見出し画像

英国🇬🇧がモデル?これからの日本の薬局事業②〜薬局の形態〜

11月に入りました。さすがに朝晩は冷え込みますね。

前回は英国の医療体制についてまとめてみましたが、薬局の形態についてざっくりと。

英国の薬局の形態は3種類に分かれるようです。

1️⃣クローズド薬局
外来患者が来局することはなく、主に老人介護施設や薬局から分包サービスを受託したり、在宅患者に 向けて調剤したお薬をを直接届けるサービスを提供しています。基本、英国での調剤は箱で行われますが、ブリスターパック(シングル ドーズ・マルチドーズ)、分包、水剤、その他外用薬を含む、幅広い提供方法に対応しています。日本でも、大手調剤薬局が始めているようですが、今の調剤報酬では、採算がなかなか合わないと思われます。やはり、英国のように、テクニシャン的な資格がないと厳しそう。

2️⃣リテール薬局
一般的な薬局。リテール薬局では、「Essential Service 必須サービス)」「Advanced Service アドバンストサービ ス)」「Locally Commissioned Service 地域サービス)」という3つに分類されるサービスを提供しています。
日本では、薬剤師が常駐していれば、自由に薬局を開局できますが、英国では規制があり、その地域にふさわしい薬局しか開局許可がおりない場合があります。例えば高齢者率などの人口動態などを考慮したり、移民の多い国柄のため英語の話せない住民が多い地域では、英語以外の言語を話すことのできる薬局スタッフが開局要件に盛り込まれたりするそうです。
イギリスでも、調剤併設型のドラッグストア(Boots)がありますが、その地域に特化したサー ビスを提供することで、差別化を図っているとのことでした。リテール薬局で行っている業務に関しては、また後日、詳細をまとめます。

3️⃣ドラッグストア
英国で販売されるOTC医薬品は2種類に分類されます。自由販売医薬品(GSL General sales list medicines )と薬局販売医薬品(Pharmacy medicines )です。

自由販売医薬品は、新聞販売店やスーパー、ガソリンスタンドなどの薬剤師のいないお店でも販売できる医薬品であり、薬局で販売されているものよりも、小さいパッケージのものが販売されています。実際、近くのコンビニでも「アセトアミノフェン」(解熱鎮痛薬)や「フェキソフェナジン」(アレルギー薬)が販売されていたので、驚きました。
薬局販売医薬品は、薬剤師がいる薬局でしか販売できない医薬品で、薬剤師の監督下で販売されています。なお、処方箋が必要な薬は、処方箋医薬品 (POM Prescription only medicines )と呼ばれています。

ロンドンの2大ドラッグストアは、BootsとSuperdrug です。Bootsは調剤併設型で、価格は高め。品揃えは日本とあまり変わらない印象を受けましたが、よくみてみると、「オルタナティブ・メディシン(代替医療 )」と呼ばれるイチジクのシロップやミントの入ったカプセル等のハーブがありました。ハーブ専門店や自然療法であるホメオパシー薬局などが昔は多かったそうですが、その名残もあるのかもしれません。日本ではお馴染みのドリンク剤が見当たりませんでしたが、しっかり休暇をとる英国のお国柄なのかもしれないですね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?