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【就活】焦らないでほしい就活~とある理系大学院生の就活記録~

割引あり

はじめに

このnoteは、理系大学院生が就活を終えて考えたことをまとめたものとなっています。二言で言うと「理系の就活は、理系特化の就活サイトに登録し、それをもとに進めるほうが圧倒的に効率がいいのではないか」「本当に就活は縁を図るものでしかない」というお話です。このサイクルが、研究で忙しい毎日を送っていても本当に自分とマッチする企業から内定をゲットできる方法で、あまり精神をすり減らさずに進める方法ではないかと感じています。一人でも多くの就活で悩む方の支えとなるよう、体験談を記します。

このnoteは、主に理系学生向けのものとなっています。
詰め込み過ぎて、無料版で15000字を超える分量となりました。保存をして以下の目次から読みたいところを選んでいくことをお勧めします。



有料版について

  1. 実際に私が記述し通過したESを全公開しています。また、Labbaseなどの就活サイトに実際に記入していた情報を公開しています。(企業名は大手・大手子会社などの規模、業界、会社のイニシャルを記載しています。)ES通過率は本選考で約70%(9/13)です。

  2. 実際に私が記述していた就活ノートを公開しています。(対面インターン時に記述したノートB6サイズ3ページ分)このノートにはインターンやOB/OG訪問で記載していた内容を公開します。(企業の機密情報にあたる内容は一切公開していません。)

  3. ChatGPTを用いた企業研究のノウハウについて説明しています。(ただし、有料版のChatGPTを利用することが前提となっている内容です。)

  4. メンター制度についての概要

個人情報や私の価値観など、実際に生で体感したことをそのまま記述しているため、プライバシー等の観点からこれらの項目を有料版として公開することとなりました。


自己紹介(筆者)

  • 25卒の関西私立理系大学院生(情報工学系)

  • 最初の志望先:金融・広告・通信・メーカー・SIer・シンクタンク

  • 選考に進んだ業界:金融・広告・通信・メーカー

  • 内定先:メガバンク(デジタル企画部門確約)


序章

本当に自分とマッチした企業に入るためにやったこと

25卒の大学院生。就活が終わって思ったことがある。
それは、様々な選択肢を持って最終的に選ぶ立場になるのは出来過ぎであるということ。

様々な業界を見て、職種を見て、様々な企業に応募をし、そのまま選考が進めばいいがそうでないことの方が多い。そうなると「自分はこんなにも必要とされていないのか・・・。」と不安になる。
わかる。自分も落ちまくった時期にそう不安になる日々が多くあった。
当然焦りも出る。就活情報解禁前の年に内定が出る同期や、軒並みインターンに参加している他の学生が出てくる。
ただ、今就活を終えてから思うのは、本当に焦らないでほしい。ということ。
ある程度自分に合う選択肢を保持したまま、本当にあなたにマッチした企業を見極めてじっくり進める。それが私の就活の進め方だった。

当然時間もかかるし気持ちも緩められない。
解禁後の3月~4月は特に緊張が張ったまんまだった。
それでも、自分のやっていることを信じてやり抜けた。

そもそも残った選択肢に自分に合わない企業ばかりだとどうだろうか。
せっかく内定を取ったものの、「本当にここでいいのか・・・。」「自分はここで本当にやっていけるのだろうか・・・。」と感じるかもしれない。

確かに実際に働いてみないことには何もわからない。
でもその不安を抱えたままいざ仕事といわれても気持ちが乗らないと思う。
少しでも、この不安を取り除くために何をすればいいのだろうか。
私がやったことを時系列順に記録する。


2023年春~夏(修士1年時)

就活最初の一手

就活はまず何から始めなければいけないのか。
学部3年で一度就活を始めた際は、この答えが見つからずとにかく知っている企業を片っ端からエントリーし、ESで門前払いされた。
ここで実力不足を痛感したのがきっかけで、院進を決めたのである。
しかし、後から思うとこの時門残払いされたのは、自分の実力がないからなのではなく、情報量が少なく明らかに非効率で何も知らないまま就活を進めたからに過ぎない。

じゃあ何をすればいいのか。
それは理系特化の就活サイトへの登録である。
理系就活は特に「研究内容を公表しどう生かすかを明示すること」が立派なアピール材料となる。
特に以下のような理系就活に特化した就活サイトでは、このサイトに研究内容を記述すると、企業側はそれを直接閲覧することができる。
そして企業側から説明会やインターン選考等のスカウトメールを受信できる。

