見出し画像

研修企画に大切なことを学んでみた

どうも、Kazutakaです。

研修で最も大切なことは、受講者の言動に変化を起こせたか?だと思っています。

ここで言う変化とは、感情、知識など様々ですが、結論としては行動が起きたか?に尽きます。

研修という場を「変化」につなげるために必要な研修デザインやインストラクション、理論を学ぶため、今回は以下の本からインプットを行いました。

受講者の行動を変化させる「研修転移」

研修転移とは、「研修で学んだことを現場に戻って活用し、成果を出すこと」です。

研修は、現場から離れた場所で学ぶための時間を取って、体系的な知識をインプットする場として利用されています。

ここで起きるのが、「勉強した」だけで終わってしまうことです。

ロジカルシンキング研修を受け、ロジックツリーやPREP法、演繹法と帰納法を活用した思考を学んだとしても、現場に戻ってから使われなければ、その研修は実のあるものだったとは言い難いでしょう。

この現象を避けるために研究されているのが「研修転移」であり、行動経済学や心理学、経営学等様々な知見を持つ学者により、常に最新の研究が行われています。

私は、研究者では無いので、学術的なことは言えませんが、今までの経験や知識、本からのインプットを総合して、研修転移をデザインするために必要なポイントを振り返ってみます。

ポイント

ポイントは大きく5つです。

1.受講者の上司、同僚、現場の巻き込み
2.研修効果の評価軸設定
3.講師の質
4.研修後の定点的な効果測定
5.研修と人事評価のリンク

このポイントは、1,2を研修前、3を研修中、4,5を研修後として考えると理解の整理に役立つと思います。

上司、同僚、現場の巻き込み

研修は、受講者が普段の仕事現場から離れ一堂に会して勉強するため、上司や同僚の負担となります。

そのため、受講者も現場から電話が来たりメールが来ると、とても気になります。

また、受講者が研修で学んだことを活用しようとして、現場の業務フローを変えたり、改善提案等をすると、嫌がられることも多々あります。

こうした障害を避けるためには、研修実施前から上司を含めて現場をうまく巻き込んでいく必要があります。

例えば、研修に込めた想いを社長からメッセージとして発信してもらったり、研修の意図を人事から上司に説明する場を設けるなどです。

そして、研修で取り上げる内容も必ず普段の業務で起きうるケースを取り扱い、現場での適用イメージを高めることが大切になります。

研修効果の測定軸設定

研修の効果測定としては、満足度調査となるアンケートを行うことが一般的かと思いますが、これでは研修効果を高めるには不十分です。

本よりの抜粋になりますが、研修効果の測定には4つのステップがあります。

1.受講生アンケート(Reaction)
2.学習内容テスト(Learning)
3.現場での行動調査(Behavior)
4.ビジネス成果への影響調査(Result)

これは、カークパトリックという学者が唱えたかなり有名な4ステップです。

近年では、3の「行動」に注目された研究がなされており、多くの企業でも研修として取り入れられています。

例えば、受講者と上司が一緒に研修に参加し、研修を学んだ内容を基に現場をどのように変えていくか?を実践していく研修や、新入社員が配属先の営業所を何かのテーマで地域ナンバー1にするための施策を考え実践するといったものです。

従来の研修のように、体系的な知識を学ぶだけでなく、行動をいかにしてデザインして起こしてもらうかということが、最近ではかなり重要視されているようです。

講師の質

良い研修を企画したとしても、当日の研修をうまくデリバリできなければ、何の成果にもつながりません。

そのためにも、講師のデリバリスキルはかなり重要となります。

このポイントは、もっとも当たり前のことですが、実践が難しい重要ポイントです。

特に、知識提供に加えて、モチベーション向上に働きかけられる話術を身に付けた講師が必要になります。

いかにビジネス経験が豊富だったとしても、受講者の知識レベルや態度に合わせて話ができ、論理だけでなく感情面にも配慮した伝え方ができる人は、そう多くは居ません。

そうした高いレベルの研修デリバリができる講師によって研修を提供することは、最も大切なポイントの1つかと思います。

研修後の定点的な効果測定

研修後は、モチベーションが高く、新しいことに実践していたとしても、1週間、1ヶ月、3ヶ月と時間が過ぎていくことで、以前の仕事スタイルに戻ることは多いです。

この振り戻しを避けるためには、研修後に行動変容の効果が出続けているか測定する必要があります。

そして、良い測定結果を出すためには、研修受講当時の感情や知識を振り返って思い出せる工夫が必要です。

例えば、隔週で人事や上司に研修で学んだことを踏まえたチャレンジと結果を報告してもらったり、人事から研修内容の復習メールをリマインドで送る等があります。

ここで重要なのは、上司に並走してもらうことです。

研修前でうまく上司、同僚の巻き込みができていれば、上司は受講生の研修後の行動にとても興味を持っているはずです。

そうした上司を、研修効果の持続的発揮に貢献してもらえれば、より高い成果に繋がります。

研修と人事評価のリンク

多くの企業では、一定の年次や等級に合わせて必須となっている研修があり、その受講結果により次の評価対象とするかどうかの基準を持っている会社はいくつかあると思います。

ただ、研修効果を高めるという意味では、人事評価で設定するスキルセットと研修内容、受講者の結果をリンクさせておくと良いです。

なぜなら、会社が求める人材への投資である研修と、学びから繋がる成果に一貫性が生まれ、受講者や上司、現場を含む組織の一体感が増すからです。

研修は、企業が意思を持って行う人材への投資であり、その金額は決して安くありません。

その投資を、単なる年次・階層における義務的なお勉強とするのは、もったいないです。

ここでいう研修と人事評価のリンクは、研修当日での結果だけでなく、中期的に研修で学んだことを実践できていたか、どのような成果が出たかを繋げることです。

こうした、研修と人事評価のリンクが上手くできている組織は、コロナ禍の状況でも生き残っていける柔軟性と一体感を手に入れることができると思います。

今日の学びは以上です!

いいなと思ったら応援しよう!