【エッセイ】詩生活5年目 佐山由紀// (旧筆名:八尋由紀)
現代詩というものを初めて知ったのは2018.7月号の公募ガイドという雑誌だった。それまで小説サイトやブログなどで文章を書いていて、何か公的な場所に応募したいと思ったのがきっかけである。たまたま購入した公募ガイドの特集が「詩を書こう」という企画で、最果タヒさんや他の詩人さんが現代詩について語っていた。故に初めて読んだ詩集は最果タヒさんの「グッドモーニング」である。これまで私が書いてきた文章という概念がひっくり返され、だいぶ衝撃を受けた。とても惹かれて吸い込まれるように現代詩の世界に身を置くこととなる。
余談になるが詩集は大型書店に行かないと売られていないが「グッドモーニング」は最寄駅近くの書店に売っていた。彼女は現代詩を知る人と現代詩を知らない人を繋ぐ風穴的存在だと私は思っている。あの時あの書店で間違いなく詩集「グッドモーニング」は私に「ようこそ!現代詩の世界へ!」と語りかけてきたのだから。
それから見様見真似で詩を書くようになり、2019年より現代詩手帖に投稿を始め、そして松下育男さんの詩の教室に通い始めるようになった。今思うと自身の性格上とても意外な行動力だった。それだけ詩を書く事に対する想いが想像以上に強くなっていたのだの思う。
これまでの詩生活を振り返ると、各詩誌の投稿欄で入選佳作を頂いたり、その他ぽつぽつと詩が掲載されたり名前だけ載ったり。私の詩が届いたと確信できるのが投稿の喜びであるが、同時に落選すれば自己否定し詩が書けない日々もあった。継続的に選ばれることの難しさを実感し「才能」という言葉に悩まされることもあった。ともあれ選んで下さった選者の詩人さんは10名もいらっしゃる。感謝の気持ちと共に心の中にお名前がしっかりと刻まれている。
さて2023年になり詩生活も5年目に突入。もう5年目なのかまだ5年目なのか。まだまだ勉強不足の新参者ではあるが「詩誌LaVague」という詩人としての居場所ができた事は大きな喜びである。細々と投稿をしながら何にも振り回されることなく私の詩を書こうと誓いつつ精進の日々は続く。
※佐山由紀// (旧筆名:八尋由紀)さんが詩「愛についての考察」を寄稿された詩誌La Vagueはこちらより購入できます。
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