Labbase・TECH OFFER

主な理系就活サイト

ぶっちゃけこのサイトに登録し、プロフィールを埋め、企業からのスカウトメールに返信しまくることで就活は大体めどが立つ。何なら内定取れる。
しかもこの2つのサイトどちらもキャンペーン期間中にはアマギフが貰えるし、登録し友人に送り付けるとお互いGETできるので一石二鳥である。
また、大企業からのスカウトも多い。結構驚くくらい多い。

筆者のおすすめは圧倒的にLabbase
スカウトメールの受信数が圧倒的で、大企業からの受信が多い。
プロフィール欄を作りこむだけで毎週オファーが届く。時には毎日。
最初からLabbaseのプロフィールを作りこめばよかったと思うくらいである。

ちなみに私は当時、Labbaseは欄は埋めたが作りこみを行わず、知っている企業や規模の大きい企業に登録し、自分に合う企業や職種を探していた。
この行動も間違ってはいなかったが、もっと効率よくできたのではないかと思った。


夏インターンへの応募

次に行ったことは夏インターンへの応募である。
ここで私はエントリーシートを作り始める。
エントリーシートは大体以下の構成になっている。

  1. 志望動機

  2. ガクチカ

  3. 研究内容

  4. 特筆スキル(プログラム経験の有無・ビジネスコンテスト等)

大体この4つの構成になっており、4番目の特筆スキルの欄はアンケート方式のものが多いため労力が少ない。
よって1~3の項目についての作りこみが重要となっている。
ここを作りこむことで他のエントリーシートへの使いまわしが可能となるからだ。

ここで重要視したのはあくまでも「インターンの志望動機」であるということだ。
先輩たちの助言により、内定後どう活躍するかを意思表明するのではなく「内定後自分が活躍できる場所なのかどうか」を確かめたいという文言で記述した。(「エントリーシート記述の際に気を付けたこと」参照。無料版で見れます。)
内定後自分が活躍できるかどうかの判断基準は多くある。普段研究で培っている技術が生かせられるのか、経験や社風がマッチするのかどうか。それを判断する機会にしたいと表明した。

ただぶっちゃけると、ここの夏インターン選考はだいたい落ちる。もうとにもかくにも落ちる。
受かる人がどんな人なのか私にもわからないし、どうせこの時点から優秀である程度実績のある人が通っているのだろう。
私は研究を学会で発表したこともなければのうのうとアルバイトをしていただけの人間である。
もし、ESが通り選考に進んだものがあれば、そのESを今後の選考で使いまわすことで効率よく進めることができるだろう。


ここからは私が就職活動を終了し、「なぜこの夏インターン選考で落とされるのか」というものに対する持論を展開する。あくまでも私の持論なので、そういう観点で読み進めてほしいと思う。あくまでここで伝えたいのは「夏インターンで落ちても全く問題ない」ということだ。

そもそも、経団連のルールで、企業側は就職活動について以下のように進めなければいけないと定められている。

1. エントリー開始や会社説明会などの「採用広報活動」は、卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
2. 面接などの「採用選考活動」は、卒業・修了年度の6月1日以降
3. 正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降

https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=3105

しかしこれには強制力もなければ罰則はない。なので企業側は前倒しで採用活動が可能である。ただし、卒業年度の10月までは「内々定」という名目を打って人材を確保する。

近年の少子化問題などにより、企業側は人材確保に悩まされているため、1人でも多くの優秀な学生を早めに確保しておきたいという理想がある。
しかし、早期で大量に確保すると「ミスマッチ」が起こり辞退者が増加する恐れがある。人の気分の流れは早ければ一日あれば変化するし、ましてや2年前に内定が出たとしても他社選考などから心変わりが起きる可能性が高い。

だとすると、企業側は「本当に自社の社風とマッチし、且つ技術力など経験値が高い優秀な学生」をこの夏インターン時に確保したいという狙いがあるのではないだろうか。またそんな学生はごくわずかだと考える。
そのため、ここで選考が進めれるのは運が良かった例と捉えることが今後の採用活動で落ち込まずにすむのではないだろうか。

実際、夏インターン選考でESで門前払いされた企業から、卒業年度の3月以降の選考で最終まで進めた企業もいくつかある。また、夏インターン選考では受けなかった企業も本選考では最終までたどり着けた企業もある。

だから、ここで落ちても全く問題はない。目指すのは6月までの採用選考に向けて万全な状態で選考に臨み、内定先で不安なくファーストキャリアを歩むことである。
そこに向けての準備として、この夏インターン選考でESやWebテスト対策を行い、就活の段取りを把握する。この辺りは慣れないと仕方ないなと感じた。

