
映画【My Own Private Idaho】 切なくも人生は続く…
題名:My own private Idaho
公開年:1991年
監督:Gus Van Sant(ガス・ヴァン・サント)
主演:River Phoenix, Keanu Reeves
キャストが大変豪華でした…!
リバーフェニックスとキアヌリーブスのダブル主演
まずキャストの時点で見る価値がありました。笑
ただ話は割と何回な部分がおおいのであらすじを頭に入れてから見たほうが入ってきやすいと思います。
すごい切ない話でした。正直救いのない話です。
ただまあしょうがないよね、、と心にじんわりと広がっていく諦めの感情というか、
静かに失恋して小さな棘がいつまでも残っている鑑賞後感でした。
紹介(ネタバレあり)
娼婦として生きる2人。ただ、キアヌ演じるスコットはお金持ちの家で育ち、そこを飛び出したくて出てきた裕福なワル坊ちゃん。幸せな生活に退屈を感じ刺激欲しさに悪とつるんでいるという印象です。
一方リバー演じるマイクは、母親は行方しれず、唯一の家族である兄は遠くに住んでいるため、日銭を稼ぐために身体を売りストリートチルドレンとして過ごしています。
2人の決定的な違いは帰る場所があるかないか。
スコットは21歳になったら家に戻る、と宣言しているので帰るところがあります。
マイクにはそんなところはありません。明日はどうなるかという状況で毎日を生きています。しかもこのマイクは非常に稀有で危険な病気を患っています。
それは、急に眠ってしまう発作。この発作は何度か起こり、劇中でかなりヒヤヒヤさせられました。
2人は親友で、マイクの母親を探しに行く旅に出ます。
アイダホに兄が住んでいるので、ポートランドから盗んだバイクで尋ねに行きますが、そこでマイクの衝撃の生い立ちを知らされます。
というかそういった予感はしていて、ついに真実として明らかになった感が強いです。
兄からここに母が住んでいる、と住所をもらい次の場所を目指します。
マイクは旅の途中、スコットに自分の思いを打ち明けます。
自分が恋愛対象としてスコットを愛している、ということ。
スコットは否定も肯定もしません。
ただその優しさはNOの裏返しだとはっきりと伝わってきます。
このシーン、とても美しく、とても切なかったです。かなり応えます。。。
母親を見つけるため、いくつか場所を訪れます。そして、ある場所を訪ねたとき、スコットはそこで出会った女性と恋に落ちます。スコットは「これからは彼女といたい」とマイクに言い、彼をその土地に残し彼女と出発してしまいます。
母の手がかりを失い、そして親友であり最愛の人でもあったスコットを失ったマイクは元の場所であるポートランドに戻ります。
そこから2人の人生は離れていきます。
スコットは実家に戻り亡き父親の跡を継ぐため、ストリートから完全に離れます。
一方マイクはストリートチルドレンに戻ります。
親友だった彼らが全く別の交わることのない道を歩き出しました。
ラストでは、マイクとスコットそれぞれの人生が描かれます。
スコットは恵まれた環境に戻り愛する彼女と新しい人生を歩んでいく。。
一方でマイクもまたある場所へ帰っていきます。
帰る場所のないマイクが最後ある場所に帰っていくのは、ある意味では救いなのかもしれません。
ただ、今後一生スコットとは交わることがない人生を送るのだと思うと、切なくてしんどくてどうしようもない感情でした。
鑑賞後感想文
独特な世界観で見せ方とかコマの切り取り方とかが斬新だなと感じました!
前半ちょっとわかりにくいと感じる部分はありましたが、後半でどんどん面白くなっていきました。すごく切ない、けれどそれもまた人生、、と感じるいい映画でした。