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今日もどこかで労働運動歌

最近古くて厳しい昔の歌は若い世代だとわからなくなりました。民謡がその最たる例ですね。演歌も聴かないでしょう。好きな歌を試し聞きするいい時代です。私もついつい米津玄師のアルバムを買ってしまいました。ですが今回は私が若い頃はまだギリギリ聴くことができた労働歌でもう聴けないかもしれないあの曲をちょっとご紹介します。最近できたあの歌を紹介します。

そのこ

これはこの記事のタイトルにしました。谷川俊太郎が詩を書いた中々の名作です。児童労働に反対する谷川や多くの人が共感してできた絵本です。労働詩と言われると微妙ですが一度聴いてみて欲しいです。一部詩を引用します。
そのこはとおくにいる
そのこはぼくのともだちじゃない
中略
おかねのくものすにとらえられて
ちょうちょのようにそのこはもがいている
そのこのみらいのためになにができるか
だれかぼくにおしえてほしい

児童労働はまだ1億6000万人の人が携わっています。日本のヤングケアラーなどももしかすると広義では児童労働に入るのかもしれません。美味しいチョコレートですがやはり一度そのことを思い出しフェアトレード精神を持てば人間は人間らしく生きることができると思います。

がんばろう

これも比較的新しい方の労働歌です。いわゆる60年代で三井三池闘争の頃歌われました。元々今もと言ってもしょうがないですが労働運動というものは完全なる男性社会である少し博徒のような労働者がストライキにしろ交渉にしろ主導権を握っていましたが、この歌詞は「くろがねの男の拳がある。燃えあがる女の拳がある。」という内容でした。日本の労働組合らしいですね。家族ぐるみ地域ぐるみが基本でだから世界の労働組合の類を見ない組織出身の国会議員が増えたのです。そのがんばろうは先進的でしたが当の労働組合が60年代闘争で止まったままです。

メーデー歌

元は軍歌を改造して作ったことが始まりです。今も多くの歌手がカバーを出しています。当時池貝鉄工所(皮肉にも現在池貝は外資となっています。)の作業員であり労組活動家の大場勇は軍歌「歩兵の本領」をもじって日本版インターナショナルとして歌われるようになりました。この前カラオケのデンモクを見てたらなんとリストにありました。ドリフターズのコントにもスト権ストをもじったコントがありました。当時のお笑い芸人は戦争経験者も多く視聴者もそうでした。人として強さがあった時代ですね。話を戻しましょう。この歌は結局何番まであるのか分かっていません。大場勇自体いつ亡くなったのかまたいつ生まれたのかよく謎が多い人物です。個人的に1番より2番が好きですね。こちらの方がプロ意識を持ってそうで。
汝の部署を放棄せよ
汝の価値に目醒むべし
全一日の休業は
社会の虚偽をうつものぞ

赤旗の歌

これは映画「シルミド」にも出てきました。札付きのワルが軍事訓練を施し自分のような人間でも国家のお役に立てるかもしれないという希望を持ったのにそれを真っ先に切ったという国家の冷酷非情さ。史実では金銭で集めたようですがもし何かしろ食えずに犯罪を繰り返し一発形成逆転を目指していたなら胸が痛くなります。この歌では韓国では歌ってはいけないという「赤旗の歌」がありますがイギリス労働党の党歌です。党歌と言われても後はナチスなどの強力な独裁者の政党ばかりで日本の政党にはそもそもそれがあるのか不明ですが歌詞よりも楽曲は元はドイツの民謡らしく優しげです。
民衆の旗赤旗は
戦士の屍包む
我らは死すまで赤旗を 掲げて進むを誓う
来れ牢獄 絞首台 これ告別の歌ぞ

現在だとたしかに歌われにくいですね。

国鉄労働組合歌

これこそもう消滅はしていないのですが大幅に縮小した国鉄労働組合の歌です。数ある日本の労働組合歌の中で1番有名ではないのでしょうか?私達は俺たちは国鉄で生きているという始まりの歌詞は労働組合歌というものは私のような比較的激しい時代を知らない組合員にもその熱意が伝わるようにしないといけません。なんとYouTubeで聴けます。凄い時代になったものです。私は最後の方の歌詞が好きですね。
国鉄労働組合の
その旗のもと明日を信じ
働く者だ国鉄労働者

さあ比較的新しい時代の運動歌は取り上げられません。今回考えたのはあのバーニー•サンダースが同じような事をやっていたので私はそのアイディアをちょっと拝借したにすぎません。バーニーの政治的な立ち位置はともかくバーニーのような重鎮でなおかつずっと社会主義左翼であり続け若者人気も高くSNSを使うのも上手いという人を日本で求めるのは高望みでしょうか?





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