だからこそ、研究や勉学を進めLabbaseを作りこみ、夏以降スカウトを荒稼ぎする戦法が一番効率的だったのではないかと感じた。

2023年夏~秋

Labbaseの作りこみと実力アップ

ここではLabbaseの作りこみを重点的に行い、運よく選考を通過した夏インターンに参加した。
この間は夏休み中で夏インターン開催時期ということもあり、選考が少なくなる傾向にある。そのため、秋冬のインターンに向けてLabbaseでのスカウト率上昇を狙った。
この作りこみを行った結果、秋頃は週に2~3社のスカウトを獲得することができた。

作りこむ際に意識していたことは、「考え方のプロセス」「自分の行動動機」「そこから何を学び今後どう生かすか」である。

人事の方は結果ではなくプロセスを見てその人の人柄を把握するという話をよく耳にする。社風や価値観を重視する日系企業において重要な採用指針となっているのではないだろうか。
そのため、「やったこと」をただつらつらと書くのではなく、「なぜそのような考えに至ったのか」のプロセスを意識し、実際の思考と取った行動を踏まえた結果を書くように心がけた。

正直この時期には焦りがあった。周りの学生は夏休みの予定が通過した夏インターンで忙しくなってたり、OBOG訪問などで日々情報収集に励んでいる人など、自分はこのままでいいのかという不安に駆られた。
ただここは辛抱である。振り返ると、この時期は自身の研究を進め、実力を上げることが一番いいと考えている。実際、何かやりたいことを探すためには今やっていることから紐づけるのが一番やりやすい。特に研究内容がビジネスに生かすことができれば学生時代にやったことをそのまま生かしたい、この分野に関する知識・実力があるので御社の○○という部分で生かせます、というアピール材料になるわけだ。私の志望動機は基本的にすべて研究内容から派生したものを使っていた。

2023年秋~年明け

面接で受ける面接官の印象から会社の雰囲気をくみ取る

この時期に、運よく後の内定先企業と別の第一志望企業の長期インターンに参加することが決定した。特に内定先の企業とは面接の時から相性が良く、話がしやすかった。面接の時から人事の方・技術職の方と話していて反応が良く、私が話していて安心できるな、と感じていた。この直感はかなり大事であると思っていて、話していて空気感に違和感を感じたときあまりいい結果にならなかった傾向にある。

友人や初対面の方でも「この人とは何か合わなさそうだな」「この人とはやっていけそう」みたいな感覚が芽生えると思う。この「話してて友達・一緒に何かやりたい」と思わせる、または感じるというのは、面接する上でも非常に大事であることに気づいた。
私が意識していたのは「面接官の逆質問での回答」である。逆質問に対しどんな反応をしてくれるのか、どこまで答えてくださるのか、相手の反応を伺った。これで「ああ、ここの職場にはこんな質問でも気さくに話してくれるし、こういう方が多いのかな」「ずっと明るく話していてこういう方が多い職場かな」という判断材料になる。
私が特に使っていた逆質問は「入社後のギャップをいい意味と悪い意味どちらも聞くこと」「勤続年数を聞いてなぜそこまで続けられているのか」「研究で生じている悩みと御社ならそれをどう解決するか」の3点だ。


逆質問での意識

まず1つ目の「入社後のギャップについて」だがこれは1次や2次の基本的に年次が浅い方向けである。面接官が新卒・中途に限らず使えるのではないかと考えている。このギャップというのは入ってからの解像度を高めるために有効的だった。ここで自分の思い描いている理想の職場とずれがあればあまり自分に合っていないと判断ができる。「良い意味と悪い意味どちらも聞く」ことは「悪い意味のギャップが許容できる範囲かどうか」を探るために行った。

次に2つ目の「なぜこの企業で長く続けられているのか」という質問はその人がその会社に対しどれくらい居心地がいいと思っているのか、という点が聞けるからである。近年転職や企業で終身雇用の傾向が少なくなっている。その中でも、特に最終面接あたりの部長クラスの方にこの話を聞けば、様々な人生を経験している中でもなぜ現在その職場にいるのかが聞くことができ、その理由が自分にも共感できるならば入社後の不安が払拭できるのでは、と考えたからだ。この質問で自分がその職場にいる想像がしやすかった。

最後3つ目は、これは特にメーカーなどの技術職の方に使える問いだが、「研究についての悩み」である。これはまず就活生個人の悩みにも親身に付き合ってくれるのかという点、自分の技術をどう生かすことができるのかのマッチングを図るために行っていた。部下に対しての関わり方をどう行っているのかを見たり、自分の研究で足りないところを補うための気づきにもなったのでこの質問は非常に有効的であった。


