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AIには奪われない機能快という喜び
はじめに
現代社会において、人工知能(AI)が多くの分野で活躍し、徐々に人間の仕事を奪っているという現実があります。
その奪われるというか任せることができる分野というのはこれからもっと増えていくでしょう。
また、クリエイティブな面ではAIは侵食してこないだろうと考えられていましたが、イラストなどの生成においてもAIが注目されてきました。
こんな世界になっていくと人間は何をすればいいのか?
そもそも、人間は何に喜びを見出せばいいのか?などと悩む声を聞きましたので少し考えてみました。
そんな中で、人間が喜びを感じることができる要素として、「機能快」という概念に注目したいと思います。
機能快とは
機能快とは、ドイツの心理学者カール・ビューラーが提唱した概念で、人間の内なる欲求や能力を十分に発揮できたときに感じる喜びのことです。
彼は内なる声に耳を傾けてそれに従うこと、また心の底でうずく欲求はそれがとりもなおさず自分の可能性であると信じて、それを大切にすることが結局生きがいに通ずることだという考え方を示しました。
これは、人間が自らの力を最大限に発揮し、成長や達成感を得ることで感じる、人間にしかない喜びであると言えます。
私は、機能快が人間の幸福に大きく寄与するものであると考えます。なぜなら、機能快を感じることは、自分自身が持つ能力を最大限に活かし、充実感や満足感を得ることができるからです。これは、自己実現の過程においても大きな意義を持ちます。
例えば、子供にとって2本の足で歩く能力は先天的に備わっている能力であり、歩けるようになるということはそれが子供にとって快感そのものになるのです。
これは子供の言語の習得も同じことで学習のプロセスが快感になっているのです。
では、大人はどうかと考えてみましょう。
大人が機能快を感じるためには、まず自分自身の内なる声に耳を傾けることが必要です。
内なる声とは、自分が何を求めているのか、何が自分にとっての喜びであるのかを示すものです。自分の内なる声に従い、それを実現する行動をとることで、機能快を感じることができます。
また、機能快を追求することは、人間の幸福感や充実感を高めるだけでなく、他人との関係性や社会全体にも良い影響を与えます。
自分が持つ才能や能力を最大限に活かすことで、他人のためにも貢献できるようになります。これは、個人の幸福と社会の発展が連動することを意味します。
機能快の問題点
しかし、機能快を追求する上での問題点も存在します。
例えば、自己中心的な行動や他者への配慮の欠如が機能快の追求を妨げることがあります。また、過度なプレッシャーにより、機能快を感じることができなくなる可能性もあります。したがって、機能快を追求する際には、バランスの取れた方法で取り組むことが重要です。自分自身の内なる声に耳を傾ける一方で、他者への配慮や協力を大切にし、適度なプレッシャーを与えることで、機能快を感じやすくなります。
さらに、機能快を追求する上で、自分に適した環境やサポートが整っていることも大切です。家族や友人、職場の同僚など周囲の人々との良好な関係や、適切な情報やリソースを活用することで、より効果的に機能快を感じることができます。
このように、機能快という喜びは、人間にしかない特別な感情であり、人間の幸福に大きく寄与する要素であると言えます。
AIが人間の仕事を奪っていく現代社会においても、機能快を追求することで、人間らしい喜びや充実感を得ることができます。
AIがどんなに素晴らしいイラストを成果物として出しても、自分で一生懸命に描いたイラストが出来上がったときの嬉しさはあなただけのものです。
それは仕事でも何でもそうです。
何かを通して、自分が喜びを享受するという感情は誰のものでもありません。
結語
最後に、機能快という喜びを追求することは、人間が成長し、社会全体が発展するためにも大切なことです。私たち一人一人が機能快を追求し、自己実現を図ることで、より豊かで充実した人生を送ることができるのです。
大切なことはSNSなどや他人、AIなどの外にはありません。
いつだって大事なことは自分の中にあります。
そして、自分を知ること、自分と素直に向き合うことほど難しいものもありません。
他人のことはわかるのに、自分のことはわからない
そういうものですね、人生とは……