もちべと行く福岡の旅
有給消化この辺りだと助かるんだけど…と上司が提示してきた日程が、福岡市博物館で「圧切長谷部」を見られるタイミングとばっちり合うぞ!と気づき、有給消化最強旅行に行ってきました。誰かと会う予定のない場所に行くという意味では人生初の一人旅です。
見知らぬ土地をひとりで歩く心許なさに誰かと一緒に行きたいな……と思っていたのですが、いるじゃないか、ぬいぐるみが。
紹介します。もちもちマスコットのへし切長谷部です。私は彼をもちべと呼んでいます。
旅の目的の「圧切長谷部(へしきりはせべ)」は、かの織田信長から軍師官兵衛で有名な黒田孝高に下賜された、国宝に指定されている刀です。
もちべは「刀剣乱舞ONLINE」というゲームで付喪神として顕現しているへし切長谷部のぬいぐるみ。
ぬいぐるみのお迎えには責任が伴うと考えているので「可愛いなぁ……」と思いつつ見るだけの日々だったんですが、博多に行くなら彼と行きたい!と思い去年の秋頃お迎えしました。旅行までに信頼関係を築けて良かったです。
いざ、博多へ
駅、でかい。
普段は「大きい」を使うように心がけているのですが、「でかい」の方が博多駅を表現するのに合う気がします。とにかくでかい。博多駅はB1Fから10Fに加えて屋上にも何かあるし、そんな建物がある横にもドでかい商業施設。それを利用しても溢れる人。平日でこれ……?
地下出口が無限にあるので「駅からホテルに無事に辿り着けるのか?」という不安はありましたが、博多駅は見やすい表示が多くて助かりました。
福岡市博物館へ
いいバスの時間が無かったので地下鉄に揺られて博物館へ。西新駅から少し歩きますが、整備された道で歩きやすかったです。
なんて、なんて美しい場所。
この景色からもうクライマックスでした。正面にはきちんと「福岡市博物館」と書いてあるプレートがあるようなのですが、脇道から入ってしまったようで通り過ぎてしまったみたい。不覚…!
お散歩に来たわんちゃんたちも見れてすごく幸せでした。空気が美味しいし広いから、お散歩にはぴったりでしょうね。
そうして念願叶って会えた圧切長谷部は、猛烈にかっこいい……!!たまりません。そして思っていたよりもずっと優しい印象を受けました。
「圧切」というお名前は『織田信長が膳棚の下に隠れた茶坊主をその棚ごと圧し切ったことから(※1)』ついているので、それはもう恐ろしい切れ味で、それに見合った雰囲気を持った刀だと思っていました。実際そのはずなんですが、飛び焼がふわふわとしていて私にはそれがお花みたいに見えまして……不思議だなぁ……。
福岡市博さんがビューポイントを用意してくださっていたので、刀の鑑賞に詳しくない私でも「ほほ〜!」となってありがたかったです。
長谷部のお隣には天下三名槍に数えられる「日本号」が展示されていました。
元は皇室の所有物で、槍でありながら上級貴族の位をお持ちの槍です。すごく大きいのに全てが美しくて「すごい…派手なのにとっても上品…」と魅入っていたら写真を!全然!撮っていない!!!やってしまった〜〜!!!!鞘も柄も螺鈿できらきらですっごく素敵でした。なぜそれを…写真に残しておらぬのか……。
常設展の方では国宝 金印「漢委奴国王」や福岡の辿ってきた歴史をしっかりと見ることが出来ました。個人的に嬉しかったのは火縄銃を持てたこと!こちらも写真を撮りそびれてしまったんですが、想像よりまあ重いこと重いこと。私が兵士だったら持てただけで褒めてほしいレベルでした。面白かった〜。
他にも見どころが沢山ありどちらも大満足な内容でしたが、なんと企画展と常設展セットで200円で見れてしまいました……なんだその価格設定は……。JAFに入っていると値引きがあって、正確には150円の支払いでした。信じられないよ。ちょっと歴史に興味出てきたかもな〜という人の博物館入門にうってつけすぎる。福岡市民でまだこちらを訪れたことのない人には、是非足を運んで頂きたい……!地元愛が深まること間違いなし。
ごはんを食べよう
「福岡市博物館に行く」という実績を解除したところで、目標の「ラーメンかもつ鍋を食べる」も達成したかったんですが、博物館に満足したせいか全然空腹にならず。もうホテル近くのコンビニでいっか〜と駅から離れようとしていたら、黒田節の像を見つけました。
黒田節は福島正則のもとにあった日本号を黒田家の家臣である母里太兵衛が呑み取ったことが元になったそうな。福島正則がこの沢山の酒を呑み干せたら褒美をやるぞと絡んだら、母里太兵衛がそれをクリアしちゃって、ほな日本号くださいよという流れらしいです。
福島正則にとっても日本号はたいそうなお宝のはずだし、武士に二言は無さすぎる逸話で面白いな〜。
流れでもう少しふらつこ〜と歩いていたら、博多マルイの中になんだか人がいっぱいのスーパーを発見。お腹空いてなかったはずなのにお弁当と絶対美味しいプリンを買いました。箸をゲットしそびれたので途中コンビニに寄りもつも入手。ホテルでごはんだよ!
食事は一人でも出来ますが、「美味しいね!」と仲のいい人と食べたほうが美味しくなる気がします。そこでもちべの出番です。いやずっと出てはいるんですが…
ぬいぐるみとの旅の一番のメリットは、さみしくないことだなぁとしみじみしました。
ぬいぐるみと暮らす方はわかってくれるかと思うんですが、表情が違って見えることがありませんか?彼らに表情筋は無いけど「嬉しそうだなあ」とか「眠そうだなあ」とか、感じ取る何かがあるような。ごはんを食べるときはもちべも嬉しそうだし、「美味しいですね、主」と言ってくれているような気もして。共感してくれる相手は人間に限らないんですね。さみしくない!
明日からも楽しみだね
1日を振り返ると、出来なかったことはあるにしても大満足な日でした。(本当は福岡タワーに行ったりポケセンで豪遊したりしたかったんですが、陰キャオタクの体力が限界を告げていました。)
何より負の感情が全然沸かなかった気がします。だってかばんを覗くとにこにこのもちべがいるんだもの。目が合っただけで気持ちがふわ〜っとなります。
晴れやかな気持ちで1日を過ごし終えることが最近無かったので、何もかももちべのおかげかも?
楽しい旅行だった。一緒に来てくれてありがとう、もちべ。また福岡来ようね。約束。
おまけ
もちべと一緒に近侍のブロマイドも持ってきていました。安心感がすごい。君にもありがとう。
※1 刀剣乱舞ONLINEのへし切長谷部の説明文より引用。