幅広い視点でいろんな業界を見てみる

10月より対面でのインターンに参加した。最終的に内定をいただいた企業でのインターンではあったが、この時点では第一志望ではなかった。なぜこの企業のインターンに参加を決めたのかというと、私が思い描いていたファーストキャリアの中で、金融という当初考えていなかった業界だったからだ。何もわからなかったからあえて飛び込んだ。

そもそも私が金融業界に興味を持ったのは、学部4年で参加したとあるデータサイエンスコンペで主催していた企業が、そのインターンに参加した企業で「ああ、確かにこの業界でもデータやITを用いた事業を進めれるな」と感じたのがきっかけである。それまではざっくりと理系だから「SIer」「エンジニア」「メーカー」「通信」みたいなThe理系の企業を受けるだろうと考えていた。ただこう言う取り組みを行い始めている企業というのは、IT人材が少なくまだまだ発展途上であるのではと考えていた。となると、特に情報工学系の私たちのような日ごろからITの知見を培っている人達は、早い段階から活躍できる場所が得られるだろう。そうやって、自身の活躍できる場所を幅広く見ることで、自分の可能性を見出すきっかけになると感じた。

これが意外にも吉と出て、結果的に第一志望の企業として選んだのだが、今までないと思っていたところに飛び込むという方法も面白いのでは?と考えた。ただこれにはかなりリスクが伴う。

そもそもその業界でどうITを使っていきたいのか?
社風的にITに積極的なのか?
たとえそのようなポジションが与えられても、自分の思い通りにできるかというとそうではない。そもそもITとかDXとは何ぞやというところから始めなければいけない会社だってあるだろう。(最近は少なくなってきたが)
だからこそ、あえて飛び込んでみる。割と勇気がいることだったが、対面で職場の雰囲気もつかみやすいのでいい経験になりそうと考えて参加を決めた。


インターンで会得した「記録する方法」

インターンで意識していたことだが、それは記録することである。実際に私がどのように記録していたのかは、個人情報の観点から有料版に掲載しているが、私が意識していたことを伝えていく。

まずは「会話や話を聞いている最中はメモを取らないこと」である。
とにかく会話を行い、社員の特徴や雰囲気を掴むことが大事じゃないかと考えた。メモを取っているとそっちに集中してしまい雰囲気がつかみにくい。
ただ会話が続かない、話している内容を記録したいという不安もあるだろう。そのために私がとっていた方法が、「ノートに黒字で先に聞きたい内容や自分が感じていることを書く」➡「会話をする」➡「終わったら印象に残ったことや覚えておきたいことを、最初に書いていたノートに赤字で書き足していく」この順番で行っていた。

頭の中でまずは自分の悩みや業界に関すること、ITなど話す人の属性に合わせて聞きたいことを書く。これで自分が話したい内容についての整理ができる。その後、それを基に質問や会話を行う。この時、必ず質問に対するレスポンスや反応を見せ、自分の理解を深めることが大事だと感じた。人は感情を結び付けると記憶の精度が上がり長期的に保存される。会話で社員の雰囲気を掴み、私がこの社員たちと仕事をしたいかどうかを見極めるにも有効な手だった。

また、会話後に気づいたことを赤字で書き加えていくことで、私が抱えていたギャップや気持ちの変化に気付くことができた。「本当はこういうことがやりたいのでは?」「この部分は私には合わないかもしれない」「この話はすごい共感できたからもっと聞いてみたい」と自分の感情や気持ちに寄り添いながら振り返ることで、内面と向き合うことができた。

この方法は、研究やそのほかの取り組みでもかなり役立っている。例えば研究で躓いたことがあればその考えを整理するために色々と書き出してみる。後日それを持って教授などに質問をし、得られた回答などを赤字で書き足していく。こうして自分の考えと照合し理解を深めていく。

これを繰り返し行い、約2か月の長期インターンを終えた。満足感がすごいし他に変えられない貴重な経験をさせていただいた。


Labbaseの本領発揮

この2か月の長期インターン中に、ついにあのサイトの本領発揮を感じた。それは第一志望として掲げていた大手広告会社からの長期インターンオファーをいただいたことである。正直これは嬉しい誤算だった。
元々申し込もうとしていた長期インターンのエントリーシートを書いていた時のことである。Labbaseにその企業のインターン情報が掲載されており、「気になる」ボタンを押していた。するとその2・3週間後にその企業から「オファー」をいただけることとなり、ES免除で長期インターンに参加することが決定した。

