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体と薬と健康と・・・第22話 ”睡眠”と漢方

皆さんこんにちは。
薬剤師の豊島です。

前回は”睡眠”についてお話しさせていただきました。

今回は、睡眠が十分に・満足に取れないときにおすすめ
「漢方薬」をご紹介したいと思います。

おすすめの漢方

不眠の医薬品というと、
西洋薬の「睡眠薬」のイメージがありますが、
漢方薬は不眠を引き起こしている
不具合のバランスの改善を図るイメージ
です。
今回ご紹介する漢方薬は
加味帰脾湯かみきひとう』と
柴胡加竜骨牡蠣湯さいこかりゅうこつぼれいとう』 。

うん。。。
もうこの時点で、漢字が多くて
拒絶反応😬が出る人もいるかもしれませんが
テストではないので読むだけでも
読んでいただければと思います(笑)。

まずは『加味帰脾湯かみきひとう』。
どんな方におすすめかというと、

  • 眠りが浅く、夜中によく目が覚める方

  • よく夢をみる方

  • 胃腸が弱く、あまり食欲もなく貧血っぽい症状がある方

  • どちらかと言うと、人から言われると落ち込むタイプの方

です。
服用の目安としては、約1ヶ月くらいです。

【効能・効果】
体力中等度以下で、
心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症
貧血、不眠症、精神不安、神経症

『漢方セラピー 店頭カウンセリングブック』 より一部抜粋

次に、『柴胡加竜骨牡蠣湯さいこかりゅうこつぼれいとう』。

どんな方におすすめかというと、

  • イライラしてなかなか寝付けない方

  • どちらかというと、カッとなりやすい方

  • のぼせて興奮しやすい方

に当てはまるような方に適しています。
こちらも服用の目安は約1ヶ月です。

【効能・効果】
体力中等度以上で、精神不安があって、
動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症
高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、
小児夜泣き、便秘

『漢方セラピー 店頭カウンセリングブック』『ツムラ 柴胡加竜骨牡蠣湯 添付文書』より一部抜粋

漢方薬も医薬品ですので
服用前には、必ず「添付文書」を確認してくださいね。

漢方から見る「不眠」

今回は、なぜ不眠が起こるか、
ということについても
少し触れておきたいと思います。

まず、漢方では人の体を構成する基本的な要素で、
健康を維持するために重要なもの、
生きていくための肉体的・精神的なエネルギー
」としています。
やる気・勇気・元気・気合い・・・などの
活力のことですね。
また、血液血液に含まれる栄養やホルモンなどを
まとめて「けつ」とし、
その血液以外の液体であるリンパ液や消化液や尿などの液体を
すい」としています。

この気・血・水の3つの要素が
バランスがとれている状態が『健康な状態』です。

どれかの成分が不足したり、停滞したりするとバランスが崩れる

一方で、今回のテーマである不眠の症状や
冷え性の症状が出たり、
のぼせ症状が出たりする場合など、
体にとって好ましくない症状が表れているときは
気・血・水のバランスが乱れていると考えます。

そこでその原因を解決するために、
気の巡りを良くしたり、
血を補ったり、血の巡りを良くしたり、
水の停滞を利尿で改善したりできるような
様々な特徴を持った生薬を、
バランスよく配合することで
1つの「漢方処方」として作られたのが「漢方薬」なのです。

そのため、無理やり眠くさせるのではなく
気・血・水のバランスを整えながら、
自然な睡眠に戻るようにするのが「漢方薬」の特徴
です。
今日服用したから、
すぐにその夜から気持ちよく眠れるというわけではありません。
なので、紹介した漢方薬のように、
1ヶ月程度の服用が必要になるわけです。

いかがでしたでしょうか?
少し難しかったかもしれませんが、何かの参考になれば幸いです。

では次回は睡眠改善が期待できる
身近な「サプリメント」をいくつかご紹介したいと思います。


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