行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky. レポート 2023.4.17-23
経堂アトリエ主催
2023年4月17日~23日に開催された
オガワジョージ × Roy Taroコラボ展示企画
「行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky」レポートになります。
【あらすじ】
日時:2023年4月17日(月)~4月23日(日)
場所:経堂アトリエ
内容:「行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky」
展示、パフォーマンス、哲学対話
「共鳴するもの」展示
料金:展示 入場無料
パフォーマンス 1,000円
哲学対話 1,000円
定員:7名
主催:経堂アトリエ
協力:一般社団法人哲学のテーブル、創作広場「けい」、
演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』、田 野
企画・制作:オガワジョージ、Roy Taro
【DM】
【スタッフ、協力】
宣伝美術、空間デザイン:Roy Taro
パフォーマンス撮影:Christian Brauneck (iru.yo)
哲学対話進行:長谷川 祐輔(一般社団法人哲学のテーブル)
展示撮影協力:田 野
以下、イベントについてまとめていきます。
コラボ開始 制作打合せ
Roy Taroさん(以下、タローさん)とのコラボは2回目です。
1回目は2022年2月。
Kyodo20_30「ここから展」成果発表会でのライブボディーペインティング「共鳴するもの」でした。
「共鳴するもの」を終えて、お互いに今後もコラボを続けていきたいという気持ちがありました。
1年後の2023年春、同じく経堂アトリエさんでの開催を見据えます。
2022年9月7日に1回目の打合せ。
経堂について、自身の活動についてなど、そのときに考えていたことをお互いに共有しました。「共鳴するもの」では言葉は交わさないまま、
絵の具を塗る⇔身体を動かすことで直接かかわりあいました。
今度のパフォーマンスでは”間接的にかかわること”を目指し、ざっくりとした展示・パフォーマンスの形を想像します。
後の創作テーマにつながる「振り返り」「原点回帰」の言葉が出てきました。
2022年11月22日に2回目の打合せ。
哲学のテーブルの長谷川さんも交えた3人で企画を考えました。
「振り返り」「原点回帰」という言葉と経堂の場所性をふまえて、
経堂との1年間の「記憶」を振り返ってみること、
自分の原点を振り返ってみることにしました。
オガワの原点を”手紙”、タローさんの原点を”海”として、
展示・パフォーマンスの形を決めていきます。
企画制作面(予算、開催期間、衣装などなど)も話し合いました。
2023年1月にタイトル、コンセプト、概要文を確定。
「行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky」のそれぞれの展示・パフォーマンスの制作に入りつつ、タローさん主導で展示用の映像作品も制作することになりました。
制作期間
2月に入ります。
対面での打合せがあまり行えず、文面でのやり取りやオンラインでお互いの展示・パフォーマンス制作のイメージをすり合わせていきました。
オガワは”手紙”のパフォーマンスについてタローさんにかなり相談させてもらいました。
企画制作の具体的なところ(当日のスケジュール感や設営・運営など)もある程度かたまっていきます。その間にタローさんがDMを作成・入稿してくださいました。
3月に入り、予約フォームが完成。情報解禁。
3月19日に映像作品の撮影を行いました。
経堂から茅ヶ崎の海へと場所を移しながら、”手紙”と”海”の映像を撮影。
4月に入り、それぞれの制作も終了。
「行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky」が始まります。
常設展開始
前日16日(日)に設営を行い、17日(月)から常設展が開始。
17日はパフォーマンスのリハーサルも行いました。
経堂アトリエの庭先から入ります。
手前のカフェスペースに展示「共鳴するもの」、
奥のギャラリースペースに展示「行きかう記憶」を設けました。
2022年~2023年の過程やつながりを示しながら、それぞれの今までを振り返るような常設展を目指しました。
オガワのお知り合い、タローさんのお知り合い、経堂アトリエさんのつながりで多くの方々にお越しいただきました。
タローさんのブース
ギャラリースペースに入ると、奥に大きなキャンバスが立てかけられています。その周りにはタローさんの絵や制作道具が置かれています。
絵の右側には、タローさんの制作物やドローイング帳が展示されています。
部屋中央には短い映像作品を流しています。
オガワのブース
ギャラリースペースの手前側がオガワのブースになっています。
数年間分の創作ノートとスケジュール帳、言葉を集めている語彙帳が展示してあります。
2022年に経堂で開催した展示会「人間賛歌」についての展示です。
制作期間中の日記やつぶやきをまとめたテキスト、フィールドワークで撮影した経堂とその周辺の街の写真です。
パフォーマンス
1週間の展示期間のうち、約45分のパフォーマンスを2回行いました。
パフォーマンス中はタローさんが撮影・編集した海の映像を流していました。タローさんは絵を描き、オガワは自作のテキストを電話で話しているようにパフォーマンスしました。
以下はリハーサルでの写真です。
それぞれのパフォーマンスを終えて完成した絵は、どれも違うものでした。
オガワの発した声やお客様を含む空間が、タローさんの絵を常に変えたように思います。
それと同時に、タローさんの絵から、オガワやお客様に響くものがありました。
直接やり取りはしていないけど、同じ空間内にいることで「間接的にかかわり合う」時間があったのではないかと思います。
オガワが用いたテキストを全文公開しています。
より具体的にパフォーマンスについて記載しているので、ご興味ありましたら覗いてみてください。
哲学対話
パフォーマンスを終えたあと、長谷川さん主導で哲学対話を行いました。
哲学対話とは集まった人たちで一つのテーマ、作品、本などを共有して対話をすることです。
オガワとタローさんも輪のなかに入って参加しました。
タローさんの絵を参考にしながら感想を話します。
そのあと参加者同士で互いに質問をかわしたりなど、パフォーマンスを通して感じたこと・考えたことが語られていました。
参加者はアーティストやクリエイターだけでなく、一般職の方々もいました。「表現・芸術になじみがない」と仰っていた方でも、積極的に対話に参加して、思い思いに話したり聞いてくださっていたことがとても嬉しかったです。
長谷川さんの視点からまとめた記事があります。
一人ひとりが語っていたこともいくつか載っていますので、どんな対話が行われたのかご興味ありましたら覗いてみてください。
まとめ
「共鳴するもの」に続き「行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky」も、
自分一人だけでは決してできない創作でした。
創作広場「けい」では色んな分野のクリエイター、表現になじみのある人/ない人が表現を楽しめる場を目指しています。
今回も俳優×画家×哲学者と別々の分野のものが組み合わさり、
お客様も多様な方々にお越しいただきました。
同じ空間内で45分のパフォーマンスを経て、1時間弱の哲学対話を経て、
ずいぶんと関係性や空間が色濃く変化した気がします。
経堂アトリエの落ち着いた空間で、タローさんの絵を介しながら対話が進んでいく時間がとてもとても好きでした。
ご協力いただきながら、目指す場に着々と近づいている感触があります。
ご来場くださった皆さま、ご協力いただいた関係者の方々、気にかけてくださった方々、何よりタローさん、本当にありがとうございました!!
リンク集
場所:経堂アトリエ
宣伝美術、空間デザイン:Roy Taro
パフォーマンス撮影:Christian Brauneck (iru.yo)
哲学対話進行:長谷川 祐輔(一般社団法人哲学のテーブル)
展示撮影協力:田 野