夏以降Labbaseを随時更新しており、ESでの手ごたえを反映しながら修正していた。ここまで大きな企業からオファーをいただけると思っておらず、作りこみを行って本当に良かったと感じている。ぜひLabbaseで自己PRや将来の構想を作りこんだほしいと思っている。
そして、2か月間の長期インターンの後はこのオファーをいただいた企業のインターンに参加した。


私は2社の長期インターンに参加したのだが、長期インターンにはメリットがいくつもあるし、逆にデメリットもあるなと感じた。メリットは「企業に一番近いところで、実際の業務の雰囲気が感じ取れるところ」「社員との関係が深まり、気軽に会話ができること」の2点だ。理由は言うまでもないがとにかくその企業の情報が増え判断材料が明確になる。逆にデメリットとして感じたのは「他企業との比較がしづらいこと」であると感じた。
長期インターンではその企業にどっぷり浸かっていた分、他の企業の情報収集がしづらくなった。なので競合他社との比較がしにくいなと感じた。

ただこれは社員との会話でカバーした。先ほどと同じように聞きたいことに「競合他社との違いについてどう考えているか」を記載し、それを座談会等で質問する。その内容について後で振り返る。このサイクルで不安を払拭することができた。


2024年初頭~就活情報解禁

早期選考落ちの経験

年が明け、いよいよ就活情報解禁まで残り3か月を切ったところ、12月に参加した大手広告のインターン経由の早期選考が開始した。また、この1月から徐々に3月選考のエントリーが開始する。他業界のエントリーをしつつ、この早期選考の対策を重点的に行っていた。

私が行ったのはOBOG訪問である。インターン参加したとはいえどオンラインで対面の時よりコンタクトが難しかった。今思えば期間中に積極的に会話を行えばよかったと振り返る。
OBOG訪問では、前章のインターン参加時に意識していたことで紹介した方法で情報収集を行った。また、最終面接は初の対面面接だったため、今まで以上に言語化するための対策を練った。

面接前日はなんと記録的豪雪の日だった。関西➡東京の移動で新幹線が止まらないか心配だったが前乗りで何とか耐えた。
当日の感触は、正直どっちに転ぶのかわからないというのが正直な感想だった。話していてなんか違和感を感じていた。「なんか自分話過ぎてない?」「なんかいまいち刺さってないんだろうな・・・」と面接官の反応を見たときに感じていた。結果、落ちた。

正直ちょっと焦った。私の中では最大限の準備をしていたはずが、100%出し切ったとは言えないような終わり方だった。初の対面ということもあり、ちょっとした緊張もあったのか、ちぐはぐな回答をしてしまったと感じた。

今から振り返ると、ここで落ちた原因として「他企業での選考について詳しく話過ぎた」「質問に対し端的に答えれなかった」の2つがあると考える。
1つ目の「他企業での選考について詳しく話過ぎた」ではそちらの方の志望度が高いとみられた可能性があると感じたからだ。「他企業ではインターンに行って、そこで自分の研究がマッチしていると感じたので・・・」と聞かれてもいない「インターンに参加した理由」まで話していた。それは2つ目の「質問に対し端的に答えれなかった」にも通ずるものがある。

コミュニケーションの悩みには「考えていることが言葉に出ない(話せれない)」「自分の意見が端的伝えれない(話過ぎてしまう)」の2種類あると思う。私は後者の悩みを持っていた。話すことは好きだが、端的に伝えることができず相手にうまく伝わらないことが多かった。
こういう時に、面接の練習を少しでもやっていればいいなと振り返る。面接は話したいことを話しまくるトークショーではないので、端的に自分の魅力を伝えることができるかどうかがカギとなる。そのためにも、「聞かれたことに対し端的に伝える練習」が大事だと感じた。

その練習法というか、意識することとして「その質問は5W1Hのうち何か」「回答は5W1Hに合わせた回答+補足情報1つ」を上げた。会話しているときに、相手が自分のことを語りまくっていて聞いてもないことを話していたら飽きてくるだろう。それと同じで、質問してくることを前提に端的に話す。そのために質問内容の把握をしっかりと行うのが大切だと考えている。


遂に就活情報解禁へ

3月になり、就活情報解禁となる。私はこの解禁までの1~2月で様々なこと行った。

まずはLabbase・TECH OFFERスカウトの確認である。ここで優良企業からのスカウトが来ていないか毎日確認した。ここで「ES免除」「1次面接免除」などの優遇がざらにある。こういう優遇を使い倒し、自分が気になった企業は積極的に選考に参加することをお勧めする。

次に企業研究である。正直もう少し早めにやっておくべきだと感じたが、この時期からでも難なくこなすことができた。その理由は、ChatGPTによる情報収集の効率化を行ったからだ。このノウハウについてはChatGPTのWebSearch機能やドキュメント認識機能を利用するため、有料版への課金が必須、またプロンプトには個人情報を盛り込むため本note有料版で解説を行っている。この企業研究で収集した情報をノートに記入し、自分の感じていることや考えていることとのマッチングを図った。


本当に自分とマッチした場所を探すためには?

