心理的安全性がないので、チームでこれ言えません 〜Vol.3「賛成できないな」「違和感があるな」〜
「心理的安全性」について、米国ペンシルベニア大学ウォートン校の組織心理学者、Adam Grant博士のLinkedInポスト
「Things people aren’t afraid to say when they have psychological safety (心理的安全性のある人だけが言えること:弊社訳)」
こちらを切り口に、日々のチームコミュニケーションでお使いいただけるTipsを、弊社COO野口より数回にわたってご紹介しています。
是非、コーヒーブレイクのお供としてお楽しみください!
心理的安全性がないので、チームでこれ言えません Vol.3
「賛成できないな」「違和感があるな」
チームで話していて、メンバー間で意見が割れたり、反対が出るような場面はありますか?
よく「うちのチームは仲がいい」とお話しになられた部門長やマネージャの方が、少し躊躇いながら「でも、厳しい意見は出てこない。それでいいのだろうか」と話されます。
確かに、意見や提案に対して、賛同できないとか、違和感を申し入れるのは、互いの関係性の中で勇気がいることです。
前回(心理的安全性がないので、チームでこれ言えません 〜Vol.2「間違えました」「ミスしてしまった」)でも書きましたが、沈黙する方が楽と思えば、貝のように口をぴったりつぐむ方が楽。楽しいことだけ乗っかればいい・・そんな風に考えてしまうことが起きても不思議ではありません。
しかし、心理的安全性があるチームは、改善への学習が回ると前回書きました。
そのためには、改善の種を机上にあげて議論する場が必要になります。
では、実際に議論する場で、みんなが黙っていたらどうでしょうか?
何も改善策が打てないままか、声の大きな人の意見が通ってしまうかー。
さて、皆さんは、こんな考えに囚われていませんか?
反対意見や違和感を相手に伝える=禁忌。偉そう。私なんかが・・。
こと、日本には「同調圧力」という言葉もあり、周りと同じ=安心といったきらいもあります。ただ、それだと、学びはなかなか得難い。
こう考えてみるのはどうでしょうか?
組織で反対意見や違和感を伝えるのは、悪いことではない!
でも それをする目的は明確に。
反意を言い出せないのは、場のチューニングができていないのが原因かもしれません。
場のチューニングとは、目的と場をリンクさせることです。
・報告する場所→全体に耳を澄まそう。意見は聞かれたら伝えよう。
・検討する場所→ここでは、活発な議論が期待されている。違和感などを伝える場。
・決定する場所→ここは、良い決定となるようにインプットが求められる場。
・雑談する場所→自由に話す場。自分とは違うことも、笑顔で話される場。
いかがでしょうか。
こうして整理すると「賛成できない」「違和感ある」と伝えるのは、場と目的で整理して対応するのが良いのです。けれど、往々にして、何となくミーティングをしてしまったり、メンバーを集めるのだけれど、目的や期待されることが曖昧なまま。
それでは、意見を言い出せば良いのかもわかりません。
だとしたらー
会議の議長は、この場と目的を正しく伝えておくことで、全体から様々な意見を引き出せそうです。
弊社は、ミーティングの目的を明確にするフォーマットを作って運営しています。
それにより、参加者へも協力を求めるのが意図です。
たとえば、サービスデザインのプロセスでは検討と決定の場を定めた運営をしています。
デザイナーから「このデザインは頭出し。だから、色々な意見が出ず、このままサービス実装されては困ります」と言われます。
そう言われれば、メンバーも何も言わないわけにはいきません。すると、賛成ばかりはしていられないのが現実です。
「なんか、ここはうまく言えないけれど、違和感があって・・」
とか
「ごめん、ここは、なんかアプローチに賛成できていないのだけれど、なぜかは分からなくて」
とか
「私は、Aさんのポイントとはちょっと違う点があって・・」
と、それぞれが、専門外であっても思い思いの意見を少しずつ伝えます。
この営みには、とても嬉しいボーナスがあります。1つは、メンバー全体で「賛成できないよ」「違和感があるよ」と伝える経験をすると、少しずつ、さらに面白い結論にたどり着くようになります。2つ目に、この経験をすると、メンバーはサービスに対して「絶対うまくいく」と口にします。そして、意見が割れた時でも「ここは絶対に擦りあってる」と自信を持ったやりとりをします。
反対でも、違和感でも、メンバーが「言った」経験を持つことが、どれだけ尊いかは、私が目の当たりにしてきたので、自信を持って言えること。
反対でも、違和感でもいいです。チームで、この「伝えあった」経験が育まれますように。
〜次回更新に続く〜
心理的安全性がないので、チームでこれ言えません
〜Vol.4「もしかしたら、私が違うかもだけど」〜
※9月下旬〜10月の公開予定です。
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