すけろく

日々思ったことを理系院生→社会人の目線で書いていきます。サイエンス、社会、音楽、映画などなど。

すけろく

日々思ったことを理系院生→社会人の目線で書いていきます。サイエンス、社会、音楽、映画などなど。

マガジン

  • 日本の音楽教育再考と新たな仕組みの必要性

    日本における音楽教育についての課題と、豊かな音楽文化の形成のためにどのような仕組みが必要かを考察していきます。

  • 日々思ったこと

最近の記事

LLMの「優秀さ」について考えてみる

こんにちは、すけろくです。 LLMがなぜここまで期待されつつも、社会実装が当初の盛り上がりほどの進展を見せていないかもしれないという疑問について考えてみました。 言うまでもなく、2020年以降の世界において、大規模言語モデル(LLM)の登場は革命的な出来事でした。OpenAIのGPTやAnthropicのClaude、GoogleのGeminiをはじめとするLLMは、人間のような自然な対話能力と幅広い知識をし、多くの人々に認知されています。しかし、登場初期のLLMへの熱狂が

    • 【音楽教育#1】日本の音楽教育再考

      こんにちは、すけろくです。 今日から、何回かに分けて「音楽教育」について語るシリーズを始めたいと思います。具体的には、日本における音楽教育についての課題と、豊かな音楽文化の形成のためにどのような仕組みが必要かを考察していく、という内容で書いていく予定です。 これまで専門的な音楽教育を受けてこなかった(幼少期にピアノを習い、大学で音楽系のサークルに入っていたくらい)私がなぜこのようなテーマで記事を書くかというと、このシリーズで私が提案する考え方にどれほど賛同する方がいらっし

      • もしSteve JobsがApple Vision Proを発表したら?

        こんにちは、すけろくです。 先日、Appleから革新的な空間コンピューティングデバイス、Apple Vision Proが発表されました。ここ数年のAppleの発表の中でもかなり攻めた、野心的な製品になっていると感じます。 もしJobsが生きていて、この製品の発表をしたら、どのようなものになっていたでしょうか? 今回は、2007年にSteve Jobsが行った有名なiPhoneの製品発表プレゼンをもとに、Vision Proの発表スピーチ原稿を作成してみました。 スピーチ

        • "Workcation"なるものについて調べてみた

          "Workcation"という言葉について、皆さんは耳馴染みがありますか? 正直、私にはあまり馴染みがない言葉でした。 そんな私がなぜこの記事を書こうと思ったかというと、以下のnoteをたまたま読ませていただき、"Workcation"なるものが一部の企業でも取り入れられているらしい、ということを知ったからでした。 仕事を意味する"Work"と休暇を意味する"Vacation"を組み合わせて作られた造語らしい、ということはなんとなく知ってはいましたが、ある意味対極にあるこれ

        マガジン

        • 日本の音楽教育再考と新たな仕組みの必要性
          1本
        • 日々思ったこと
          7本

        記事

          人間にしか出来ない仕事って?

          最近、AIにホワイトカラーの仕事が取って代わられるとか、人類の仕事の7割は奪われるとか、そういう話題で溢れています。 確かにこの議論は、自分の人生を左右する重大なもののように感じます。 でも、本当にそうでしょうか?AIという理解を超えた存在に、萎縮しながら生きる人生でいいでしょうか? この問いに対する私の回答は、"No"です。 今回、そんな心配が必要ないことを明らかにするために、あえてこの議論をしてみたいと思います。 AIと仕事本題に入りましょう。 近年のAIの発展によ

          人間にしか出来ない仕事って?

          ChatGPTで新しいジャンルのファッション店を考えてみた

          こんにちは、すけろくです。みなさんは日頃からChatGPTを活用していますか? 本記事では、ChatGPTを用いて、新しいアイデアを具体化する方法を紹介します。 プロンプト 使用したプロンプトは以下になります。 日本語は適当ですが、ChatGPTが理解できる記述であればOKです。 ChatGPTの出力 以下が出力になります。 なかなか良い感じに言語化してくれました。 GPT-4を用いてのプロンプト実行だったので、文脈の理解や言語化されていない部分の補足など、ほぼ

          ChatGPTで新しいジャンルのファッション店を考えてみた

          土曜に「人生」を考える

          はじめにもしこの文章を見ている人がいたら、あなたに聞きたい。なぜあなたは仕事をしているのかと。 今の私にとっては、働くことは食べていくための労働だ。生きるために労働が必要な限り、私は仕事に縛られ続けなくてはならないし、内容がどうであれ、仕事が生に対する積極的な理由になることもない。 最近会社で行っている業務改善の提案も、そうした義務感に対するささやかな抵抗にすぎない。 仕事と労働の変遷古代ギリシャでは、仕事と労働というのが明確に区別されていたらしい。ざっくり言うと、労働は食

          土曜に「人生」を考える

          ラーメンとは何か

          京大前総長の山極壽一さんは「人間を知るには人間以外(ゴリラ)を知らなければならない」という意味の言葉をおっしゃっていた。ということは、ラーメンを知るにはうどんを知らなければならない。 ラーメンとうどんは同じ麺類で、そして日本発祥である(諸説あるが)。もし食べ物に系統樹があれば、かなり近い系統になるはずだ。日本で古くから培われた醤油ベースうどんが、明治時代に中国から新たに伝来したラーメンに多大な影響を与え、日本独自のラーメンが生まれたのは言うまでもない。ラーメンが日本発祥と物

          ラーメンとは何か

          幸せなんてない

          小学校、中学校、高校、大学、そして大学院と人生を振り返ってみて、今が精神的な充足感が一番大きいと感じる。でも、今の状態を一番幸せだ、と表現するのは少し気後れする。たぶん、これまでの経験とか感情とか、そういう自分の中の集積知みたいなのがそうさせるんだろう。 思い出してみると、中学高校時代はちょっとした暗黒時代みたいな、もやがかかったような印象がある。常に何かに圧迫されていたような息苦しさと、劣等感と、疲労感。それでいて本当は自分にも分からない何か特別な素質があって、いつか変わ

          幸せなんてない

          興味と忌避

          現在、地球上の70億人超の人間はほとんどみんな、言葉で考え、喋り、聞き、読み、書いて生活している。僕は生物進化に関わる研究をしているので、言語について考えを巡らす時には、必ず思考、所謂自我の起源について考えることになる。それは、人間がいつから人間だったのかについて考えることとある意味同義でもある。 人間が思考を行っているということは、その前には言語なく思考していた人間に限りなく近い生物がいたはずである。もしくは、それ以前には思考は存在せず、言語の誕生後になんらかの形で偶然思

          興味と忌避

          コロナ禍の人々について

          前々から疑問に思っているのは、外では始終マスクを着けているにも関わらず、飲食店では平気で外して話している人々の心理状態である。一方で、新型コロナの感染拡大はgotoトラベルが原因だと言わんばかりの世論の騒ぎよう。 リスクマネジメントの基本は、大きな対処可能なリスクを取り除きつつ、軽微なリスクは許容することで最終的なリスク軽減度とベネフィットの総和をできるだけ最大化することだと思うが、なぜかそのような論点にはならないらしい。新型コロナの感染経路の大部分は飛沫感染だと言われてい

          コロナ禍の人々について