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ルイージに話しかけられる

その日、私は眠りが浅く少し不調だった。
早く帰って昼寝を決め込みたいところだった。

帰宅途中、ルイージに話しかけられた。



渋谷ハロウィンでも、池袋ハロウィンでもなく。
地元で、だ。

あと数分で自宅という場所で、だ。

歩道に椅子を出し、だるんと座っているルイージから、だ。

「なぜこんな場所にルイージが」
「なぜ私に手を振っているのか」

そして
「そういえば、同級生がこの辺で起業したって聞いたな」
とも。

材料がそろっていても尚
目の前のルイージが同級生とイコールにならない。

だって
同級生が(遠い昔の)
コスプレして
外に椅子を出して
だるんと座ってるなんて

寝不足の頭で処理できるだろうか。

処理出来たのは「ルイージに手を振られ、話しかけられた」だ。

そもそも子供の頃(同級生だった頃)の顔すらも記憶は朧げで
大人になって、マスクで半分隠れ、
ルイージの帽子を被り、ルイージの服を着ているのだから

それはルイージだろう。


ほんの少し、知らない人のふりをしようかとも思ったが
思考よりも先に、反射で手を振りかえしていた。(知らない人じゃなくて良かった)

なんせ寝不足なのだ。

少し会話してハロウィン然としたキャンディをもらった。(どうもありがとう)
黄緑の帽子と衣装、似合ってたよ。

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