『ある日、アヒルバス』のデコに学ぶ、仕事を楽しむために大切な3つのこと
3年前の1月、自身の課題であった日本語力の向上を図るため、当時よ部長から借りた本『ある日、アヒルバス』を3年の月日を経て年明けごろ漸く読了することが出来たのだが、仕事を楽しむうえで欠かせない大切なことが学べたので、noteに書き留めておく。
作品は、東京生まれの東京育ち(ただし八王子)の観光バスガイド5年目である主人公デコが、一筋縄ではいかないわがままなツアー客たちに振り回されながら、新人研修の指導員に任命され、奮闘しながら成長していく姿を軽快且つユーモアに描いた物語だが、そこから、仕事を楽しむためのヒントをいくつか感じることが出来た。
※作品自体は啓発的なテーマを謳うものではなかったがデコの置かれている状況や役割が、当時の自身に重なり、他人事のようには読めなかった。
(例えば…デコ慕っていた三原先輩が居なくなってしまったように、身近な先輩が異動してしまっていたこと。その後、社内・社外いろんなプレイヤーに囲まれ奮闘しながらも、徐々に自分の仕事のやり方を身に着けることが出来てきて、デコと同じ4~5年目に突入する社歴であること。そこに直属の後輩が入ってきたが、初めはなかなか(私の覚悟の問題で)仕事を任せることが出来ずにいたこと、仕事の心構えや、テクニックなどを教え直してくれた鉄鋼母さんのような先輩がいてくれたこと…私も部長にデコって呼ばれることが有ったりなかったりなこと…(笑)等)
そんな本書を通して私が感じたのは以下の3点である。
①人を見る大切さ
②お客様目線の大切さ
③自分が楽しんで仕事をすることの大切さ
①人を見る大切さ
まず一つ目は、人を見る大切さである。
私がこれを感じたエピソードは本文に二つあった。
一つ目はデコがバスガイドの際、参加者にニックネームをつけ、一人ひとりの動向を細やかにチェックしていたエピソードである。マニュアルや教本がきちっと用意されているバスガイドの仕事であるが、高速道路に乗ってから、トイレに行きたいと言い出すお客さんが出ないように、お客さん同士でもめ事が起こらないように、お客さんがバスを汚したりしないように…など、小さなものから大きなものまでお客様のトラブルを未然に防ぐために、デコは常に不審な動きや兆候が無いかをチェックしており、その観察眼が実際にトラブルの予防や、トラブルが起こってしまった場合も解決の糸口になっていた。
二つ目のエピソードは新人教育。デコは、一番かわいがっている新人チェキッコが、研修を逃げ出してしまった際、チェキッコが漢字を読めないことを見破り、従来通りの教育方法ではなく別の研修方法を提案していた。これにより、型にはまった研修では摘まれたままになってしまっていたかもしれないチェキッコの未来を切り開くことが出来ていた。
画一的なマニュアルや行動規範はあれど、それを守るために躍起になるのではなく、デコはそれを扱うのも受けるのも個人であるということを常に忘れず、トラブルに柔軟に対応出来ていた。結果、マニュアルをマニュアル通りに守っていたら、実現していない結果を出すことが出来ている。
お客さんにしろ、新人にしろ、人を一人ひとりきちっと見ることは、骨の折れる作業であるが、そういった泥臭いけど細やかな視点を怠らないことが後の結果にとても大きな差を生むと感じた。
②お客様目線の大切さ
次は、お客様目線の大切さである。
「アヒルバスに革命を起こそう」といった亜紀ちゃんは、お客さんのニーズを的確に拾い出し、それを1本の新ツアーとして会社に提案し、自分の仕事につなげていた。実際、提案したツアーは採用となり、人気ツアーに。
現場に立つバスガイドこそ、一番近くでお客さんを見て知っているのに、そのバスガイドがただ決められたツアーを案内する役として、会社から重要視されていないことに腹を立てた亜紀ちゃんの行動ではあったが、それは自分の存在感を示すだけでなく、バスガイドという仕事に今まで以上の意義を広げ、ひいては「アヒルバス」全体にとっても、お客様にとってもプラスにつながる活動となっていた。
部長にも、「広告代理店の人間になるな」ということを常日頃言われているが、亜紀ちゃんはまずお客様目線に立ち返り、アヒルバスに出来ること。中でもバスガイドである自分が声を上げるべきことを考えて、動くことが出来ており、そういった小さな一歩が大げさではなく“革命”に向けた着実な前進あると感じた。
③自分が楽しんで仕事をすることの大切さ
そして最後が、自分が楽しんで仕事をすることの大切さである。
デコは、新人時代、コンビニアイス『ピノ』のガイドを即興でして見せ三原先輩をあっと言わせたが、新人教育の際には、すでにマニュアルのあるガイドに、ディズニーのジャングルクルーズの船員のような演技を織り交ぜるという型破りなガイドをやって見せ、ルールに厳しい鉄鋼母さんをもあっと言わせた。
お客さんを飽きさせない方法として、三原先輩に教えてもらったガイドのコツ(観光先で探し物を教える)を、デコなりに昇華させたガイドであるが、それが結果周りの人々を納得させていることから、人のココロを動かすには魂を込める(自分の力で考え、工夫をすること)ことが大切であり、そしてこれが出来るか出来ないかが、周りがまねできないプロになれるかどうかの分かれ目であると感じた。
『ある日、アヒルバス』をに登場する、等身大のキャラクターたちの奮闘記を通し、以上3点(人を見る大切さ、お客様目線の大切さ、自分が楽しんで仕事をすることの大切さ)が分かっているかどうかが、今後の仕事の充実さに大きく影響を及ぼすと感じることが出来た。(また、それらは部長から日頃いわれていることでもあり、部長が私の為にこの本を選定した理由の一つなのではないかと拝察した。)
自身の仕事にマンネリしたり、面白い仕事は無いかと受け身で過ごしたりすることなく、もっと自身の携わる仕事を自分の力で面白くしていきたい。
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