ラマナ・マハルシ 不滅の光への旅
1 沈黙の聖者 との出会い
確かな日付は覚えていない。しかしその時の感触は、20年を経た今でも、まざまざと蘇ってくる。肉感的とも言える、至福に満ちた、不思議な、尊い、感覚と共に。
その時生まれて初めて、あの写真を、眼にしたのだった。
読み始めた本の、あるページを開いた瞬間、そこに現れた白髪の男性の顔から、突如として目が離せなくなった。さして質のよくない、コントラストの強すぎる、白黒の写真。しかしそこに映し出された表情は、まるで香り高い美しい花が、ゆっくりとこちらへ向か