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ローテーションの進む市場で、投資家は自身のポートフォリオをどうすべきか


 ビッグテック銘柄から中小型株へのセクター・ローテーションが進む中で、CFRAリサーチ(https://www.cfraresearch.com/)のチーフ・インベストメント・ストラテジストのサム・ストボール氏が自身の見解を述べて投資家に向けてアドバイスをしています。

  • 自分の感情がポートフォリオの最大の敵にならないように

  • ハイテク・ラリーからのローテーションは、ごく自然で必要なこと

  • より多くの銘柄が市場を底上げし、マーケットにプラスに働く

  • 401(k)のリバランスボタンを押すように対処すべき

  • ハイテクへのエクスポージャーは、市場の全体比率を大幅に上回らないように

(Original:2024/0718)


[アレクサンドラ・カナル](Yahoo Finance)
 
今日はありがとうございます。我々は、現在のハイテク株から小型株などの分野へのローテーションについてよく話題にしています。あなたはどの分野に強気で、現時点でどの分野が過小評価されているとお考えでしょうか?

[サム・ストボル](CFRAリサーチ)
 アレクサンドラ、お話しできて嬉しいです。
 投資家は、まず自分の感情がポートフォリオの最大の敵にならないように気をつけて頂きたいです。確かに、過去2年間市場をリードしてきたハイテク株やメガ・キャップ株からのローテーションが見られていますが、これはごく自然で必要なことです。ハイテク株が好調だった時期には、うまくいかなかったグループもあります。しかし、このような市場参加者の拡大により、より多くの銘柄が市場全体の上昇に参加することになり、株式市場にとってはプラスに働いています。
 投資家が何か行動しなければと思ったときには、まず401k(企業型確定拠出年金制度)のリバランスボタンを押してもらいたいです。持っているすべての株式とETFを確認し、テクノロジーへのエクスポージャーをチェックしてください。現在、S&P500ではテクノロジー株の割合が33%強ですが、均等配分ベースではその約半分です。ですから、テクノロジー株へのエクスポージャーが市場全体のエクスポージャーを大幅に上回らないように気をつけてください。

[アレクサンドラ]
 この先をもっと広く見てみると、ハイテク業界で見られるこのプルバックは、潜在的な調整、あるいは少なくとも短期的なボラティリティの上昇を示唆しているのでしょうか?もしそうであるならば、投資家はどのように身を守るべきでしょうか?

[サム]
 そうですね、ボラティリティは大きくなると思います。我々は伝統的にチャレンジングな第3四半期に入っています。価格変動とボラティリティの観点から見ても、4四半期の中で最も悪い時期です。また、9月は年間で最も成績が悪い月であり、上昇よりも下落の方が多いです。しかし、「備えあれば憂いなし」という言葉があります。荒れ模様に向かうと分かっていれば、対策を講じることができます。
 これまで65回のプルバックがありました。これは第二次世界大戦以降、5~10%の下落が発生した回数です。驚くべきことに、このような下落から元に戻るのに平均1.5ヶ月しかかかっていません。また、これまでに25回、10%から20%の下落がありましたが、プラスに戻るのに平均4ヶ月しかかかっていません。つまり、感情にまかせて、株式投資を軽くするよう401kのアドバイザーを説得し終える頃には、マーケットはすでに回復しているということです。

[アレクサンドラ]
 では、投資家にとって長期的な展望はどうでしょうか?今は避けるべきなのか?最近のラリーに対しては、投資タイミングが遅すぎるのでしょうか?それとも、これから参入する投資家にとって、まだ有望なセクターだと思われますか?

[サム]
 我々は、ハイテク産業を非常に有望なセクターと考えています。実際、今後数週間のうちに価格が軟調になるのを待ち、それを買いの好機とすることができるでしょう。我々が長期的にこのセクターを好む理由は、将来の収益成長にあります。2025年には、市場全体で約15%、テクノロジーセクターでは20%以上の成長が見込まれています。2026年も同様の収益成長が予想されています。今年の後半には、多くのアナリストが2026年の予測に注目し、その予測に基づいて売買の判断が行われるでしょう。

[アレクサンドラ]
 今日の午後には、ネットフリックスの決算発表があります。労働市場の軟化が続いているため、失業保険申請件数について少しお話ししたいと思います。また、FRBが利上げに踏み切る可能性について、どのように考えていますか?
(訳注:本日発表されたネットフリックスのFY2024Q2決算は、売上・EPSともに市場予想を超える結果を出しましたが、Q3と通年の売上ガイダンスが弱かったです。但し、株価を大きく動かす材料とはならず、決算発表後は株価微増で推移している状況です。 結局、決算発表のあった日のアフターマーケットでは、株価▲1.00%を超えて下落しています。)

[サム]
 FRBが9月から利下げに踏み切る可能性が高まっています。そして、1990年以降、2012年を除くすべての選挙年において、FRBは選挙前に利上げか利下げを行っていることを覚えておきましょう。つまり、FRBが独立していることを証明する機会があれば、そうするでしょう。また、金利の低下は株式価格を支え、さらに推進すると思われます。

[アレクサンドラ]
 これから数カ月間、楽しみなことがたくさんありそうですね。
CFRAリサーチのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、サム・ストボールさん、どうもありがとうございました。
 


以上


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だうじょん


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