第三回 西田幾多郎の『善の研究』:純粋経験と実在
・はじめに
西田幾多郎の『善の研究』において、「純粋経験と実在」というテーマは、現実の捉え方や自己認識に関して深い洞察を提供しています。
物事を真に理解するためには、私たちが持つ先入観や判断を排除し、純粋な経験を通じて実在を捉えることが求められます。
・実在と純粋経験
西田幾多郎は、真の実在は日常の直感から見出すことができると考えていました。
例えば、目の前にあるリンゴを「赤いリンゴだ」と判断した瞬間、それはただのリンゴとして認識されてしまいます。
西田の主張は、物事を判断する前の状態、すなわち純粋経験を通じて感じたものこそが実在であるということです。
・色眼鏡を外して物事を見る
私たちが現実を正しく捉えるためには、色眼鏡を外して物事を見る必要があります。
色眼鏡とは、私たちの思想、嗜好、習慣といったものを指し、これらが物事をありのままに見る妨げとなります。
例えば、ある人を「凄い」と感じるのも、その人に対する先入観や価値観に基づくものです。
・知的直観と無心の境地
純粋経験を通じて物事を捉えるためには、無心になり、知的直観を開くことが重要です。
無心の状態で自分と対象が一体となる時、初めて知的直観が開かれ、物事の真実が見えてきます。
これにより、自己と世界の本質をより深く理解することが可能になります。
・おわりに
物事を正しく見るためには、色眼鏡を外し、無心で世界と向き合うことが必要です。
これにより、純粋な経験を通じて実在を捉えることができ、自己の成長にも繋がります。
他人の色眼鏡を利用して高く評価されるような活動をするだけでなく、色眼鏡を外して見られても凄いと思われるような自己を目指していきましょう。
次回、第四回は「西田幾多郎の『善の研究』:生と死を越えて」というテーマでお話しさせていただきます。
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