ホラーに挑む2022 第8回:映画『死霊のはらわた』(2013) 感想

第5回第6回に続いて『死霊のはらわた』シリーズの鑑賞。今回は2013年のリメイク版を観ました。

映画4作目にして初めてアッシュ・ウィリアムズがストーリー中に登場しない本作。監督もサム・ライミではなくフェデ・アルバレスです。
一応、脚本と製作にはサム・ライミが、またアッシュ役のブルース・キャンベルも製作には関わっていたようです。

リメイク作だけあって、主人公たちは1作目同様の若者グループになっています。一行が訪れるのはどこからどう見ても過去作と同じ「あの小屋」。そこでうっかり悪霊を解き放ってしまって……という流れもほとんど1作目と変わりません。
しかしただのリメイクで終わらず、しっかりドキドキできるのが本作の良いところ。『死霊のはらわた』のお約束通りに進む場面もあれば、敢えてお約束を外した展開になる場面もあり、過去作を観ていても先行きが予想できずに驚かされました
最初に悪霊に取り憑かれる女子が薬物依存症なせいで、仲間に信じてもらえない脚本にも感心。

また初代から32年、2作目からも26年経っていて技術力が向上しているため、グロシーンがかなり進化しているのも特徴。全体的にリアリティがあって痛そうです。
血の色は『死霊のはらわた』お約束で、ちょっとチャチな原色レッドなんですけどね。

残念ながら良いところばかりではなく、特にカメラワークに関してはサム・ライミ版の方が遥かに巧いです。

総じてサム・ライミによる過去作の方が上手く作られているとは感じましたが、独自の工夫も見られ、十分楽しむことができる作品ではありました。

ところで最近YouTubeでブルース・キャンベルのインタビュー動画を見つけまして。『死霊のはらわたII』の冒頭が『死霊のはらわた』のリメイクになっている理由を彼が解説していました。
曰く、2作目を作った時点で彼らは1作目の権利を持っていなかったんだとか。1作目の映像を使えないので、仕方なく1作目のシーンを短く作り直したわけですね。そんな大人の事情があったとは知りませんでした。

なので1作目と2作目の時系列を正しく繋げようと思ったら、1作目のラストでアッシュがぶっ飛ばされるところから、2作目冒頭のリメイク部分を無くし、2作目でアッシュがぶっ飛ばされるシーンへ繋げるのが正解だそうです。なるほどな~。
(インタビュー動画はこちら

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