結局、自分が「ここなら活躍できそう」「ここなら自分の強み活かせそう」と思えるところじゃないと面接の段階から気が入らない。エントリーシートも薄い内容で終わってしまう。だとすると、闇雲にエントリーする必要はなく普段の研究や生活などから自分がやってみたいことを探し、企業研究を通じてマッチするかどうかを探ることが一番重要ではないかと感じた。

実際、当初SIerやシンクタンクも志望業界に入れていたがこの業界は全て落ちている。適性検査の回答などいろいろ理由はあると思うが、こんなにもはっきりと分かれるのかと驚いた。本当に人事の型の適性を見分ける能力はすごいと、実際に働いている先輩からもよく耳にした。

自分自身がやりたいことが何かわからないという人もいるだろう。私自身学部時代や就活開始当初はそうだった。だからこそ、何もアピールできる材料がないままエントリーしたせいで夏インターンでは門前払いされたし、自分なんて・・・・と卑下してしまうことが多くあった。
ただ、私は有名な実業家である森岡毅氏の言葉を通じこの悩みを払拭した。それは「やりたいことを見つけるためには動詞の中にヒントがある」という言葉だ。

森岡氏が例に挙げていたのが、例えばサッカーが好きという人に対し、「サッカーでメンバーの動きや状況判断など戦術を考えることが好き」とサッカーの中でも「戦術を考えること」が好きという粒度まで自己分析ができれば、その中にやりたいことのヒントが見えてくると話していた。この場合だと、マーケティングや次の施策を打つために考えるための戦略コンサルなどが向いていると推測できる。
他にも、「人と話すことが好き」だと営業や接客業に向いてるし、「様々な材料を駆使し何かを創り上げることが好き」だと製造業やエンジニアに向いていると推測できる。このように、自分が日常的に行っていることや好きなものの中に「どんな動詞が含まれているか」に目を向けることで、本当にあなたがやりたいことが秘められているかもしれない。


面接での工夫

エントリーシートの通過後に待ち受けているのは面接である。ここがかなり鬼門で、1時間以内に自身が御社にとって価値ある人材であるということをアピールしなければいけない。

面接を重ねることで気が付いたことがある。研究内容などやったことを話すときに社会の課題と紐づけるとかなりウケがいいということだ。
そりゃそうだろう、と思うかもしれないが、案外気づいてなかった。
それは「社会の課題」というと難しく考えすぎてしまうからだ。

身の回りにある「これ欲しいな」とか「これもっとこうしたらいいのに」という部分を、自分の研究で解決するにはどうしたらいいか?という観点でガクチカや研究概要を話すことを心がけた。私の場合、「多様性」「パーソナライズ」というキーワードから、「消費者それぞれの趣味嗜好に合わせたプロダクトデザインをするには、自分は何ができるか?」という疑問を解決するために研究をしている、と自分の研究は身の回りの問題にアプローチするためであるとアピールした。
身の回りにあふれている問題であるため、共感が得られやすい。また、同じような疑問にアプローチしている企業を見つけることができれば、さらに共感が得られやすいと感じた。

この準備のために、ChatGPTでの企業研究やLabbaseでの記述に組み込む。
一度自分で言葉にすることで、解像度が上がった。

あとは、普段の会話のように相手が何を聞きたいのか、それを基に結論から話すという面接を心がけた。この準備として、ONECARRERなどのサイトに掲載されている面接の質問例について調査し、自分なりの回答を作って挑んだ。

メンター制度について

3月からはこれらのことを行い、面接・エントリー・研究の毎日を送っていた。10月・11月の対面インターン先の早期選考も開始しており、この企業だけは落としたらまずいと考え、当時の感覚や記録をもう一度まとめながら、選考の対策を行った。

早期選考の企業はメンターが付いているのが本当にありがたかった。今悩んでることや面接で答えにくいことを一緒に考えてくれるし、気軽に相談できるので心強かった。しかしインターン企業先で何か優秀であると判断した場合しかメンターが付かないという点においてすごい違和感を感じていた。あくまでも企業の社員なので、親身になってくれるとはいえその企業の宣伝にすぎないのである。しかも限られた学生しかこの制度を利用できないのは少し違和感だった。

