英国🇬🇧がモデル?これからの日本の薬局事業①〜英国の医療供給体制〜
だいぶご無沙汰しておりました。
昨年末に母、6月に義母と立て続けに亡くなり、後の手続きをほぼ私がやっていたため、なかなか記事をあげられずにいました。
義母は、大腸癌が見つかり、終末期はナーシングホームで穏やかに過ごせたと思います。認知も良くなっていました。
夏休みは不幸が続いたため、思い切って、娘が留学しているEnglandへ。
薬局に立ち寄ることがあり、業務内容をお聞きすると、昨今の調剤報酬改定や英国の薬局DXについての報告が上がっていることからも、厚生労働省は、これからの医療体制を英国をモデルにして考えているのでは?と思いました。
ということで、英国の薬局について、まとめてみました。
英国の薬局について、まとめる前に、まずはその背景を知る必要があります。
英国の医療は日本と同じ国民皆保険で運用されており、基本的に診療については患者負担はないため、慢性的な財源不足という問題を抱えています。日本で導入が検討されている「かかりつけ医 (GP)制度」が既に定着しており、医療費節約を目的とした「セルフメディケーションの推進」 についても、英国は日本の数歩先を進んでいます。
イギリスは国営の健康保険サービスである National Health Service (NHS) を通じて、税金による無料の医療サービスを提供しています。また、医療供給体制は日本とは違い、まずは登録した 診療所の General Practitioner (GP 家庭医)を受診し、さらに専門的な治療の必要があれば地域内の専門病院へ紹介されるシステムです。
また、診療報酬も出来高払いの日本とは違い、イギリスでは GPの報酬は、登録人数から算出された事前払いであり、定額です。
よって、簡単な医療行為を薬局で行うことによる収入面のマイナスはなく、むしろ常に激務のGPにとっては代わりに仕事をしてくれるので業務負担の軽減につながります。
この背景もあり、イギリスの薬局では処方権やワクチン接種など、薬剤師の権限が拡大しています。さらにGP不足のため患者が予約をとりにくく、救急を要するもの以外は、2〜3ヶ月後まで待たなければならないために、風邪や軽症のけが程度では、まず薬局やドラッグストアに足を運びます。そのため、薬剤師の臨床面への進出が進んでおり、軽度な疾患 に対する対応、慢性疾患の管理、あるいは性感染症のスクリーニング等々、新しい役割が求められるようになりました。また、それに伴い薬剤師が新しい業務に専念できるように、「ファーマシーテクニシャン」という資格者が、調剤や簡単な投薬に至るまで、業務を担うようになりました。
薬剤師になるには、大学は4年制ですが、1年間、現場での実習があり、実習先で、人間性や仕事に取り組む姿勢など、国民から尊敬されるような人柄であるか、チェックされ、そこで許可が出た人のみ、試験を受けることが出来ます。
私はもう薬剤師としては、あと10年働けるかどうかだけど、もし、ここまで出来るようになるのであれば、日々の勉強で大変だけど、やり甲斐があるし、社会的地位も上がるだろうな〜と羨ましく思いました。