賢者タイムで女性を鬱から救う。

賢者タイムをご存知だろうか。男性が絶頂した後のなんとも言えないらしい悟りの時間。とわたしは認識している。とにかくこの時間の間、構ってもらえずふてくされる女子も多いそうだが、この時間を普段から男性は経験していることで鬱から身を守る基礎体力を女性より身につけることができるのではないか。

どういうことか。おそらく賢者タイムとは絶頂の反動としてあらわれる反対の感情で、つまり躁に対する鬱のようなものなのではないかと考えた。
そう考えてみると、賢者タイム付きで絶頂することは、躁と鬱とを急激に経験する訓練をしているとも捉えられる。いわば感情の反復横跳びを常にすることが可能になっているのだ。

そのような訓練をしておくと何が良いか。たとえば急に嬉しくなった時、その反動の寂しさともうまく付き合える。また、逆に急に辛くなった時、かなしくなったときにも、虚無の時間を思えば意外と乗り越えやすいのではないか。

もしその考えが正しいと仮定した場合、では賢者モードを搭載していない女性は、躁と鬱との落差のようなものにどのように耐性をつければ良いのだろうか。

答えは自分の中で絶対に悲しいことと絶対にうれしいことをいくつかもっておくこと。
嬉しすぎることがあった時は悲しいことリストから少し悲しめの何かを摂取しておく。逆に辛すぎることがあった際は少し楽しめの何かを摂取しておく。
このように強制的にバランスを取るように仕向けるのだ。そうすればいつのまにか耐性ができているはずだし、そもそも耐性が必要なくなるかもしれない。

また、もし自分以外の存在を鬱による自殺から救いたいなら絶対にできる一つのことがある。それはちょうどよく面白いことちょうどよく面白くないことを全力でできるように鍛錬しておくことだ。

その人がいま躁なのか鬱なのかは専門家にも判断が難しい部分がある。しかしちょうどよく面白いこと、ちょうどよく面白くないことであれば、どの場合にもその人を無理やり反復横跳びに連れ込めるのだ。
反復横跳びというとわかりにくかったかもしれない。振り子の動きを正常に戻してあげるイメージだ。

通常は振り子のように一定の幅で感情が浮き沈みするものだが、鬱や躁になると鉛直上方で止まってしまうような状態になる。その状態から振り子が揺れている状態に戻すということがきっとその人を鬱による自殺から少し救う可能性のある、私たちができる唯一のことである。

その唯一のことが先ほど述べたちょうどよく面白いこと、ちょうどよく面白くないこと。ちなみに2種類を気分で使い分けてもいいし、ちょうどよく面白すぎてちょうどよく面白くなさすぎる1つを常に使うのでもOKだ。サービス精神旺盛な方はちょうどいいものをたくさんストックしておいてもいい。大切なのは一つ以上持っておくこと。
それがきっと私たち全員を鬱から救う特効薬になり得るのだ。わたしはそう信じたい。

以上、賢者タイムで女性を鬱から救う可能性は人類全員を救うかもしれない可能性についての試論でした。


文責 宵陶子 (YOIMACHI Toko)

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