そこで、理系大学院生ならではの悩みや、就活はどう進めればいいのかという不安を少しでも軽減でき、研究も遊びも就活も充実した学生生活をサポートする、メンター制度を展開する。

有料版記事では筆者である私を含めた理系大学院生が、そのようなメンターを行うサービスを体験できる概要を掲載している。有料版で詳しく説明しているが、完全匿名でアンケートに回答していただき、主にダイレクトメッセージ等でのテキストベースの相談会、ES添削など行う。現段階は個人情報管理などの観点から行っていないが、今後、オンラインでの相談会や定期的な面談を行うサービスへ拡充していく予定だ。もし興味があればぜひ覗いてみてほしい。


本選考開始~現在

憧れていた企業の落選・第一志望企業から遂に内定へ

無事対策通りに進み、対面インターンに参加した企業先からは最終面接の参加が認められた。また、他にも早期選考落ちした広告の本選考が開始、就活開始当初から憧れていた大手メーカーからも順調に選考が進み、最終面接に参加できることとなった。本当に企業研究や準備に時間を割いてよかったと思える。

ここで、初めての内定をいただいた。この企業の最終面接は意思確認のようなもので、最初から決まっているような面接だった。内定は初めてでかつこの企業のみだったので本当に実を結んでよかったと感じた。この企業から内定をもらった時点で、LabbaseやTECH OFFER経由などで選考に進み、最終面接を予定していた他の大手広告の子会社・大手通信などの選考を辞退した。

私はこのLabbaseやTECH OFFER経由で内定までたどり着けた企業はないが、心の保険としてこれらのサービスを利用し効率よく選考に進むことは大切だと感じた。このようにオファーをもらえることは自分を必要としている企業様がいると自己肯定感も上がるので、活用することに損はないなと感じた。

しかし当初憧れていた大手メーカーの結果は最終落ちだった(Labbase経由ではない)。ここでも最終面接はあまりマッチングを感じられなかった。会話をする中で「なんかこの人とは合わないな・・・」という違和感がずっとあった。いくら憧れの企業でも、この違和感を抱くまま仕事するのはどうか・・・と感じた。

正直諦めきれず、本気で準備したのに最終で落ちたので結構心に来た。内定が取れていたとはいえ、OB訪問などを通じ結構な解像度で望み、入社後の想像をして胸を膨らませていた。ここまでしていたが駄目だったか・・・と結構悔しかった。

いくら憧れていても、自分にはわからないところで空気感の違いは感じられる。憧れている場所が本当にマッチするのかは中に入らないとわからないし、一致する人なんてほんの一握りなんだろう。本当に就活は縁でしかなくて、マッチするかどうかを図るためのものだと改めて感じた。

就活終了

最後、早期選考で落とされた企業の本選考に参加し、その最終面接に臨んだ。正直なことを言うと、早期選考は部署確約だったため、内定であればそこに決めていた。しかしこの本選考は確約ではないため、もしこの企業から内定をもらっていても、迷った末現時点で内定をもらっている企業に入社するだろうなと薄々感じていた。

結果、最終面接で落ちた。若干そんな気がしていた。
私は縁やタイミングなど、何かに導かれていると感じた方向に行動するタイプなので、内定先の企業に導かれているとしか感じられなくなり、ちょっと気が緩んだ?状態で臨んでいた。
ただ、悔いはない。勉強してテストで良い点が取れれば入れるわけではなく、自分の実力でどうにかできるものではないし、こればかりは諦めるほかないなと感じた。言い訳に聞こえるかもだが、自分の精神を保つにはこう考えることしかできなかった。

そんなこんなで、1年に及ぶ就活が終了した。

まとめとこれから

ここまで読んでくれて本当にありがとうございます。
めちゃくちゃ長くて読みにくかったかもしれないですが、少しでもお役に立てていただけると幸いです。

めちゃくちゃ不安だった就活も、最終的には納得いく結果が出ました。
でもやっぱりもっと効率よく、第一志望をがっちり掴み取るために色々できたではないか・・・と感じることもあります。
そして、これから就職活動を控える方も、自分と同じかそれ以上の悩みを抱えることだと思います。就活中に抱いた不安や違和感を、どうにかして払拭して1ミリでいいから就活で悩める人の支えとなれば・・・と思いました。

そこで私たちはメンターサービスを行います。
概要については後の有料版にて詳しく掲載していますので、興味がある方はぜひ覗いてください。
また、有料版ではほかにも実際に提出したエントリーシートや実際に記入している就活ノートを公開しています。個人情報などの観点から有料版での公開としました。

