよ。
いっとき、〇ちゃんは左手が使えなくなるけど、
いいチャンスよ!
練習してたあの曲、
右手だけで弾くとどうなるか?
やってみたらどうかな?
目がキラッキラと輝く。
ちょうど良い曲を練習中だった。
美女と野獣。
わりに、両手が交代で奏でる感じの曲。
もともと左手で弾いてる部分を、可能な限り右手で弾く。
でも右手の「重要な音」を外すわけにはいかない。
「わかった!」と言って、
練習なしで、一回目に弾いた動画です。
アレンジしながら弾いているのではなく
楽譜どおり。
と、いうことは、
「目で楽譜を見て」「瞬時に必要な音を把握」
「左手を右手で弾くことが可能かどうか咄嗟に判断して」
弾いているということになる。
これって難しいことです。
楽譜力がないとそもそもダメだし、
咄嗟の判断力も必要。
練習を重ねて出来たのではなく、
今日怪我して、今、初めて弾いてみたという感じ。
「わりに弾けるね!」と本人。
「この曲だったからイケちゃったけど」
「ソナチネだったら難しいね」
しょんぼり来た子が、
目がキラッキラになって帰る。
嬉しいことです。