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ホラーに挑む2022

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ホラーに挑む2022 第11回:映画『NOPE/ノープ』感想

『ゲット・アウト』と『アス』に続き、ジョーダン・ピール監督の『NOPE/ノープ』を観ました。あんまりホラー映画感はありませんでしたが、前作までの流れで一応ホラー映画枠として扱います。

ちなみにジャンルについて、日本語版公式サイトではサスペンス・スリラー、映画.comの評論ではミステリーSF、Wikipediaではホラー映画と書かれています。

僕が観たところでは、この映画はホラーテイストのあるS

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ホラーに挑む2022 第10回:映画『ゲット・アウト』と『アス』感想

観てから感想書くまでにそこそこ間が空いてしまったのですが、今回はジョーダン・ピール監督の2作品『ゲット・アウト』と『アス』の感想です。

まずは『ゲット・アウト』の話から。

ホラーが苦手なのを克服するために当企画を始めたホラー苦手人間な僕ですが(第1回参照)、『ゲット・アウト』はそこまで怖く感じませんでした。この映画でそこまでビビらずに済んだ要因として、ジャンプスケア(急に大きな音が鳴って何か起

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ホラーに挑む2022 第9回:映画『呪怨』(ビデオ版) 感想と考察 ~人はなぜ恐怖するのか~

『リング』と並ぶJホラーの巨頭『呪怨』を初めて観ての感想です。
とりあえず、めちゃくちゃ怖い。

2000年にVシネマ(劇場公開されないビデオ用映画)として作られたという、この初代『呪怨』は作りだけ見ればかなりチープ。CGはほとんどなく、特殊メイクのクオリティも決して高くはありません。

そんな『呪怨』が怖くて印象に残るのはなぜか。

1つはやはり『呪怨』の代名詞である伽椰子と俊雄という2人の霊の

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ホラーに挑む2022 第8回:映画『死霊のはらわた』(2013) 感想

第5回と第6回に続いて『死霊のはらわた』シリーズの鑑賞。今回は2013年のリメイク版を観ました。

映画4作目にして初めてアッシュ・ウィリアムズがストーリー中に登場しない本作。監督もサム・ライミではなくフェデ・アルバレスです。
一応、脚本と製作にはサム・ライミが、またアッシュ役のブルース・キャンベルも製作には関わっていたようです。

リメイク作だけあって、主人公たちは1作目同様の若者グループになっ

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ホラーに挑む2022 第7回:映画『新・死霊のはらわた』感想

邦題はこうですが、実際には本家『死霊のはらわた』とほぼ無関係な自主制作映画『新・死霊のはらわた』の感想です。

なぜ「ほぼ」無関係かと言えば、この作品には製作総指揮という形で本家『死霊のはらわた』シリーズの監督サム・ライミが関わっているからで。

これについて日本のレビューサイトや個人ブログ等にて「サム・ライミは撮影中にたまたま通りかかって声をかけただけ」とする噂が見られますが、これは下記の理由か

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ホラーに挑む2022 第6回:映画『死霊のはらわたII』感想

ホラー映画鑑賞6作目でついにメチャクチャ面白い作品と出会えました。いやぁ~、最高ですね!
ホラー映画と呼んで良いのかは若干怪しいところですが。

とにかく本作は展開がスピーディー!!ハイスピード・ハイテンションで話がどんどん進んでいくので飽きません。

下調べの時点で、本作は『II』とタイトルにはあっても、1作目の続編ではなくてリメイクだとは知っていました。
しかしまさか1作目のストーリーに当たる

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ホラーに挑む2022 第5回:映画『死霊のはらわた』感想

今まで日本の心霊ホラー『リング』シリーズを観ていたのに、突然グロありの洋画にジャンルが飛びました。これには訳がありまして。

MARVEL映画が好きな僕は来月公開予定の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』も観に行く予定なのですが、この映画を手がけるのが『死霊のはらわた』でデビューし、『スパイダーマン』シリーズも手掛けたサム・ライミ監督なんですね。
で、『ドクター・ストレンジ2』

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ホラーに挑む2022 第4回:映画『リング0 バースデイ』感想

原作にあたる短編小説集『バースデイ』も読み直した上で、映画『リング0 バースデイ』を初めて観た感想です。

とはいえ映画『リング0 バースデイ』は『バースデイ』の映画化というよりは映画『リング』シリーズの前日譚という趣の方が強く、『バースデイ』の内容とはそこまで関係ありませんでした。

そもそも『リング0 バースデイ』以前の映画3作の時点で貞子の設定が原作からかなり変えられているため、それらに則っ

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ホラーに挑む2022 第3回:映画『リング2』感想と考察 ~なぜあまり怖くないのか~

前回チラッと書いた通り、『らせん』とは違う『リング』のもう1つの続編が映画『リング2』です。原作が無い映画オリジナルの脚本であり、監督も『リング』と同じ中田秀夫監督であるため、ホラー路線から離れていく原作『リング』シリーズから乖離したホラー映画になる……はずだったのですが、ぶっちゃけあまり怖くない。
急に大きな音と共に何かが映るようなビックリ要素は怖いですが、全体的には全然怖くない。

なぜ『リン

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ホラーに挑む2022 第2回:映画『らせん』感想(と小説『ループ』などシリーズのその後の話)

第2回にして早くも前回書いたことを改めて実感でき、かつ今後への不安が高まりました。

実感できたのは「知る」ことで恐怖には対処し得るというくだり。小説『らせん』を何度か読んでいたおかげで今回の映画鑑賞はほとんど怖くありませんでした。

映画『らせん』自体、前作である『リング』と比べてホラーテイストが薄めということもあるかもしれません。それにしても重要なシーンをほとんど小説『らせん』と変えていない脚

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ホラーに挑む2022 第1回:映画『リング』感想と原作との比較

苦手なホラー作品に挑むと宣言してから1か月半。ようやく今年最初のホラー作品に手を付けました。

ホラー苦手な僕が唯一中学生時代から親しんでいるホラー作品が原作小説『リング』シリーズです。初めて小説『リング』を読んだとき、あまりの恐怖に身動きできなくなりながらも先が気になって読み続けたことを覚えています。

そんな『リング』シリーズの映画版1作目である『リング』は僕がこれまで見た数少ないホラー映画の

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