ののこ日和〜不思議な体験〜

昨夜、読んでいる小説の上巻を読み終え、「中巻に続く」という一文を見てひっくり返った。
上巻・下巻の2巻で完結するものだと勝手に思っていたので、中巻があるだなんて全く考えてもいなかった。
一応、押し入れを開けて探すもやっぱりない。
それもそのはずで、私は東京から大阪に来る際にCDやら本やらをほとんど処分していた。

いつかカズレーザーが「本は読んだら捨て、また読みたくなったら買うようにしているんです。」と言っており、それを見た私はなんかカッコいい!と思い、自分を貫くカズレーザーに流されたダサい私は完読済みの本をすべて捨てた。皮肉だ。
なので買った覚えのない、というか存在すら知らなかった中巻があるわけもなく、きになる展開ではあったが一旦この本を終了し、さくらももこのエッセイを挟むように読んでいる。
そして、エッセイを読んでたら、子どもの頃の夢だったのか現実だったのか曖昧な不思議な体験を思い出したので、いつかポカンと忘れてしまわないうちに書き留めておこうと思った。


私の中での1番最初の不思議な体験は、ものごころがついたのかどうだかわからない幼稚園の年中さんぐらいの頃、家から幼稚園に向かう途中の送迎バスの中だった。
バスの中で隣に座ったたくみくん(当時好きだった記憶がある。好きな男の子は5人ぐらい居たけど)が「今日もおひさまは眩しいね」なんてキザなことを言ってきたので、私は5歳にしてウットリしていた。
しかし、いきなり太陽の裏に隠れていたのかたくさんの雲が右から左から出てきて(当時はそのように見えていた)空が曇りだした。
バスは少し広い灰色のコンクリートが印象的な謎の場所に停車し、そこではお母さんとその息子であろう私と同い年ぐらいの男の子がバスを待っていた。

その親子のことがずっと忘れられないのだ。
その親子は、なぜか髪の毛から靴のつま先まで、納豆と、白いねばねばした(納豆のせい?)ティッシュのようなものを付けていた。全身、ほんとに全身、びっしりと。
私は隣のたくみくんのことを忘れて、その男の子をずっと見ていた。
どうして全身に納豆とティッシュをつけているのかが気になったし、だれもそのことには触れなかった。私は男の子にわけを聞いたような気もするし、聞いていないような気もする。
ただ、あの一瞬の出来事がいつまで経っても忘れられない。
その日私は、幼稚園でおしっこを漏らした。

次の不思議な体験は、小学生低学年ぐらいの頃だったと思う。
私の地元には厚木基地という米軍基地があり、自衛隊と、その家族が住む「官舎」という団地や、遊具が全然ないものすごい広い「官舎公園」と呼ばれる公園があった。

私は当時、官舎のすぐそばのマンションに住んでいて、毎日放課後は官舎公園で人の家の木になっている枇杷を採って食べたり、高いところから飛び降りる練習をして口の中を切って大怪我をしたり、一輪車を練習したりして遊んでいた。

官舎公園に行けば誰かしら子どもがいるので、学年関係なく友達になって遊ぶことができた。
いつものように一輪車を漕いだりして遊んでいると、年下の男の子の友達と、そのお母さんがやってきた。
そのお母さんとは何度か公園で会っていたので私は2人に挨拶をし、一緒に遊ばせてもらった。
そのお母さんは旦那さんが自衛隊員なのでこの官舎に住んでいて、アンジェラ・アキにすごく似ていた。

夕方のチャイムが鳴って、そろそろ帰らないと、と私が言い出した頃、アンジェラ・アキが「ののちゃん、ちょっと見てて」といい、そこらへんを歩いているアリを食べた。
アリのために地面を見ていた私は顔を上げて「えっ」と言ってアンジェラ・アキの顔を見た。
「アリって酸っぱいんだよ。」アンジェラ・アキは笑っていた。
怖くなった私は「今度食べてみます!おじゃる丸見たいからおうち帰る!さようなら!」と言い走って帰った。

私はその後もアリを食べなかったが、大人になってからふとこの時の記憶が蘇り「アリ どんな味」で検索をした。すると、アリがお尻から出している液が酸性らしく、実際アリを食べると酸っぱい、ということが書かれていた。
小学生低学年の私がアリは酸っぱいという知識なんてあるはずもないので、ゾッとした。
アリを食べていたアンジェラ・アキも、その息子も、元気でやっていてほしい。もう会うことはないと思うけれども。


最後の不思議な体験は小学5年生の頃。この出来事に関しては、本当に夢だったのかもしれない。UFOを間近で見たのだ。
学校から帰り、マンションの5階の廊下を歩いている時、ふと右を向くと私の目線の高さに、白と赤の大きな船のようなものが浮いていた。

つまり、マンションの5階の高さほどのところに、船が浮いていたのだ。それも、海の上を走る船ではなく、深海を走るようなやつ。
私が驚き前を向き直し、もう一度右を見るとその船は無くなっていたが、あれはUFOなのだろうか…?そして、現実だったのだろうか。
結局それ以来あの船を見ていないし、夢の可能性もあるけれど、私はあの時の船がどうしても忘れられない。もはや夢であってほしいとさえ思っている。

この三つが子どもの頃の不思議な、忘れられない体験なのだけど、書いたところで何にも解決しないし謎は謎のままだった。有益情報お持ちの方、連絡お待ちしております。

そんなこんな書いているうちに福岡空港に着いたので、今回はこのへんで。
ちゃんと定期的に更新していこうと思うのでよろしくね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?