【強制引退】生徒の意思を汲み取らない学校の悪
今回の感染症により、インターハイや甲子園などの一部を除く多くの部活動が引退をかけて行われる大会が中止となり、部活動に対して不完全燃焼のまま引退を迎えた生徒が多くいる中。
各地方ではせめて引退前の3年生に代替え案、大会としてやれないかと様々な競技団体が日々力を尽くしている中、耳にした残念なお話。
目の前の代替え案を前に半強制の引退
7月には代替え案として大会を行います。との連絡を受けた競技があった。もちろん感染症対策を行った上で行うものであり、同県の中のみで行うローカルなもの。
とにかくその大会に向けて一丸となり3年生の最後の大会を少しでも良いものとしようと動いていたはず。そんな中突然の引退勧告。
中身はその代替えの大会には出場しないこと、そして6月中での引退を促すものであったという。承諾書との記載もあり、あくまでお互いが了承した。という形のものにしている様子だったと聞く。
せめてもの花道をという大会が引退後数週間で行われるにも関わらず、それには学校は出場しないとのこと。最後の大会の出場機会を失った選手たちは継続して練習を行ったとしても、それを表現する場所がない。事実上の引退だ。
学校側の判断により大会は出場しない。この判断が引退に直結していることは少し想像すればわかること。学校の部活動に対する考え方が浮き彫りになってしまった一例のように思う。
形だけの言葉
「健全で健やかな生徒の〜〜」「文武両道」「文武不岐」このあたりの言葉は高校の校訓やスクールポリシーなどによく見かける言葉だ。
学生は「学び」「生きる」と書く。授業で学ぶことも、部活で学ぶことも多くある。学校の中あるものは全て学びの材料。学業はもちろん、部活動も生徒たちには必要な学びに溢れている。はず
しかしながら今回の件に関しては部活動はあくまで学校生活においては付属品という扱い。
メインは学業。受験の恐怖を煽り、生徒の視野をコントロールし狭める。受験に失敗しない為という、いかにもな言葉で親子を説得し、部活動からいち早く学業のみに意識をシフトさせる。「健全で〜〜」「文武両道」などはどこへやら。今の生徒の心理状況などを鑑みているのか?それで本当に良い高校生活だったと言えるのだろうか。
部活動を続けるのか否かはあくまで生徒の意思で自己決定で進めるべきもの。大会前に引退して受験にシフトするのも、大会で区切りをつけることも、卒業まで大会がなくとも継続して続けるのも全ては生徒の判断であるべき。
学校の強制力を持った引退勧告により妨げられるものでは決していない。今回、このような経験をさせてしまった学校の責任は重く、生徒たちの負った心の傷は高校3年間において非常に暗い影を落とすことになるだろう。