【来週刊行】La Vague Vol.2 巻頭言「~問いを生きる~」 雪柳あうこ
本エッセイは、まもなく発刊予定の詩誌La Vague Vol.2の巻頭言です。
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例えば眠りから覚めるとき、何かに取り残されたような気持ちになる。その漠然とした不安を埋めるように目を開けて、己につながるものや意味をほとんど無意識にさがそうとする。眠りから覚める、すなわち、次へ向かうタイミング。どこへ向かっているのか、何を模索していたのか。わたしたちは時に足場を確かめながら、あるいは夢の続きを思い出す様に、問いを生きる。こたえをさがすように、詩を読み、詩を書き、詩誌を編んでいる。
女性詩人たちにより創刊した詩誌La Vagueは、準備号(Vol.0)、創刊号(Vol.1)と段階を踏み、今号(Vol.2)へと到達した。これからを模索するわたしたちは、今回のテーマ作品を「さがす」として、テーマ作品を持ち寄った。過去を現在を未来を、夢を現実を、手元あるいはこの世の果てを指す羅針盤のようなことばたちをご堪能いただけたらと思う。
Vol.2では、詩のゲストに文月悠光氏を迎えた。現代詩の最先端を自ら切り開く詩人のことばの中には、わたしたちが生きて在ることそのものに通じる静かな問いとこたえを見出すことができるだろう。また、もう一人のゲストである詩人の青木由弥子氏からは、詩を読み、詩を書くということへの問いとこたえ、そしてあたたかなエールを寄せていただいている。
波は寄せて返し、形を変えていくものだ。わたしたちは今号で「寄せて返す波」という新たな試みを設けた。SNSを通じて前号のテーマ作品(うまれる)に返詩を募集し、寄せられた詩を今号に掲載した。これもまた、模索を続けるわたしたちの発信への「応え(こたえ)」だ。それらをまた引き受け、わたしたちは変わり続けていきたい。
次の波のかたちを、手探りするように。
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詩誌La Vague Vol.2 まもなくamazon他より発刊予定です。
noteでもPDFデータ(電子版)を販売予定です。
どうぞお楽しみに!
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