散文詩
痛みのおかげで言葉を探す冒険ができた。
澄んだ言葉があった
私の中のドロドロと溶けて腐ったものが
しくしくと光った
今まで気づかぬふりして
奥底に押し込めた言葉
溶けて腐ってそれでもそこから消えることなく
どろりと私の柔らかな心を覆い
弱くてまっすぐな心を
たくさんの棘から守ってくれていた
淀んだ水面から見える景色は優しかった
ドロンとした水中を貫くものは少なかった
美しく優しいものも、
ずっとずっと遠くて、
私には届かない
ドロドロに腐った言葉が私の心を覆い尽くしているせいだ
ずっと世界は透明なドロドロの向こう側で、
私はここにいるのに
そこにいなかった
寂しいな
寂しい、な
腐ってしまう前の言葉は
優しくて残酷で苦しくて悲しくてまっすぐで輝いて楽しくて嬉しくて辛くて
でも生きていた
いつから、死のうとしてしまったの?
いつから、生き生きするのをやめてしまったの?いつから、ただの文字を吐き出すモノになってしまったの?
今からでも、生きた言葉を取り戻せますか?
かみさま
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