就活は本当に精神がすり減りますし、気が気でなくなる日々が続きます。
ぶっちゃけ就活終了した時安堵や開放感から自然と涙が出ました。
それほど緊張感や縛られている感じがする、結構精神がすり減りました。人生に大きく関わる選択なので、こうなるのは当然なんだろな・・・。
でも選考が進むごとにダンジョンクリアしていく感じがしてゲーム感覚で進めてました。
就活で悩むことはあっても、人生に失望することないよう、この記事がちょっとでも支えになることを願ってます。

それでは、あなたの残りの学生ライフがかけがえのない時間になるよう願っています。

エントリーシート公開

このエントリーシート公開にあたり、以下のような流れで進めていきます。
掲載しているエントリーシートは実際に提出し、すべて選考通過通知を受けているものです。Labbaseなど就活サイトへの記載にも適用できると思いますので、参考していただけると幸いです。

  1. エントリーシート記述の際に気を付けたことの細かな説明

  2. 業界ごとのエントリーシート公開(ここから有料)

  3. Labbase記載内容公開

エントリーシート記述の際に気を付けたこと

  • 全体的な構成について

    • 伝えたいことは一貫する

      • AI系の話をしたいのなら経験談や研究内容にもAIを絡める=一貫性をもって書く

      • 伝えたいことを一貫させるには?➡自分がやってて楽しいこと(動詞)の中からヒントを得る

        • 私の例:データ分析が好き➡データや傾向を見てあれこれ考えを巡らせることが好き➡その考えたことから新しいアイデアや企画をすることが好き➡データやIT技術を駆使し新たな事業企画をしたい。

        • 企画をすることが好き➡研究室やサークルで積極的にイベント企画を行っていたというアピールも可

        • 志望動機にも一貫性が持てる

    • 相手が聞きたいことがくみ取れているかを意識して書く

      • 志望動機はなぜ聞くのか?➡マッチしているかどうか

      • ガクチカはなぜ聞くのか?➡人柄や考え方のプロセス・疑問点の解決プロセスを見ている。

    • 経験を伝えるときはどう感じたか・どう思ったのかという感情を伝える

      • ○○という経験を通し◇◇と思った➡こういう職業に就きたい

      • ○○を行い◇◇と感じた➡○○を行いこういう事業をしたいと考えた。

      • 感情を共有すると情景が思い浮かべやすくなる。そうすると相手にどんな感情や人間性なのか想像させやすくなり、読み手がこの人と会ってみたいと思わせる文章になる。

  • 参考(CREC法)

    1. C…conclusion【結論】【Conclusion】希望する理由:

    2. R…reason【根拠】【Reason】なぜそれがやりたいのか:

    3. E…example【事例】【Example①】自分の経験と希望理由を裏付ける思い(強み):

    4. 【Example②】貴社じゃないとダメな理由:

    5. C…conclusion【結論】【Conclusion】総じて,インターンを希望する理由:

  • インターンの応募動機と本選考の応募動機は違う

    • インターン:参加する理由・どういうことを身に着けたいか➡なんでそう思ったか➡経験➡自分がどういったことができるのか

    • 本選考:興味を示す➡自分の経験➡経験から得た知見と培った・発揮した強み➡やりたいこととどう繋げるか・会社の事業と自分の強みをどう繋げるか

  • 業界によって書き方を変える(後述)

    • 広告:会ってみたいと思わせるようなユニークさのある文章(決して,上記のことを全く守らないというわけではない.丁寧な文章は必要)

    • 銀行:論理が通り考え方がわかる丁寧な文章

    • メーカー:(特に研究概要を答える設問において)なぜその技術を使っているのか,どうしてそのような思考に至ったのかプロセスがはっきりしている文章

  • 研究概要を絡めた設問の場合

    • 研究の動機➡目的➡手法➡結果

    • 細かい技術的な話は面接で話せばよい

      • 概念的なことを書いて細かい技術を面接で話す

      • あまり望ましくない例:○○というモデルでパラメータチューニングを行って~➡ESを見るのは人事の型が多いため細かなモデルの話は伝わらない可能性がある。

      • 望ましい例:社会の○○という課題を解決するために、○○というデータを使って○○というシステムを開発した。その結果○○ということが分かった。この研究で○○という技術や○○をするという心構えを身に着け、貴社の○○という領域でも発揮できる。➡社会課題解決のための研究をしているアピールにもなり、想像がしやすい。また、自分の研究や培ってきた技術が御社とマッチしているというアピールも可能

      • これはガクチカを書く時にも同じように書ける。

【自分の強み×会社のやっていること(強み)】+【自分の目標×会社がやりたいこと】=ESに各要素➡ジョブ型採用につながる

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