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【シノワ】裏ごしこそ、かけるべき手間
こんにちは、ラ・フェ修家です。
新人のとき、裏ごし作業が大量にあって、5時間以上裏ごしし続けていた、ラ・フェ修家です。(料理人は肉体労働です)
みなさんいろいろな調理器具をお持ちとは思いますが、ご家庭でシノワを使っている人は少ないのではないかと思います。
noteのクリエイターさんは、プロまたは、プロ並みのガチ勢の方が多いので、ひょっとしたら普通に使ってるかもしれません。
この三角錐型のシノワは、フレンチの厨房では必ず置いてあり、潰しながら漉すのに適した調理器具です。
シノワとは、フランス語で(chinois)中国、中国人、中華風などの意味で使われていて、中国の帽子の形からきています。
英語では(china cap strainer)
煮込み料理の、肉を取り出したあとのソースをとる時に、煮込んだ野菜ごと潰しながら漉したり
スープ・ド・ポアソンを仕込むとき、魚と野菜を潰しながら漉すのに使うことが多いです。
この漉すという作業が、仕込み中には何度もあり、この作業によって料理の舌触りや食感が決まります。
料理の味は、塩加減、香り、食感(音)が口の中で感じる大きな要素となり、食感の決め手となる漉すという作業は、面倒でもかけるべき手間なのです。漉すことによって舌触りが変わってきます。
料理の味の口の中以外で感じる要素は、見た目(盛り付けや食器)、情報、環境、一緒に食事をする相手などがあります。
漉す作業のその他の効果は、異物を取り除いたり、液体(ソースやだし)と個体(肉などの具)を分けることにも使います。
漉す網目が細かいほど漉しにくいですが、なめらかになり、荒いほど漉しやすい分、ザラついた舌触りになります。
だからと言って、なんでも細かい網目で漉せばいいというわけではなく、出来上がる料理のゴールに対して考える必要があります。
なめらかな食感は日本人が大好きですが、荒ごしには、素材感が強く出るので、あえて果肉の感覚を強調したい時などには効果的です。
コロッケなどは、なめらかすぎるより、荒削りな食感がある方がいい場合もあり、ハンバーグも粗挽きが好きな人もいます。
液体が多い場合は、ミキサーでなめらかにすることができますが、漉さないと、なめらかな中にゴロッと固形の食感が残って、台無しになる場合もありますので、やはりちょっとした手間でも漉した方がいいです。
小麦粉などの粉類や、調味料とかも漉すという工程を経て作られるものが多く、漉すことによる多大な恩恵を受けています。
漉すという作業は、古代から受け継がれている、道具を使うようになった人間の叡智です。
これからも、かけるべき漉す手間を大事にして、料理を作って行きます。
以上、ラ・フェの厨房からでした。
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