国際恋愛は難しい?
国際恋愛をしている人も、していない人も、おそらくほとんどの人が『国際恋愛って難しい』と、思っているんじゃないでしょうか。
当然のことです。
私も、そう思ってました。
異なる文化背景を持った2人が、何かを共有するのが簡単なわけない、と思います。
しかもどちらか一方が母国語を話さないカップルであればなおさらシンプルにはいきません…
彼と同棲してからの1年弱、習慣や考え方の違いには驚きの連続です。
可愛らしくてホッコリする驚きの方が多いのですが、
時にはそれが元で軽くケンカになることも…
例えば。
まだ同棲してすぐの出来事です。
うちの家は、アパートなんですが、二階建てになっていて、キッチンやお風呂場以外は二階部分で生活します。
それから、玄関では靴を脱ぐようにしています。
玄関と言っても、日本のように部屋と土間の区切りなどなく、足拭きマットを置き、ドアの横にシューズラックを置いているだけのスペースなのですが。
ある時、2人で出かけようと、玄関で靴を履き終えた彼が、「あっわすれもの!」といい、土足のまま二階へ駆け上がって行きました。
私はすかさず、
「靴脱いでよ!!!!」
と、言ったのですが、
彼は一言、
「や、でも5秒くらいのことやん。」
と。
でも私はどうしても気になったので、
「次からはちゃんと脱ごうね。」
と、優しく伝えました。
しかし、
彼は彼で理解しにくい点があったようで…
「家の床を毎日ピカピカにワックスかけてるわけでもないし、(つまり、もともとそこまで綺麗じゃないんだからそんなに気を遣わなくてもいいんじゃない?と、言いたい)それに、土足でベッドに足をつけたわけではない。」
さらに、
「実家にいる頃から地元での一人暮らしなど、パリに来るまでの20数年間、家で靴を脱ぐタイプの家に住んだことは1回もないから、僕にとってはむしろ、靴を脱ぐ方が変な感じなんだ。日本で1度も靴を履いて家に上がったことがないpetitchatとは感覚が違うんだ。」
…と、言われてしまいました。
しかし、優しい彼はこう続けました。
「でも、家で靴を脱いでスリッパ履くのって、リラックス出来ていいなと思ってるから、家で『基本』靴を脱ぐっていうのは賛成だよ。でも、靴を履いたまま家の中を歩くことに関してそこまで罪悪感がないってことは分かって欲しかった。」
と。
ーーー
この時から、
相手の行動を単純に『変なの』と思うのではなく、
(思っても、いいと思います。)
『私にとって変な行動や習慣は、
相手にとっても同様に奇妙に見えている』
という風に考えるよう、意識するようにしています。
当然の考え方に思えるかもしれませんが、
自然にこう考えるのは簡単ではありませんでした。
なぜかというと、私にとってAという事柄が、20年以上当たり前であり、むしろAをしなければ親から注意を受ける、と子供の時に学んだような、身体に染み付いている事柄だった場合。(靴の例もそうです)
彼がAと逆のことをしているのを見たら「そうじゃないんだよ」と言いたくなるんです。
でも、
私の当たり前は私のもの、彼の当たり前はまた別にあるんですよね。
とはいえ、このように考えて、
何事も放置しておくのもまた、お互いにとってよくありません。
幸い彼は私のイメージ通りのフランス人らしい、『思ってることは勝手に我慢せずに、ちゃんと話し合いをしたい』タイプなので、
何か気づきがあったら必ず伝えるようにしています。彼も言ってくれます。
もちろん、熱く議論することもあります。
(よく、あります。)
ですが、『彼はどうしてこうしたんだろう?』『私の行動はどのように彼に映っていたんだろう?』と考えることを忘れないようにしていれば、
議論の先にはいつも、
『またお互いに少しずつ歩み寄れたのかな』
という気持ちが生まれます。
生まれているように感じます。
3月からフランスでは外出規制があり、
その後6月半ばまで約3ヶ月間、私たちは仕事がありませんでした。
仕事柄普段に一緒にいられる時間がほとんど無かったので、初めてみっちりと彼との時間を過ごしました。
3ヶ月本当にいろんなことを話し合いましたが、胸を張って今は自粛前よりもお互いを理解して、距離がより近づいていると言えます。
ありがとう。
ーーー
フランスで暮らしていると、
日本人が同僚のフランス人のことを
「あの人、非常識なんだよね。」
というのを耳にすることがあります。
わりと、よく聞きます。
でも、相手にしてみれば、こっちが外国人『étranger(外国人、または、変だという意味)』なのです。
考え方を少し変えるだけで気持ちが楽になるし、相手の行動からなにか学びがあるんじゃないでしょうか。
そう考えていくと、
日本人同士のお付き合いでも出身地や育ちの違いで意見の食い違いがあるように、
国際恋愛だから特別に難しいというわけでもないんじゃないでしょうか。
もちろん、
国際恋愛特有の問題が沢山あるのは否定できません。
個性的で、私にたくさんの驚きと気づきをくれる彼に、日々感謝です。
これからも面白いビックリ、待ってるよ!笑
フランスのいいところ、日本のいいところ、
その両方を取り入れた素敵な同棲生活にしていきたいな。