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不思議なキャベツたち

 
ドイツで一般的な白キャベツは丸くて非常にぎっしりで重く、葉物野菜というよりは鈍器の趣がある。手に持った感触はボーリングの玉だ。葉も固く日本人が想定するキャベツとは料理の勝手がちがう。ザウワークラウトは保存食なのでこれを刻んで漬けて発酵させて一冬かけて食べる。
 同じぐらいポピュラーなのは赤キャベツとリンゴを煮たものだ。これは結構おいしいが、赤キャベツの料理はこれっきりしか知らない。赤キャベツにしろ白キャベツにしろ、一玉食べきれる気がしないので買ったことがない。
私がいつも買うのはとんがりキャベツみたいな名前のものだ。これは15年くらい前はあまり一般的に出回っている野菜ではなかったが、最近じゃあどこでも買えるようになった。日本のキャベツはこっちに近い。名前の通り先がとがっていて、葉も柔らかい。
 芽キャベツというものもなかなかおいしい。粒つぶのキャベツだ。巨峰くらいの大きさのキャベツで、噛み応えがあっておいしい。半分に切ってオリーブオイルで軽く焦げ目がつくくらい焼いて、お皿にうつしてから粉チーズをかけるのが私のおきにいりだ。見かけるとついかってしまうので、よくうちの冷蔵庫にいる。
 コールラビというへんな奴もいる。これもキャベツの仲間らしいが、頭からいっぱい触覚みたいなのが生えていて宇宙人みたいだ。そもそもやつはどこから来たんだろうか。コールラビの代表的料理が一つも思い浮かばないがドイツのスーパーにはいつもいる。一度、食堂でパン粉をつけたて揚げたコールラビのスライスを食べた。あまり適切な調理法だとはおもわなかった。
 そうそう、白菜も中国キャベツという名前でスーパーで買えるようになった。これもここ10年くらいの間の変化だろうか。
 スーパーにこんなにキャベツと名の付くものがあるのはやっぱりドイツ人はキャベツが好きだからなんだろうか。




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