寄稿詩人の紹介① ~雪柳あうこ~
こんにちは。
ここからは日曜日と水曜日に、詩誌ラ・ヴァーグに詩を寄稿している詩人を、お一人ずつ、一問一答形式(10の質問)でご紹介していきます。
今回は、雪柳あうこさんです。
それでは、雪柳さんへの10の質問をどうぞ。
* * *
1)あなたはどうして「詩」を書いているのですか?
わたしは長く小説を書いてきたのですが、小説を書けば書くほど、小説だとうまく表現できないものがあると感じるようになりました。もともと、詩のようなメモを書いてはいたのですが、結婚・出産・転職といった自身の人生における経験が増えるにつれて、小説よりももっと自由なことばを探したいと思うようになり、少しずつ詩を記すようになりました。
2)「詩」とあなたに関する印象的なエピソードを1つ、教えてください。
中高生の頃のことです。休み時間に友人が机の上に立ち、当時大好きだった吉原幸子さんの詩を朗読していたことがあります。当時わたしはまだ詩を書いていませんでしたが、詩というものは人を確かに動かすのだ、と強く記憶に刻まれた出来事でした。
3)詩を普段読まない人に、詩集をお勧めするとしたら?
・峯澤典子さん『微熱期』(思潮社)
繊細な、心の奥のひだのさらに奥の回路まで照らすような言葉たちです。テレビドラマ「silent」にも登場していました。
・草野理恵子さん『有毒植物図鑑』(しろねこ社)
毒を持つ植物たちを描く、毒を孕むことばたち。癖になる有毒性です。挿絵もとても素敵です。
また、詩集ではありませんが、松下育男さんの『これから詩を読み書く人のための詩の教室』(思潮社)はとてもおすすめです。詩の「書き方」だけでなく、「読み方」について多くを教えてくれます。
4)詩集以外でのあなたの愛読書は? 好きな理由も教えてください。
川上弘美さんの小説が大好きです。静かな中にも的確でやわらかな心理描写があり、一作読み終わるごとに必ず、ことばにできるもの・できないものを含めて何かを受け取ったと感じます。
5)最も好きなことば・座右の銘は?
・冬来たりなば春遠からじ
・艱難汝を玉にす
などでしょうか。詩のフレーズとして好きなものもあるのですが、とりあえず座右の銘として。
6)子どもの頃、何になりたかったですか?
音楽が大好きだったので、ピアノの先生になりたかったです。
7)最近のマイブームは?
アロマ加湿器を買ったので、好みのエッセンシャルオイルを探しております。最近のマイブームは「いよかん」の香りです。あまり鋭くないマイルドな柑橘系。
8)ご自身の代表作・自信作の詩を1つ読ませてください!(リンクも可)
以下をぜひご覧ください。たった10行の短い詩です。
9)本誌でどんな詩を書きたいですか?
また、これから本詩誌をどんな詩誌にしていきたいですか?
今までに発表できなかった詩も、自分たちの手で作るこの場でなら、書き出せるような気がします。己の根源を辿るような、己の中の未知の扉を開くような詩を書きたいと思っています。うねる感情はうねるままに辿っていけたらと。
そして。詩誌を立ち上げるにあたり、個性的で魅力的で、何よりもこの時代において信頼できる確かな書き手たちが集まってくれました。メンバーの足し算ではなく、掛け算となるような、大きな反応を生み出せるような詩誌にしていきたいと思っています。
10)そのほか、ご自由にどうぞ!
本詩誌を主宰することとなりました。戦々恐々ではありますが、詩でしか表現しえないもの、詩だからこそ遠くまで届くものを送り出していけたらと願っています。わたしたちが生きることを楽しくするような詩誌を作れるよう励みます。どうぞよろしくお願いいたします。
わたしがどんな書き手か、インタビューをしてもらったことがあります。よければご覧ください。
また、以下はもう少し詳しい自己紹介・作品紹介などのリンクです。よろしければお時間ある時にでもお読みください。
* * *
以上、いかがでしたでしょうか。
この先も、詩誌に寄稿する詩人をお一人ずつ紹介していきます。どうぞお楽しみにお待ちください!